リン・ハレル(vc) ハイドン チェロ協奏曲第1番

聴いている音楽
11 /30 2015
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晴れて気温が4度まで上がった日曜の札幌。ハイドンを堪能しました。

リン・ハレルというチェロの名手は名前は知ってはいたものの、これまたなぜか縁がなかったので聴いて見ました。ハイドンの1番のコンチェルト。マリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団による演奏。(EMI・1981年録音)

すごくいいですね。第1楽章冒頭からチェロの最初のフレーズを聴いた部分で確信できました。実に朗々と伸びやかに歌っていて、聴いていて気持ちがいいです。第3楽章のテンポ感も気に入りました。速すぎず遅すぎず隅々までじっくり丁寧に演奏していて、聴く方も愉悦感に浸れます。

独奏チェロの中低音の厚みのある音から高音、弱音など細かなニュアンスも自然に感じられるストレスのない録音もgoodです。

第1楽章のカデンツァは自身の作とのことですが、2分半近くある大作。最後にシューベルトのグレイトの終楽章?のようなフレーズがちらっと顔を出して面白いです。

それにしても第2楽章の深みのある楽想や第3楽章のヴィルティオーゾな雰囲気はハイドンが30歳そこそこで書いたとは思えないほどの充実ぶりだなあ。


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札響第583回定期 ショスタコーヴィチ第10番

コンサート
11 /29 2015
■ 札幌交響楽団第583回定期演奏会(昼公演)

 ベートーヴェン 「プロメテウスの創造物」序曲
 モーツァルト ピアノ協奏曲第25番
 ショスタコーヴィチ 交響曲第10番

 指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
 ピアノ:河村尚子

 2015年11月28日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

アシュケナージさんという大物登場で、メインに硬派なプログラムのわりには客入りもまあまあだったような。

前半は「プロメテウスの創造物」序曲とモーツァルトの25番のピアノコンチェルト。オケは10型で、モーツァルトではさらにクラリネット2が抜けフルートが1に減り、一層見通しがきく編成に。コンサートマスターは田島高宏さんです。

アシュケナージさんはジャケットに見慣れた白いタートルネック?のような姿で登場。河村さんを聴くのは2度目だと思いますが(前回はたしかブラームスの1番?)、緑色のドレスで登場。書くのも申し訳ないのですが、この2曲、演奏は良かったと思いますが睡魔が・・・、というわけで感想は省略。

後半はショスタコーヴィチの交響曲第10番。生演奏は初めてです。オケは14型3管編成に拡大。休憩時にコーヒーも飲んだこともあって眠気さっぱり。集中して聴けました。そしてすごくよかったです!。ショスタコーヴィチは生で聴くとホント面白い!。

冒頭の低弦から、たたみかけるようなスピード感の中で迎える迫力のフィナーレまで緊張感が持続していましたし、第1楽章でのホルンのユニゾンも力感があってカッコイイ感じでした。管楽器のソロは、クラリネット、フルート、ファゴット、オーボエ、トランペットなどすべて良かったですが、中でも第3楽章の緊張を強いられる場面で何度も出てくるホルンのソロは音程、音色ともに完ぺきでしたね。こういうところがキッチリ決まると聴き終えた後の全体の印象がぐっと充実したものに変わります。

演奏後、奏者を立たせて拍手を受けさせますが、真っ先にホルンでした。そしてブラヴォーも多数。はい、私も心の中でブラヴォーを叫びましたよ。

札幌の聴衆から万雷の拍手を受けるアシュケナージさん、満足気な表情がとても印象的でした。

ミルシテイン(vn) チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲

聴いている音楽
11 /26 2015
日曜の夜に、娘と一緒にEテレで今年のNHK音楽祭でのアンドレス・オロスコ・エストラーダ指揮、hr交響楽団と五嶋龍さんのチャイコフスキーのコンチェルトを観ました。五嶋さんの全身を使った演奏は面白いですね。娘も随分と興味を示していました。

そんなこともあって、ナタン・ミルシテインのヴァイオリン、アバド&ウィーン・フィルによるチャイコフスキーのコンチェルト(DG・1972年録音)を聴いて見ました。

いままで縁のなかったミルシテインですが、これは素晴らしい演奏ですね。

音が美しく気品すら感じさせる演奏。まことに洗練されたチャイコフスキーだと思います。第1楽章のカデンツァはわりとぱっぱと進む間合いの取り方が気に入りました。

第2楽章、これには感銘を受けましたよ。歌い回しは神経質過ぎず、演歌チックでもない大人な雰囲気。大家の演奏はどこか余裕を感じさせるものがありますが、この楽章を聴いて絶対に駆け出しのヴァイオリニストだとは思えない、そんな感じがすごくします。

ウィーンフィルは録音のせいか、管楽器が随分と近く生々しく聴こえますが、それがかえっていいですね。弦楽器は美しくコンチェルトとしての華も感じます。

マゼール/VPO チャイコフスキー 交響曲第1番「冬の日の幻想」

聴いている音楽
11 /22 2015
先週は帯広に出張がありました。10年ぶりです。

狩勝峠を列車が下りていくとそこは十勝の国。農家1戸あたりの耕地面積38haという、じゃがいもや甜菜(砂糖の原料作物)の一大穀倉地帯が延々続きます。

天気も良くて(帯広や釧路は関東の冬と同じです。毎日晴れて雪はほとんど降りません)、列車に乗っていると枯木立を通して初冬の穏やかな日の光が瞼にあたって、あまりの気持ちよさに寝てしまいます。

さて、車内で聴いていた音楽はロリン・マゼール指揮、ウィーン・フィルの演奏でチャイコフスキーの交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」。(DECCA・1964年録音)

これはなかなか硬派な演奏ですね。

第2楽章の終わりころに出てくるホルンは音を割るぎりぎりのかなりの強奏で、ちょっとブルックナーみたいに響きますが、ムード一辺倒の演奏より突き抜けてていいと思います。第4楽章も筋肉質の逞しい音楽に仕上がっていて気に入りました。

雪景色ではありませんでしたが、車窓の眺めにもよくあいました。

Y.ネゼ=セガン/COE シューマン 交響曲全集

聴いている音楽
11 /21 2015


カナダ人指揮者、ヤニック・ネゼ=セガンがヨーロッパ室内管弦楽団を指揮したシューマンの交響曲全集のライヴ録音を聴いてみました。(DG・2012年)

このシューマンはいい!。すごく気に入りました。特に1番「春」が断然素晴らしいと感じました。

ヨーロッパ室内管は解説書によると弦五部は9-9-6-5-4だそうですが、すっきりと見通しがよく軽やかな響き。弦と管のバランスもいいと思いますし、きびきびとしたテンポと相まって清々しいことこの上ないです。

指揮者の力量ももちろんですが、アンサンブルの粗さを感じさせないヨーロッパ室内管の素晴らしさも再認識しました。

シューマンのシンフォニー4曲はブラームスの4曲より、演奏の幅というか、新たな表現の可能性というか、そういったものの余地がふんだんに残されているようで、すごく面白いと感じています。年々シューマンのシンフォニーの方に惹かれているんです。

クレヴェンジャー(hr) モーツァルト ホルン協奏曲全集

聴いている音楽
11 /17 2015
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シカゴ交響楽団の首席ホルン奏者を長く務めたデール・クレヴェンジャーがフランツ・リスト室内管弦楽団とともに録音したモーツァルトのホルン協奏曲全集を聴いてみました。(CBS/SONY・1987年録音)

2013年に引退したそうですが、アドルフ・ハーセス(tp)、ジェイ・フリードマン(tb)、アーノルド・ジェイコブス(tub)らとともにシカゴ響金管セクションの黄金時代を築いたお一人ですね。

マーラーやブルックナーの録音で聴ける鋭角的で突き抜けるような演奏が好きです。

さて、今回はお上品なモーツァルト。どんな感じだろうと思って聴いて見ました。

「いきなり黄金伝説」でおなじみの第1番はナチュラルホルンを使ったということですが安定した吹奏はさすがです。もう一段ぶっちゃけた演奏なら土俗的でさらによかったかなという印象。

結局4曲の中では第4番がクレヴェンジャーのスタイルに一番合っているようでした。テクニックと力強さを発揮でき、気持ちよく演奏しているのではと想像してしまいます。こうなると、あまりさえないフランツ・リスト室内管弦楽団も他の曲よりなぜか活き活きと聴こえてくるから不思議です。

第3番、第4番のカデンツァは音の跳躍に何の難しさも感じさせません。すごく綺麗です。さすが!。脱帽です。

ピエール・ティボー(tp) ハイドン トランペット協奏曲変ホ長調

聴いている音楽
11 /16 2015


図書館に面白そうなディスクがあったので借りて見ました。豊田耕児指揮、ピエール・ティボー(tp)、群馬交響楽団の演奏によるハイドンのトランペット協奏曲です。(CAMERATA・1980年録音)

1929年生まれのフランスの名トランペッターだそうですが、ワタクシは初めてお名前を耳にしました。リヒターやカラヤンとも共演が多かったようです。ホーカン・ハーデンベルガー(tp)さんの師匠にあたる方なのですね。

豊田/群響コンビの演奏は決してせかせかすることのないゆったりとしたテンポのエレガントなもの。独奏トランペットはフランス流?の終始強めのヴィブラートですが、太く柔らかな音色は好感が持てます。カデンツァは音が激しく上下する技巧的なもので初めて聴くタイプでした。

現代ものを得意としているらしくカップリングのジョリヴェの「トランペット、弦楽とピアノのためのコンチェルティーノ」も小手先ではない骨太な演奏で秀逸だと感じました。

尾高/札響 ベートーヴェン 交響曲第7番

聴いている音楽
11 /15 2015
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尾高さん&札響によるベートーヴェンの交響曲全集から7番を聴いて見ました。2011年9月9日、10日の演奏会のライヴ録音です。

前にも書きましたが、2011年は札響創立50周年で定期でチクルスをやったんですが、ちょうど単身赴任中で、聴きに行けたのは2公演のみ。その一つがこの演奏会でした。

生で聴いたときは綺麗に手堅くまとめた演奏とは思いましたが、感動とかそういうのはあまりありませんでした。でも、今回、録音で聴くとまた違った面に惹かれるものがありました。

第2楽章の緻密な音楽づくりが何とも心地いいんです。冒頭のタータタ、ターターという感じで刷り込まれている音型がタータタ、タンタンというスタッカート気味に弾いていて、それが早めのテンポと相まっておもしろい効果を生み出しているように思いました。

弦楽器の音色は相変わらず美しいですし、絡んでくる木管とのアンサンブルもばっちり。楽章の終わりも実にニュアンスに富んだ演奏で、この楽章を聴き終えたときに思わず唸ってしまいました。入念なリハーサルを積んだことがわかります。

その他の楽章ももちろんいいのですが、やはり第1楽章や第4楽章はもう少し弦の厚みと低音がずしんと効いている方がいいかもしれません。

尾高さん2月に名曲コンサートで7番やるんですよね、行ってみようかな・・・。

バルビローリ ディーリアス 管弦楽曲集

聴いている音楽
11 /14 2015
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今週は旭川の旭山動物園で冬の営業がはじまったというニュースをやっていましたが、まったく季節感の合わないディーリアスを聴いていました(笑)。

■ ディーリアス 管弦楽曲集
 1.夏の歌
 2.「イルメリン」前奏曲
 3.楽園への道~歌劇「村のロメオとジュリエット」より
 4.夏の庭園で
 5.ラ・カリンダ~歌劇「コアンガ」より
 6.春初めてのカッコウを聞いて
 7.ブリッグの定期市(イギリス狂詩曲)

 1~3 ロンドン交響楽団
 4~7 ハレ管弦楽団
 
 指揮:サー・ジョン・バルビローリ
(EMI・1968~1970年録音)

イギリス音楽ですが、両親ともに英国に移住したドイツ人でイギリス人の血は流れていないようですね。

牧歌的で片付けられることが多いようですが、じっくり聴いて見ると作風は多彩ではないでしょうか。「楽園への道」では官能的な一面が響きから垣間見えて、ワーグナーっぽいなぁなんて感じる瞬間もありますし、「春はじめてカッコウを聞いて」の瑞々しい詩情には何度聴いても胸打たれます。

オペラからの2曲、ロマンティックな「『イルメリン』前奏曲」と陽気な「ラ・カリンダ」もいいですね。特に後者、歌劇「コアンガ」で主人公コアンガとパルミーラの婚礼での舞曲は、西インド諸島からアメリカ南部でひろまった通俗的な曲だそうですが、実に楽しいです。

「ブリッグの定期市」。う~ん、これは聴きごたえはあるけど少し冗長かな。

20代の頃は、ディーリアス=つまらないと感じましたが、やはり年をとると変わるものですね。しっくりきます。しばらくしたらまた聴いて見ましょう。

テンシュテット/LPO マーラー「巨人」

聴いている音楽
11 /10 2015
クラウス・テンシュテット指揮、ロンドン・フィルの演奏でマーラーの交響曲第1番ニ長調「巨人」を聴いて見ました。(EMI・1977年録音)

テンシュテット氏は、自分の中では食わず嫌いの指揮者の一人。世の中の評価も高いんだか、低いんだか、どうにもよくわからんイメージです。

この「巨人」を聴いてみての感想も・・・「悪くない」という感じです。しいて特徴的に感じたことをあげると、温かみのようなものが感じられる音と表現ということかな。時間をかけてでもぼちぼち他のマーラーも聴き進めていってみようかなとも同時に思った次第。

クイケン四重奏団のハイドン エルデーディ四重奏曲

聴いている音楽
11 /05 2015


昨日は旭川出張。気温も19度まで上がって信じられないぐらいの陽気。これで終わりかな、週末にかけて気温は下がっていくようです。

出張先までのJRの車内はハイドンのエルデーディ四重奏曲(全6曲)をクイケン四重奏団の演奏で楽しみました。

1.弦楽四重奏曲第75番 ト長調
2.弦楽四重奏曲第76番 ニ短調 『五度』
3.弦楽四重奏曲第77番 ハ長調 『皇帝』
4.弦楽四重奏曲第78番 変ロ長調『日の出』
5.弦楽四重奏曲第79番 ニ長調 『ラルゴ』
6.弦楽四重奏曲第80番

(日本コロムビア・95~96年録音)

「皇帝」も「日の出」もいいけど、一番のお気に入りは79番!。

ハイドンの素朴で純粋な音楽がクイケン四重奏団の飾り気のない演奏で際立ちます。無味乾燥な感じではなく、懐かしく味わい深いものへと作用しているようです。いつまでもこの伸びやかな音楽に浸っていたいと思わせるような素晴らしい演奏!。

ちなみに「五度」はピリオド楽器のピッチの低さも相まって、ちょっと怖いですね。恐怖音楽チックです(笑)。

札響第582回定期 尾高指揮 ブルックナー第9

コンサート
11 /02 2015
■ 札幌交響楽団第582回定期演奏会(昼公演)

 尾高 尚忠 交響曲第1番 ホ短調
 ブルックナー 交響曲第9番 ニ短調 コールス版

 指揮:尾高忠明

 2015年10月31日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

10月2回目の定期は札響名誉音楽監督の尾高さんの登場ですが、最高気温8度の冷え込みもあってか、空席の目立ちました。残念なことです。

前半は尾高さんのお父様、尚忠さんの交響曲第1番。16型3管編成にコントラファゴット、チューバ、ハープ、チェレスタなどが加わる大きな編成。1948年の作。もちろんはじめて聴きましたが、聴きやすく特に第2楽章は神秘的とも言える美しさを湛えた曲でした。オーボエの長いソロがありましたが首席の金子さん、いい音でした。さすがです。

後半は、ブルックナーの第9。生で聴くのは2回目です。前回は朝比奈さんがN響に客演したとき。15年ぐらい前です。

16型3管編成にチューバ(1)、ワーグナーチューバ(4=ホルン持ち替え)が加わります。エキストラの方も多い編成でしたが、どのパートも安定していてよかったですね。特にホルンセクションは健闘。演奏後、尾高さん、真っ先に立たせて拍手を受けさせていました。

尾高さんのテンポはややゆっくり目。第1楽章の終結部ではかなり粘っこい表現に驚くとともに、思わず身を乗り出して聴いてしまいました。あらためて生で聴いてみると、やはり第9はブルックナーのシンフォニーの中で他とは違う一段上の高みにあると感じました。それから、クラリネット3本の動き、響きが非常に面白いですね。ここも他のシンフォニーにはない感じがしました。新たな発見でした。

演奏の後、尾高さんのトークが少々。お父様の曲のことブルックナの第9のこと。第9は自身特別な曲だとのこと。23歳のデビューの際もこの曲を望んだのですが、オケ側が受けてくれなかったと、笑いも交えてお話しいただきました。こういうアットホーム感は地方オケでは大事にしたいところです。


カラヤンのマーラー 交響曲第4番

聴いている音楽
11 /01 2015
カラヤンのマーラーを聴いて見ました。

■ マーラー
  交響曲第4番 ト長調

  指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  ソプラノ:エディト・マティス
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  (DG・1979年録音)

カラヤンのマーラーって今までなぜか縁がありませんでした。

聴いてみての印象は、随分と柔和で、ひたすら美音に包まれたマーラーというものです。

マーラーの音楽って、複数の楽器が同時に主役的に鳴り響いたりするところが面白く、魅力だと素人ながらに思っているのですが、カラヤン盤の特に第1楽章なんかでのインテンポで交通整理された表現は好みが分かれるかもしれません。逆に第3,4楽章なんかは違和感が少なく、成功していると感じました。

第4楽章のテンポは自分の基準的なものからいうとやや遅めでしょうか。ソプラノはドイツ語の硬質な感じがよく出ているように感じました。

今日から11月。車のタイヤ交換をしなければ・・・