札響第599回定期 ホリガー指揮 ドビュッシー「海」ほか

コンサート(札響)
05 /20 2017
■ 札幌交響楽団第599回定期演奏会

 シューマン ミサ・サクラ ハ短調 op.147*
 マーラー アダージェット ~交響曲第5番より
 マーラー(ゴットヴァルト編)  「夕映えのなかで」 ~無伴奏合唱のための*
 ドビュッシー 「海」 ~3つの交響的素描

 ハインツ・ホリガー(指揮)
 ラトヴィア放送合唱団*
 札幌交響楽団

 2017年5月20日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

前半のミサ・サクラは名前すら初めて聞く曲で、正直眠くてしょうがなかったのですが、後半のマーラーでプログラムの妙とラトヴィア放送合唱団の素晴らしい歌声を堪能できました。

マーラーの「夕映えのなかで」は、交響曲第5番のアダージェットに18世紀ドイツの詩人アイヒェンドルフの詩を付けて2008年に16声の無伴奏合唱に編曲したもの。要するに同じ曲を器楽でやった後に合唱でやるというプログラムで、これはなかなか面白いと思いました。

ラトヴィア放送合唱団は総勢24名のようでしたが、ハーモニーの美しさはもとより、弱音のコントロールなどで個の実力を感じました。消え入るように歌声がホールからなくなり、しばしの沈黙の後、盛大なブラヴォーがかかっていました。良かった!。

一方の札響ですが、「海」がなぜか心に響いてきませんでした。ホリガーさんの指揮もどこか単調な印象もありましたし・・・。もっとも、自分自身もシラカバの花粉症だと思われる目のかゆみなどの症状があって、体調が思わしくなかったことも大いに影響していると思いますが。

また、今回の演奏会は、前半のミサ・サクラが45分もある曲だったこともあり、通して2時間15分ぐらいになりましたが、自分はやはり2時間以内に収めるのがいいのではと思った次第。まあ、今回はラトヴィア放送合唱団を聴けたということで良しとしましょう。

札響定期も599回まできました。次回は記念すべき600回です。


札響第598回定期 広上指揮 ホルスト「惑星」ほか

コンサート(札響)
04 /22 2017
2017-2018シーズンの開幕定期はあいにくの雨、最高気温7度というコンディションでしたが、演奏は熱く充実したものでした。

■ 札幌交響楽団第598回定期演奏会

 コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
 ホルスト 組曲「惑星」 op.32

 ダニエル・ホープ(ヴァイオリン)
 広上淳一(指揮)

 札幌交響楽団
 札響合唱団(女声合唱)

 2017年4月22日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

前半のコルンゴルトは生誕120年&没後60年とのこと。ウィーンで活躍後ハリウッドで映画音楽で成功したとあり、このヴァイオリン協奏曲も各楽章の主題に映画音楽が使われているようで、確かに1937年の作にしては聴きやすい曲です。また、通常の管弦楽に加え、チューブラーベル、銅鑼、シロフォン、ヴィブラフォン、グロッケンシュピール、チェレスタ、ハープなども加わるコンチェルトとしてはかなり異例の編成なのも特徴のようです。

ミステリアスかつロマンティックな曲ですが、独奏のホープさんも良かったですし。広上さんも札響から非常に柔らかで繊細な響きを引き出していて、演奏中何度も感心する場面がありました。

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後半は「惑星」。編成はさらに大きくなります。弦5部にフルート4(ピッコロ、アルトフルート持替)、オーボエ3(バスオーボエ持替)、イングリッシュホルン1、クラリネット3、バスクラリネット1、ファゴット3、コントラファゴット1、ホルン6、トランペット4、トロンボーン3、テューバ1、ユーフォニウム1、ティンパニ2、トラアングル、タンバリン、シンバル、大太鼓、小太鼓、シロフォン、チューブラーベル、銅鑼、グロッケンシュピール、チェレスタ、ハープ2、オルガン、女声合唱。と、書くだけで疲れました、はい(笑)

演奏はそれもう圧倒的迫力と豊潤な響きで本当に素晴らしかったです!。
すかっとしました。まさに快演!。

印象に残ったところをあげると、「火星」での広上さんの切れっ切れの格好いい指揮にオーケストラが鋭い反応で応えていたこと。痺れました。「金星」はホルン首席の山田さんのソロをはじめ各パートが好演だったこと。「木星」ではゆったり目のテンポからたっぷり朗々とオーケストラを響かせていたことでしょうか。忘れてはいけないのが「海王星」の女声合唱。音程や音量の面で難しいと思いますが見事にクリアしていました。

「広上淳一 友情客演指揮者就任記念」と題された今回の演奏会、大いに成功だったと思います。卓越した統率力に毎回魅了される広上さん。今後も名演を期待したいです。


札響第597回定期 エリシュカ指揮 ブラームス第1番ほか

コンサート(札響)
03 /11 2017

■ 札幌交響楽団第597回定期演奏会

 メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」
 シューベルト 交響曲第5番 変ロ長調
 ブラームス 交響曲第1番 ハ短調

 指揮:ラドミル・エリシュカ(名誉指揮者)

 2017年3月11日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara


メンデルスゾーンとブラームスは16型、シューベルトは12型での演奏。コンサートマスターは田島高宏さんでした。

1曲目のフィンガルの洞窟は、もたれないテンポと各楽器のバランスの整った響きが良かったですね。生では初めて聴きましたが、ホントに素敵な曲だとあらためて感じました。

2曲目はシューベルトの第5。こちらも第1楽章から古典派の曲のように速いテンポでストレートに進めていく感じです。とてつもなく美しい第2楽章と暗く激しい第3楽章との対比がいいですね。

休憩後はブラームスの第1番。すごく良かった。少しじーんときました。

テンポ、ため、間が自然で音楽がすっと入ってきましたし、実はいつも少しだけ感じるエリシュカさんの棒とオーケストラがずれる瞬間もなくアンサンブルがきっちり整って、迫力も満点の重厚なブラームスでした。

エリシュカさんが第1楽章で第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロパートに盛んに指示を出していたこと、第2楽章の田島さんの艶のあるソロヴァイオリン、第4楽章の1番、2番ホルンによる太く朗々たる見事な吹奏も印象に残りました。

天気晴れ、気温も4度まで上がった札幌は、積雪70cmの雪解けで足元がぐちゃぐちゃでしたが、お客さんは多かったですね。ブラームス交響曲全曲演奏のトリを飾る演奏はブラヴォーもいつも以上に多く大いに盛り上がりました。


札響名曲シリーズ 牛田智大(Pf) ショパン ピアノ協奏曲第2番ほか

コンサート(札響)
02 /05 2017
■森の響(うた)フレンドコンサート
札響名曲シリーズ2016-2017

 グリーグ 「ペール・ギュント」第1組曲
 ショパン ピアノ協奏曲第2番
 シベリウス 交響曲第2番

 高関健(指揮)
 牛田智大(ピアノ)
 
 2017年2月4日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

先週に引き続き2週連続の札響。今季最後の名曲シリーズは17歳の牛田智大さんへの期待と好天も相まってかほぼ満席でした。

1曲目、ペール・ギュント。「オーセの死」での弦の精緻なアンサンブルが印象に残りました。「山の魔王の宮殿にて」も迫力があって良かったです。ファゴットの旋律に絡むホルンのゲシュトップは生で聴くと演奏効果がよりはっきり認識できました。

2曲目、ショパン。2番のコンチェルトを生で聴くのは今回が初めてです。最初に思ったのは、オーケストラがほんと「伴奏」って感じで(第3楽章の終り頃に出てくるホルンのファンファーレ的なフレーズは面白いですが)、大規模管弦楽曲を書かなかったのが頷けます。ピアノを聴くものとわりきる曲ですね。

牛田さんのピアノはショパンらしさが楽しめる第2、第3楽章が良かったと感じました。時々目を閉じて聴いていましたが、繊細かつロマンティックな音の進行に集中できました。アンコールには同じくショパンの幻想即興曲が演奏されました。細かな音の動きから時にふわっと、時にくっきり力強く浮かび上がるメロディの美しいこと!。会場全体も聴き入っている感じが伝わってきました。

休憩後はシベリウスの第2番。高関さんの指揮はテンポも表情づけも違和感のない自然な感じです。札響も全4楽章ムラのないとてもいい演奏だったと感じました。

アンコールにはシベリウスの組曲「恋人」から第1曲恋人が演奏されました。


札響第596回定期 ポンマー指揮 バッハ 管弦楽組曲全曲

コンサート(札響)
01 /28 2017
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■ 札幌交響楽団第596回定期演奏会

 J.S.バッハ 管弦楽組曲全曲
(演奏順:第3番ニ長調、第2番ロ短調、第1番ハ長調、第4番ニ長調)

 マックス・ポンマー(指揮)

 髙橋聖純(フルート) *第2番
 辰巳美納子(チェンバロ)

 田島高宏(コンサートマスター)

 2017年1月28日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara


前半が第3番と第2番。休憩後の後半に第1番と第4番という構成。コンサートマスターは田島高宏さんでした。編成は弦5部とチェンバロに管打楽器が加わります。
第3番:オーボエ2、トランペット3、ティンパニ
第2番:独奏フルート
第1番:オーボエ2、ファゴット
第4番:オーボエ3、ファゴット、トランペット3、ティンパニ

配置は最前列にオーボエとファゴット。その後は向かって左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、チェロ。そして中央奥にトランペットとティンパニです。

全体的な感想としては古楽器の影響も受けつつ、すっきりと美しい明るい感じのバッハでとても良かったです。

個別の部分では第2番で髙橋聖純さんがブラヴォーのかかる素晴らしい演奏を聴かせてくれましたが、あまり音の届かない席だったので十分音楽に浸れなかったのが残念。第1番は透明感のある美しいサウンドが印象に残りました。

第3番と第4番は華やかでいいですね。トランペットパートに注目してしまいます。本日は福田さん、松田さん、前川さんの3人です。高音域が続き負担のかかる曲と思われますが、要所要所を綺麗に決めていて演奏に締まりが出ていたと思います。

祝祭的なニ長調の第3番で始まり、同じ雰囲気・調性の第4番で締めていましたが、演奏効果やトランペット奏者の負担も軽減されるいい構成だと感じました。地味なプログラムにもかかわらず、お客さんはまあまあ入っていた感じでした。「ポンマーが満を持して取り上げるバッハ」と題された今回の定期への期待が大きかったのでしょうか。

今回はプログラムの曲目解説も興味深かったです。「組曲」は鍵盤楽器の独奏曲のように楽章配列に定型があるもののみに用い、バッハはアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグを根幹とする場合のみ「組曲」としているようです。管弦楽を用いた自由な楽曲群は第1曲に代表させて「序曲」と呼ぶのが現在の定説のようで、この曲も「4つの序曲(管弦楽組曲)」と題されるようです。

演奏会のプログラムはその時代時代の最新の内容で書かれるので一読の価値はあるのですね。