ポンマーさんの練習見学会

コンサート(札響)
01 /27 2017
昨日、週末の札響第586回定期(J.S.バッハの管弦楽組曲)の練習見学会に行くことができました。

見学会は45分やって15分休憩。また45分というスケジュールで、この日は前半に第4番、後半に第3番の練習がありました。場所は本番と同じkitara大ホールです。

ポンマーさんは通して演奏させ、その後に気になる部分に戻って表現、テンポ、音程、和音の細かい部分を確認をしていく進め方です。具体的には以下のようなことです。

「重くならないで軽やかにやってほしい」
「長い音は減衰させ、他のパートの動きを聴く」
「テンポが走らないように」
「インテンポだけど、リタルダンドしない程度に終わる感じを出す」
「音程上ずらないように」

第3番では冒頭の3本のトランペットの和音について、「簡単ではないことはわかっているが、演奏会の最初の一音なので、本番前に3人と私で合わせの練習をしよう」という提案も。また、楽団員側からも音の処理や音量についての細かな質問があり、的確に答えていました。

あたりまえですが、本番の演奏が素人ではわからない部分の緻密で地味なリハーサルの積み重ねで出来ていることを実感しました。

最後にポンマーさんからお話がありました。管弦楽組曲はフランスの様式を取り入れた曲で、バッハはリューネブルクに住んでいた頃、隣町の領主お抱えのフランス人の達の楽団の音楽が聴きたくて18キロを通ったこと。高音域のトランペット、バロックティンパニなどを使った多彩で見事な4つの曲を一度に楽しめるコンサートなので、是非足を運んでほしいとのことでした。

本番がますます楽しみになりました。悪天候にならないことを祈りたいです。



札響第595回定期 飯守&ホジャイノフの「皇帝」と「指環」抜粋

コンサート(札響)
11 /26 2016
■ 札幌交響楽団第595回定期演奏会(夜公演)

 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ワーグナー 楽劇「ニーベルングの指環」より ワルハラ城への入場、ワルキューレの騎行、
         魔の炎の音楽、森のささやき、ジークフリートの葬送行進曲、ブリュンヒルデの自己犠牲

 飯守泰次郎(指揮)
 ニコライ・ホジャイノフ(ピアノ)

 2016年11月25日(金)19:00~
 札幌コンサートホールkitara


1曲目は「皇帝」。14型2管編成。コンサートマスターは大平まゆみさん。チューニングが終わり、ホジャイノフさんと飯守さんが登場。ホジャイノフさんはパッと見は細身のイケメン、神経質な芸術家という感じです。92年ロシア生まれで、2010年のショパンコンクールのファイナリスト、2012年ダブリン国際ピアノ・コンクール優勝などの経歴をお持ちだそうです。

「皇帝」は意外にも生で聴くのは初めてですね。あまり好きな曲ではないのですが、演奏は両端楽章の力強さ、第2楽章の繊細な美しさはたっぷり堪能しました。曲のせいもあるのかもしれませんが、この演奏会ではホジャイノフさんはわりと飯守さんにあわせていたように感じました。ピアノとは関係がないのですがホルンの下吹きにソロがあったり、第2楽章から第3楽章にかけてホルンだけの持続音があったりと、新たな発見がありました。

アンコールは2曲披露してくれました。リスト(ブゾーニ編)の「フィガロの結婚」の主題による幻想曲とグランド・ギャロップ・クロマティックでしたが、こちらは荒々しくも圧倒的な超絶技巧で会場を大いに沸かせました。すごい!

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後半は「指環」ハイライト。弦5部は16型に拡大。管打はフルート4(ピッコロ持替)、オーボエ3、イングリッシュホルン、クラリネット3、バスクラリネット、ファゴット3、ホルン8(ワーグナーテューバ持替)、トランペット3、バストランペット、トロンボーン4(コントラバストロンボーン持替)、テューバ、ティンパニ2、スネアドラム、トライアングル、タムタム、シンバル、グロッケンシュピール、ハープ2と、まあ舞台にびっしりです。

「皇帝」ではスコアを見ながらだったマエストロ飯守はワーグナーではなんと暗譜。さすがはオペラ指揮者ですね。

ワルハラ城への入場がはじまったとたんワーグナーの世界に引き込まれました。分厚い響きやトゥッティのときのものすごい迫力に快感を覚えます。飯守さんがプログラムに「ワーグナーの音楽の一番素晴らしいところは、極端に言えば人の心を操作するほどの圧倒的な表現力」と書いておられたとおりですね(笑)。6曲の中ではワルキューレの騎行、森のささやき、ジークフリートの葬送行進曲がとても良かったと思いました。

飯守さん、納得の快演だったのでしょう。タクトを置いた後、両手をがっちり合わせて楽団への感謝を示していたように見えました。

まことに聴きごたえたっぷり・腹いっぱいの演奏会でした。札響定期は年内は今回で終了。次の定期は約2か月後です。


札響第594回定期 エリシュカ指揮 チャイコフスキー第5番ほか

コンサート(札響)
10 /16 2016
暖かかった土曜の午後に札響の10月定期を聴きに行ってきました。今回はエリシュカさんが指揮することもあってかお客さんもいつもより多い感じでした。

■札幌交響楽団第594回定期演奏会(昼公演)

 スメタナ 交響詩「ワレンシュタインの陣営」op.14
 ドヴォルジャーク スケルツォ・カプリチオーソop.66
 チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調op.64

 指揮:ラドミル・エリシュカ(名誉指揮者)

 2016年10月15日(土)14:00~ 
 札幌コンサートホールkitara


1曲目、「ワレンシュタインの陣営」は初めて、というか名前さえも聞いたことがなかった曲。札響も今回が初演だそうです。劇音楽の序曲として作曲され、後に交響詩に編曲されたものらしいです。16型の弦、2管編成ですがトランペットは4で、ピッコロ1、チューバ1、打楽器にはトライアングルも加わる編成で迫力がありました。演奏後は大活躍のトロンボーンとトランペットが喝采を受けていました。

2曲目、「スケルツォ・カプリチオーソ」。聴きながら思ったのは、ドヴォルジャークのオーケストレーションの巧みさ。前曲と比べると断然響きが洗練された印象を受けます。冒頭のホルンをはじめ札響の各セクションも好調だったと思います。

休憩を挟んでの後半はチャイコフスキーの「第5番」。エリシュカさんの演奏はがっしりとした骨格をもった立派なチャイコフスキーです。ほの暗くためらいがちな冒頭、第2楽章でトゥッティで現れる第1楽章冒頭主題の大きくテンポを落としたスケールの大きな演奏、第4楽章主部の力強い進行などが印象に残りました。終結の4つの和音を独立気味に演奏していたことも面白かったですね。個人的には3月の第4番の方が良かったと感じましたが、終演後のホールは後期3大交響曲シリーズの最終回を飾るにふさわしい興奮に包まれていました。

この日のロビーコンサートではコンサートマスターの大平まゆみさんほかによるカルテットでスメタナの弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」から第1楽章が演奏されましたが、これがなかなか粘り気のあるというか、濃厚な表現ですごく良かった!。ロビーコンサートでは記憶にないブラヴォーもかかっていました。

上の写真は会場で先行発売していた今年3月の定期演奏会のライヴ録音のCD(チャイコフスキーの第4番)。早速購入しました。^^/

札響第593回定期 ポンマー指揮 モーツァルトのレクイエムほか

コンサート(札響)
09 /17 2016
■ 札幌交響楽団第593回定期演奏会(昼公演)

 レーガー モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ
 レーガー 序奏とパッサカリア ※オルガン独奏曲
 モーツァルト レクイエム(ジュスマイヤー版)

 マックス・ポンマー(指揮)
 室住素子(オルガン) 

 秦茂子(ソプラノ)
 竹本節子(メゾソプラノ)
 清水徹太郎(テノール)
 三原剛(バリトン)

 札響合唱団

 長内勲(合唱指揮)

 2016年9月17日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara


前半2曲はドイツの作曲家マックス・レーガー(1873~1916)の没後100年を記念して取り上げられました。

1曲目はモーツァルトのピアノ・ソナタK.331の第1楽章の主題のあとに8つの変奏曲が続くというもの。ポンマーさんが指揮棒を振り下ろすとオーボエの関さんの優しい音色がホールに響き渡ります。札響のアンサンブルはとても良かったと思います。聴きやすい30分ほどの曲でしたが、ピンとくるものはなく少々飽きました。オケは14型、コンサートマスターは田島さんでした。

2曲目、ステージから団員がすべていなくなり、オルガン独奏の室住さんが登場。プログラムによると室住さんは幼少期道内で過ごし、東大文学部在学中にオルガンを始めたようですが、その後はすごい経歴。2010年の小澤さんのニューヨークでの戦争レクイエムにも出演したようです。曲はオルガンの様々な音色、ダイナミックさを味わえる10分程度のもの。こちらはまあまあ良かったでした。

休憩後のレクイエムは、8-6-4-3-3まで刈り込まれた弦5部にバセットホルン2、ファゴット2、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、オルガンに総勢約90名の合唱。オーボエがないのでバセットホルンによるチューニング音で始まります。

オーケストラと合唱のバランスを欠くように思いましたが、杞憂でした。奏でられた音楽は良かったです!。

早めのテンポ、スタッカート気味のリズム、ティンパニの硬いマレットなど古色蒼然としたものとは一線を画すもの。4曲目「Tuba mirum」のトロンボーン独奏も上手かった!。独唱陣も癖がなく澄んで伸びやかなソプラノをはじめすごく良かったですし、札響合唱団も最弱音から「Dies irae」や「Sanctus」などでの迫力まで表現力豊かな好演だったと思います。(1箇所アインザッツ乱れあったかな??)

そうそう、本定期は札響55周年ということで、1961年生まれの方を対象とした「夜公演A席ペア座席券+当日乾杯用ドリンク券(2枚)+55周年記念CD(1枚)」の優待販売という面白い企画をやっていたことも最後に書いておきましょう。


札響第592回定期 グラーフ指揮 幻想交響曲ほか

コンサート(札響)
08 /27 2016
首都圏の楽団と違って札響は8月にも定期を開いています。今回は夜公演に振り替えての鑑賞。

■ 札幌交響楽団第592回定期演奏会(夜公演)

 デュティーユ 交響曲第2番「ル・ドゥーブル」
       ~大オーケストラと室内オーケストラのために~
 ベルリオーズ 幻想交響曲 Op.14

 指揮:ハンス・グラーフ

 2016年8月26日(金)19:00~
 札幌コンサートホールkitara

20世紀フランスの作曲家で2013年に没したデュティーユは今年生誕100年。オーストリア出身のグラーフさんは管弦楽曲を作曲家本人の立ち会いのもと録音もしているという権威のようです。

指揮者を取り囲むように室内オーケストラが配されます。弦楽四重奏、オーボエ、クラリネット、ファゴット、トランペット、トロンボーン、ティンパニで、札響の首席奏者の方が固めます。コンサートマスターは大平さん。後方に大オーケストラ、こちらのヴァイオリンのトップはコンサートマスターの田島さんでした。

1959年に作られた3楽章からなる30分ほどの作品は現代音楽ですが、不快なところは全くなく、眠くなることもなく(笑)、室内オケのソロや大オーケストラが作るなんとも言えない響きやリズムに興味をそそられました。チェンバロがかなり活躍するのも面白い点でした。ちなみにドゥーブルはとは「分身」という意味だそうです。

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後半の幻想交響曲は生で聴くのは3回目ぐらいでしょうか。弦14型、2管編成を基本としてファゴットが4、トロンボーン3、テューバ2、ハープ2、ティンパニ2、コルネット2(福田さん・佐藤さん)、トランペット2(松田さん・前川さん)という感じでした。

グラーフさんと札響の演奏は表情豊かで、かつ力強い、すごくいい演奏でした!。特に第4楽章終結から第5楽章全般を通じての迫力と緊張感は鳥肌でした。トロンボーン、テューバ、ティンパニを派手に響かせるこの曲は格別な盛り上がりがありますね。

ちなみに第2楽章のコルネットはなし、第3楽章のイングリッシュホルンに呼応するオーボエはおそらくステージ裏からの演奏(前回はたしか3階席からの演奏)、第4楽章冒頭のホルンはゲシュトップによる演奏でした。

演奏後のグラーフさんはとても満足げな様子。奏者を立たせて拍手を受けさせますが、ソロで活躍のイングリッシュホルンやクラリネットはもちろんのこと、木管セクション全般にも大きな拍手が送られました。

この日は高校生らしき学生さんが多く来場していましたが、幻想交響曲の後半ではみんな身を乗り出すようにして聴き入っていたのが印象的でした。