札響第592回定期 グラーフ指揮 幻想交響曲ほか

コンサート(札響)
08 /27 2016
首都圏の楽団と違って札響は8月にも定期を開いています。今回は夜公演に振り替えての鑑賞。

■ 札幌交響楽団第592回定期演奏会(夜公演)

 デュティーユ 交響曲第2番「ル・ドゥーブル」
       ~大オーケストラと室内オーケストラのために~
 ベルリオーズ 幻想交響曲 Op.14

 指揮:ハンス・グラーフ

 2016年8月26日(金)19:00~
 札幌コンサートホールkitara

20世紀フランスの作曲家で2013年に没したデュティーユは今年生誕100年。オーストリア出身のグラーフさんは管弦楽曲を作曲家本人の立ち会いのもと録音もしているという権威のようです。

指揮者を取り囲むように室内オーケストラが配されます。弦楽四重奏、オーボエ、クラリネット、ファゴット、トランペット、トロンボーン、ティンパニで、札響の首席奏者の方が固めます。コンサートマスターは大平さん。後方に大オーケストラ、こちらのヴァイオリンのトップはコンサートマスターの田島さんでした。

1959年に作られた3楽章からなる30分ほどの作品は現代音楽ですが、不快なところは全くなく、眠くなることもなく(笑)、室内オケのソロや大オーケストラが作るなんとも言えない響きやリズムに興味をそそられました。チェンバロがかなり活躍するのも面白い点でした。ちなみにドゥーブルはとは「分身」という意味だそうです。

DSC_1745201608271129.jpg

後半の幻想交響曲は生で聴くのは3回目ぐらいでしょうか。弦14型、2管編成を基本としてファゴットが4、トロンボーン3、テューバ2、ハープ2、ティンパニ2、コルネット2(福田さん・佐藤さん)、トランペット2(松田さん・前川さん)という感じでした。

グラーフさんと札響の演奏は表情豊かで、かつ力強い、すごくいい演奏でした!。特に第4楽章終結から第5楽章全般を通じての迫力と緊張感は鳥肌でした。トロンボーン、テューバ、ティンパニを派手に響かせるこの曲は格別な盛り上がりがありますね。

ちなみに第2楽章のコルネットはなし、第3楽章のイングリッシュホルンに呼応するオーボエはおそらくステージ裏からの演奏(前回はたしか3階席からの演奏)、第4楽章冒頭のホルンはゲシュトップによる演奏でした。

演奏後のグラーフさんはとても満足げな様子。奏者を立たせて拍手を受けさせますが、ソロで活躍のイングリッシュホルンやクラリネットはもちろんのこと、木管セクション全般にも大きな拍手が送られました。

この日は高校生らしき学生さんが多く来場していましたが、幻想交響曲の後半ではみんな身を乗り出すようにして聴き入っていたのが印象的でした。


スポンサーサイト

ツィマーマン(Pf)のシューベルト 即興曲

聴いている音楽
08 /25 2016


オリンピックが終わったこと、朝晩が涼しくなってきたこと、寝室に差し込む朝日の角度が変わってきたことで、朝は6時頃まで眠れるようになってきました。季節はゆっくり進んでいます。

音楽はシューベルトの即興曲作品90と作品142を繰り返し聴いていました。クリスティアン・ツィマーマンさんの演奏(DG・1990年録音)です。

8曲の中では作品90の第1番を最も好みます。寂しさ、儚さ、憧憬が混じり合ったような曲調を聴いているとまさにロマン派。ベートーヴェンとほとんど同時代を生きたシューベルトは全く異なる方向を目指していたのだと実感します。

ツィマーマンさん、30代の録音ですが、古典的な造形とロマンティックな情感のバランスの取れたいい演奏だと思います。

写真はお盆のころの札幌近郊、新篠津村の田園風景。牧草ロールが旨そうに見えます。

秋山/東京so. ブラームス 交響曲第1番ほか

聴いている音楽
08 /20 2016
リオ五輪で日本勢のメダルが史上最多となった夏。高校野球ではなんと北海高校が決勝進出!。

野球強豪県ではないので、駒大苫小牧の初めての決勝戦の時は、生きている間に2回は見られないハレー彗星最接近のような驚きがありましたが(笑)、また決勝の舞台に立つ学校が現れるとは!。いい試合になればいいなぁ。

さて、今週聴いていた音楽の方も驚きと喜びに満ち溢れたものでした。

秋山和慶さん指揮、東京交響楽団の演奏によるブラームスの交響曲第1番ハ短調。カップリングはドヴォルザークの序曲「謝肉祭」のディスク(EXTON・2009年ライヴ)です。

このブラームスすごいです。力強く、艶があり豊潤なサウンド。聴いていて「日本のオーケストラもここまで来たか」と思ってしまいました。黙ってきいたら日本のオーケストラだとわかるでしょうか。

全楽章一分の隙も無い素晴らしい演奏で、特に第2楽章は何度も聴き返したくなる、まさに夢の中にいるような美しさ。オーボエ、ホルン、ソロヴァイオリンが絶品!。

札響とも縁が深い秋山さんの指揮は落ち着きを払った堂々たる巨匠然としたもの。さすがですね。

「謝肉祭」も第一ヴァイオリンのバランスがやや奥まっているように感じましたが、推進力のある素晴らしいアンサンブルの快演です。

東京オペラシティコンサートホールでの録音はやや残響過多ですが、気にならないレベル。驚きとともに日本のオーケストラの発展を実感して嬉しくなる一枚でした。

週明けは台風。また北海道に上陸するのかな・・・


ふきのとうホールオープニングフェスティバル2015のライヴCD

聴いている音楽
08 /15 2016
今年はお盆は帰省もせず、旅行にも行かず、自宅でまったり。そんなお盆の過ごし方は室内楽の聴き流し(かけ流し?)です。

音源はというと、先日のふきのとうホールのコンサートで来場者に無料で配られた3枚組のCD。

昨年のこけら落しから一か月間に渡って開かれた「ふきのとうホールオープニングフェスティバル2015」のライブ録音のダイジェスト版です。

ようは小品や一つの楽章のみだったりの細切れCDなのですが、普段室内楽や独奏器楽曲をあまり聴かない私には、実にいいわけなんです。



DSC_1742201608121925.jpg

ざっと曲目を書くと、
・モーツァルトのデヴェルティメント
・ベートーヴェンのピアノ・ソナタ
・ハイドン、モーツァルト、ベートーベンのカルテット
・ブラームスやプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ
・ショパンのピアノ曲
・バッハのパルティータ
・林光や三善晃の合唱曲
・カッチーニやR.シュトラウスの歌曲
・シューベルトの八重奏曲 などです。

曲で印象に残ったのは、
・ドビュッシーのフルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
・ブリテンのオーボエと弦楽三重奏のための幻想曲
ですね。

初めて聴きましたが、とてもいい曲ですね。

演奏で良かったのは、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの団員でつくられたというモザイク四重奏団のハイドンやベートーヴェンのカルテット。音色やアンサンブルの細かなニュアンスなどが絶品で、聴くだけで至福のひと時という感じ。

東京混声合唱団による沖縄童歌「三村ぬ姉小達」も面白かったです。

思いかげないプレゼントがお盆の愉しみになりました。

さて、お盆明けはというと・・・台風が来そうな雰囲気ですね。週間天気予報は雨ばかりです。


ふきのとうホール夏のフェスティバル2016 「モーツァルト協奏曲の愉しみ」を聴く

コンサート
08 /11 2016
本州の猛暑・酷暑を尻目に、札幌の今朝は肌寒いぐらいの18度、日中の最高気温は29度、そして夕方には23度ほどと、ほどよく夏らしい日でした。

そんな山の日、コンサートに行ってきました。

■ふきのとうホール夏のフェスティバル
  第1日 モーツァルト協奏曲の楽しみ

 モーツァルト アダージョとフーガ ハ短調 K.546
 モーツァルト ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K.271「ジュノーム」
 モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299

 ゴットリープ・ヴァリッシュ(ピアノ)
 マリオ・カローリ(フルート)
 吉野直子(ハープ)
 神戸市室内合奏団

 2016年8月11日(木・祝)16:00~
 ふきのとうホール

DSC_1638201608112050.jpg

ふきのとうホールは札幌駅前に昨年誕生したばかりの221席の室内楽専用ホール。行くのは今回が初めてです。

さて、コンサートは音楽監督である岡山潔氏によるご挨拶と楽曲解説に引き続き、アダージョとフーガからスタート。

1981年創設の神戸市室内合奏団は4-4-3-2-1という編成。プログラムによると98年にゲルハルト・ボッセ氏を音楽監督に迎え、演奏・芸術水準を上げたとありますが、聴いてみて納得。バランスの整った綺麗なアンサンブルでした。

2曲目は「ジュノーム」。ホルン2、オーボエ2が加わります。

ピアノのヴァリッシュさんは、6歳でウィーン国立音楽大学英才クラスに入学、12歳で学友協会大ホールデビュー、ウィーンフィルとも共演歴があるとのことです。若々しく推進力に満ち溢れた演奏だったと思いますが、個人的にはもう少しテンポを落として、細かな音の装飾を楽しみたかったです。

アンコールにはシューベルトのハンガリー風のメロディが演奏されました。

休憩後はフルートとハープのための協奏曲。

フルートは22歳でダルムシュタット現代音楽祭で「クラーニッヒシュタイナー音楽賞」を受賞後、欧州を中心にご活躍だというイタリア生まれのカローリさん。ポリーニ氏やパユ氏から「偉大な表現者」と認めらている実力者のようです。

聴いてみると、こちらは大満足!。カローリさんは全身を使って、大きく、感情豊かな吹奏です。ハープの吉野さんも第一人者だけあって自信に満ち溢れた演奏で、両者の息がぴったりあった華やいだ演奏会になりました。

この曲は生で聴くのは2度目ですが、今回は前方席で聴いたことで奏者の表情や息遣いまでもがリアルに感じられ、前回を上回る良い印象が残りました。

アンコールは両者によりフォーレのシシリエンヌが演奏されました。カローリさん、ここではしっとり静謐な表現。良かった!。


河村&ヒエロフラーヴェク ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

聴いている音楽
08 /07 2016
札幌も盛夏です。本日は33度の予報!。今日はPMFのピクニックコンサートの日ですが、行った方大変でしょうね。

さて当方はエアコンが効いた室内でひんやりラフマニノフを聴いておりました。

河村尚子さんのピアノ、イルジー・ヒエロフラーヴェクさんの指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるピアノ協奏曲第2番ハ短調(RCA・2013年ライヴ録音)です。

DSC_1737201608071325.jpg

河村さんのラフマニノフはなかなか情熱的でスリリングだと感じました。第1楽章のはじめから感情のうねりのようなもに惹きつけられるものがありました。録音も生々しく、第2楽章や第3楽章のテクニックの冴えを隅々までとらえています。素晴らしい!。

ヒエロフラーヴェクさんの指揮はテンポの緩急やピアノのひきたて方が堂に入って自然。清楚なヴァイオリン、エスプレッシーヴォの効いたチェロなど多彩な表情づけで華やかなコンチェルトに感じました。

ムローヴァのブラームス ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」ほか

聴いている音楽
08 /04 2016
先週の土曜日に今年はじめて真夏日になった札幌は、それ以降30度超えが続いています。

音楽の方は図書館からの借り物。ヴィクトリア・ムローヴァ(vn)とピョートル・アルデルシェフスキー(Pf)によるブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集(PHILIPS・1995年録音)を聴いておりました。

しっとり抒情的にといいたいところですが、ムローヴァさんのヴァイオリンは私には硬派、ストレート、男性的という単語がぴったりくるように感じます。そして何というか”芯のある力強い音”、好きですねぇ。

彼女の「雨の歌」の第一楽章は非常に格調高い感じがします。第2番とてもいいと感じます。

何気なしに借りてきたCDにはまるのってホント嬉しいものです。この1週間ほど毎日聴いています。通勤の地下鉄の車内、職場の昼休み、残業して帰ってきた夜遅くに。

ストレスが抜けていく・・・・、音楽って素晴らしい!

そういえば、本ブログは今日が誕生日。地味にひっそり3周年です。


PMFオーケストラ演奏会(ブラームス第4番ほか)

コンサート
08 /01 2016
PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)のコンサートに行ってきました。


■PMFオーケストラ演奏会 《プログラムB》

 メンデルスゾーン 序曲「静かな海と楽しい航海」
 ベートーヴェン 「レオノーレ」序曲第3番
 ムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」(原曲版)
 ブラームス 交響曲第4番*

 指揮:ジョン・アクセルロッド(PMF首席指揮者)
 PMFオーケストラ
 PMFアメリカ*

 2016年7月30日(土)17:00~
 札幌コンサートホールkitara大ホール



今年のPMFオーケストラの演目は3つ。芸術監督ゲルギエフさんのショスタコの8番、首席指揮者のアクセルロッドさんのマーラー4番と、このブラームス4番です。

PMFのオーケストラコンサートは、何といってもトッププロである教授陣が加わるメインプログラムが聴きものですが、前半の「レオノーレ第3番」も「はげ山の一夜」も良かった!。

レオノーレで2回あるトランペットのソロはホール3階からの吹奏。1回目はおそらく出入口の陰から、ややくぐもった音で、2回目は通路からと遠近感をつけたやり方でした。吹いたのは日本から参加したアカデミー生と思われます。

はげ山の一夜の原曲版はサロネン/LAPのディスクで聴いていましたが、やはり生では格別。言葉が悪いですが洗練されていないムソルグスキーの生の音楽にまさにフォービスムの絵に最初に接したときのように頭をガーンとやられる衝撃を感じました。

アクセルロッドさん、この曲ではタクトを置いて、唸り声をあげながら、体いっぱいを使った情熱的な指揮。いやぁ~面白かった。


後半はPMFの教授陣を務める主にアメリカの一流オケの首席奏者たちが各パートのトップに加わっての演奏。素人が聴いても響きの違いに驚かされます。

主な奏者はこんな感じ。
・コンサートマスター : ディヴィッド・チャン(メトロポリタン歌劇場管コンマス)
・フルート : ティモシー・ハッチンズ(モントリオール響首席)
・クラリネット : スティーブン・ウィリアムソン(シカゴ響首席)
・ホルン : ウィリアム・カバレロ(ピッツバーグ響首席)
・トランペット : マークJ.イノウエ(サンフランシスコ響首席) など

アクセルロッドさんのブラ4、これにも衝撃を受けました。

テンポは速めでストレート、響きは硬く強靭。金管特にカバレロさん率いるホルンセクションの鳴りっぷりはすごくて、迫力満点の演奏!。聴きながら「う~ん、これはショルティのブラームスだなぁ」と思ってしまいました(笑)。

ひな壇の最上段にホルン、トランペット、トロンボーンが横一列で、打楽器がその後ろという配置効果もあったと思うのですが、これではホルンが、あまりにもストレートに響き過ぎ、RA席で聴いていた私のところでも旋律、対旋律、ハーモニーから裏拍まで丸聞こえ。オケ後方の席ではバランスの取れた音楽が聴けなかったのではないでしょうか。このあたりにアリーナ型のホールでの配置の難しさも感じました。

話がそれました。迫力ある演奏の合間合間にはフルートやクラリネットの抒情的で陰影の深い演奏(特に第2、第4楽章)。こちらも息をのむ美しさでした。終演後にフルートのハッチンズさんがひときわ盛大な拍手を受けていましたが、私はクラリネットのウィリアムソンさんが素晴らしいと感じました。

アンコールにはブラームスのハンガリー舞曲第5番が演奏され、華やかに終演。2千円でこれだけの演奏が聴けたのですから、大満足です。

興奮冷めやらぬ状態でホールの外に出た午後7時の気温は25度。北海道も短い夏真っ最中です。