札響第605回定期 バッハ クリスマス・オラトリオより

コンサート
12 /03 2017
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■ 札幌交響楽団第605回定期演奏会

 J.S.バッハ クリスマス・オラトリオ BWV248より第1,2,5,6カンタータ

 マックス・ポンマー(首席指揮者)
 
 針生美智子(ソプラノ)、富岡明子(メゾソプラノ)
 櫻田亮(テノール)、久保和範(バリトン)
 札響合唱団、東京バロック・スコラーズ、ウィスティリアアンサンブル

 2017年12月2日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara


12月の定期は札響初演となるクリスマス・オラトリオから4部の抜粋演奏です。演奏会の構成は前半は第1,2カンタータ、休憩を挟んで後半に第5,6カンタータというものでした。コンサートマスターは田島高宏さん。

ポンマーさんのバッハは今年1月の定期で演奏された管弦楽組曲(4つの序曲)に感銘を受けましたが、今回も管弦楽、合唱、独唱からなる大曲を自信をもってまとめ上げていたように感じました。

管弦楽ではすっきりと透明感のあるヴァイオリンセクションが演奏全体をリードし、第1,6カンタータで活躍するトランペットが音程、音色など惚れ惚れするほど見事な吹奏で華を添えていました。福田、鶴田、佐藤の各氏には終演後に大きな拍手が贈られていました。声楽は拙ブログで何度も書いている櫻田さんの福音書記者・テノール独唱がとりわけ素晴らしかったですし、全部で15曲ほどある合唱・コラールも安定した美しいハーモニーだったと思います。


札フィルのブルックナーを聴く

コンサート
11 /03 2017
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■ 札幌フィルハーモニー管弦楽団第57回定期演奏会

 オッフェンバック(ロザンタール編) バレエ音楽「パリの喜び」より
 ブルックナー 交響曲第8番ハ短調(第2稿ハース版)

 指揮:松浦修

 2017年11月3日(金・祝)
 札幌コンサートホールkitara


文化の日は札幌で一番歴史の古いアマオケを初めて聴いてみました。聴いてみたいと思ったきっかけはオッフェンバックとブルックナーというプログラムのセンスに惹かれたからです。

「パリの喜び」は吹奏楽では結構やられていますが、オーケストラの生演奏を聴くのは初めてで、とても楽しみでした。8曲の抜粋でしたが、「序曲」冒頭のふわっとした軽妙な感じの音の作りに好感が持てました。全体的に良かったのですが、中でもオーケストラ全体がとても歌っていた「Valse lente」はすごく美しかったですね。

後半は「ブルックナー第8番」。技量も体力も必要とする大曲・難曲ですが、しっかりオーケストラを鳴らせていて健闘していたと思います。特にヴァイオリンセクション、フルートとホルンのトップの方は上手いと感じました。ホルン8のうち4本が持ち替えるワーグナー・チューバは難しい楽器なのでしょうね。だいぶ苦戦していたようです。ブル8を生演奏であらためて聴くとワーグナー・チューバの出てくるところなどがよくわかって非情に興味深かったです。


札響第604回定期 エリシュカ指揮「シェエラザード」ほか

コンサート
10 /28 2017
■ 札幌交響楽団第604回定期演奏会

 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」序曲
 ドヴォルジャーク チェコ組曲
 リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

 ラドミル・エリシュカ(名誉指揮者)
 
 2017年10月27日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

秋晴れの中、2006年以来11年にわたり札響と良好な関係を築いてきたマエストロ、エリシュカ最後の来日、そして日本での最終公演を聴いてきました。

まず、マエストロはお元気で、指揮ぶりもこれまでの公演と同じく颯爽としたもの。聴かせてくれる音楽も生気に満ち溢れたものでした。最後の来日とは惜しい限りですが、高齢ですから体にかなり負担はかかっているのでしょう。

演奏会自体は最終公演にふさわしく素晴らしく、思い出に残るものになりました。

今回はやはりメインのシェエラザードに尽きます。エリシュカさんの希望で、当初予定のベートーヴェンの「英雄」から札響に初めて客演した際に振った思い出のこの曲に変更になったとのことです。エリシュカさんの指揮は結構デフォルメを効かせた濃厚な印象を受けました。この曲はこれぐらいの方がドラマティックな面白さが際立つように思います。オーケストラも厚みもあって力強く、アンサンブルもきっちり決まって、マエストロの最後の公演に高いパフォーマンスで応えていたように感じました。美しいソロを聴かせてくれたコンマスの田島さんも素晴らしかったですし、ファゴットの坂口さんやトランペットの福田さんなど管楽器のソロもとても良かったです。

「バグダッドの祭、海、青銅の騎士の立つ岩での難破、終曲」で音楽がクライマックスに向けて次第に盛り上がっていくところで、「これで最後かぁ」という実感が湧いてきました。演奏後、万雷の拍手とスタンディングオーベイションで称えられていたマエストロ。その指揮ぶりや息遣いを記憶にとどめておきたいと思った演奏会でした。


ロメウス弦楽四重奏団 第4回演奏会

コンサート
10 /21 2017
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■ ロメウス弦楽四重奏団 第4回演奏会

 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第2番 ト長調 作品18-2
 ベートーヴェン 弦楽四重奏団第7番 ヘ長調 作品59-1 「ラズモフスキー第1番」

 市川映子(第1ヴァイオリン)、坪田規子(第2ヴァイオリン)
 物部憲一(ヴィオラ)、廣狩理栄(チェロ)

 2017年10月20日(金)19:00~
 北海道立文学館

これから3週連続の演奏会です。はじめは元札響コンマスの市川さん、客演団員の坪田さん、現役団員の物部さんと廣狩さんによるカルテット。第1回演奏会の時に「ベートーヴェンをやりたい」とのお話があったとおりオール・ベートーヴェン・プログラム。今回は中期の傑作ラズモフスキー第1番がメインです。

今回初めて知りましたが2番は実際には3番目に作られた曲なのですね。優美な曲調は少しベートーヴェンのイメージと違うようにも感じられますがいい曲だと思います。今回少し勉強してから生で聴いてみたのですが、多少なりとも曲の理解が進んだように思います。

後半のラズモフスキー第1番はプログラムにも「弦楽四重奏の歴史における一大傑作」、「素晴らしさを何と形容したらよいか判らない」とありましたが、自分も聴くたびに実感します。当時の人もこの深みとスケール感には相当驚いたのではないでしょうか。もちろん第1楽章が一番いいのですが、今回は第3楽章、第4楽章にも大変惹かれるものがありました。前者の物悲しい響きは生で聴くととても心に響くものがありましたし、第4楽章はロシア民謡の主題がベートーヴェンによって芸術性の高いものに引き上げられているように思いました。演奏もすごく良かった!。約40分の大作を堪能させていただきました。

定期的にベートーヴェンの弦楽四重奏を聴くことができるのは、とても貴重な体験で、これからも一曲一曲聴きこんでコンサートに通うのを楽しみにしていきたいと思います。


札響第603回定期 下野指揮 ブルックナー交響曲第1番ほか

コンサート
09 /23 2017
■ 札幌交響楽団第603回定期演奏会

 スッペ 喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲
 グルダ チェロと吹奏楽のための協奏曲 *
 ブルックナー 交響曲第1番ハ短調(ウィーン版)

 下野竜也(指揮)
 宮田大(チェロ) *

 2017年9月23日(土)14:00
 札幌コンサートホールkitara
 
下野さんの指揮は2年前の都響札幌公演以来です。

1曲目スッペ。オケの軽快な響き、チェロ首席の石川さんの美しいソロ、活力に満ち溢れた演奏でブラヴォーがかかりました!。

2曲目はピアニスト、フリードリヒ・グルダの1981年の作。独奏チェロと吹奏楽のための作品ということで、弦楽セクションの椅子や譜面台が撤去されます。その間、なんと下野さんが作品解説をするというサービス付きでした。楽器編成は面白いです。独奏チェロの前にマイク、ステージ上にスピーカーが4台。グルダの指定だそうです。管楽器セクションにギター、ドラムス、タンバリン、トライアングル、コントラバス。

曲は、何と言ったらいいのでしょう。5曲で構成されていてJAZZのビッグバンドのような曲や長いカデンツァなど、個性あふれるもの。普通のクラシックの作品とはまるで違いますが、下野さんが解説で「決しておふざけではない」と言っていたのはわかりました。ただ、正直好みではなかったですね。宮田さんのアンコールはバッハの無伴奏チェロ組曲 第3番よりブーレでした。

ちなみに、こんな曲(1.序曲)



休憩後はブルックナーの1番。プログラムには札響初演とありました。第2番は札響が日本初演らしいので、意外な気もします。さて、演奏の感想はというと・・・いい演奏だと思いましたけど、曲が・・・・、特に両端楽章の主題がはっきりしないところが好きになれない曲です。第2、第3楽章は好きなんですけどね。

今回の演奏会、スッペとグルダでは1番トランペットがお若い女性でした。今月入団の副首席の鶴田さんでしょう。金管セクションの紅一点。札響に新しい風を吹き込んでほしいですね。