「チャイコフスキー・コンクール」を読む

音楽
10 /01 2016
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中村紘子著『チャイコフスキー・コンクール ピアニストが聴く現代』を読んでみました。28年も前に出版された本ですが、某大型書店のフェアで平積みされていて、本年7月にお亡くなりになられたということもあって、ふと手に取ってみたことが今読むことになったきっかけです。

82年と86年に審査員をつとめた中村さんの視点で、旧ソ連の当時の状況やコンクールの舞台裏、コンテスタントへの評価が書かれていますが、それだけにとどまらず、クラシック音楽とコンクールのあり方、音楽教育の問題点、日本人の西洋音楽の受容など大変興味深い内容でした。正直なところ中村さんの深い見識と巧みな文章力に驚かされた面もあります。

86年のピアノ部門1位のバリー・ダグラスさんに関する記述も予選で弾いた「展覧会の絵」のことをはじめ結構あり、2014年12月の札響定期にも客演してくれたことを思い出しながら、読み進めることができました。そういう点ではこの本とは今が出会うべき縁だったということかもしれません。

読了後、入賞者を調べなおしてみると82年のピアノ部門では小山実稚恵さんが3位、ヴァイオリン部門ではヴィクトリア・ムローヴァさんが1位、チェロ部門ではアントニオ・メネセスさんが1位などそうそうたる顔ぶれです。その一方で1位の人でも私が知らないだけかもしれませんが、パッと顔を思い出せない人も結構いて、コンクール後の演奏家としてもキャリア形成の難しさも想像したところです。


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