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大森潤子 ヴァイオリンリサイタル

音楽鑑賞
09 /18 2015
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ぬけるような青空。朝の気温13度。昼は21度、湿度40%。北海道らしい秋の日。仕事を終えた後にヴァイオリンのリサイタルを聴きに行ってきました。

■大森潤子 ヴァイオリンリサイタル
<デビュー15周年、CD「Zephyr~そよ風」発売記念》 

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.301
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
クライスラー:コレルリの主題による変奏曲
シューベルト(ウィルヘルミ編曲):アヴェ・マリア
パガニーニ:ラ・カンパネラ
ヴィエニャフスキ:モスクワの思い出
フバイ:そよ風
ラヴェル:ツィガーヌ

ヴァイオリン:大森潤子(札響首席ヴァイオリン奏者)
ピアノ:中島由紀

2015年9月15日(火)19:00~
札幌コンサートホールkitara小ホール

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室内楽はほとんど聴かなくて、演奏会に行くのは2012年の庄司紗矢香さん&ジャンルカ・カシオーリさん以来です。

聴きに行こうと思ったきっかけは、やはり札響首席の大森さんがフランクのソナタをやるということですね。直前まで迷っていましたが、全席自由席だし、仕事もこのところ落ち着いているので思い切って行ってみることにしたのです。

大森さんは東京芸大を首席で卒業、日本音楽コンクール2位、パリ留学など経歴も華やか。2006年から札響の首席ヴァイオリン奏者として、第2ヴァイオリンのトップで札響の美しい弦のまさに要となっています。

さて、大森さんはサーモンピンクの、ピアノの中島さんは深い緑色のドレスを着て登場。

前半は、モーツァルトとフランクのソナタ。小柄な方ですが、体全体で表現する力強い響き。特にフランクの第1楽章、第3楽章でのスケール感溢れる演奏はとても良かった!。美音にホール全体が包まれます・・・。

後半は自身のCDから6曲をセレクト。小品ばかりですが、相当な技巧を要する難曲も。パガニーニやラヴェルでの見せる華麗なテクニック!。やぁ、すごいですね。ただただ、見とれて&聴き惚れてしまいました。

コンサートに足を運ぶのはお金も体力もかかりますし、演奏者の調子や、演奏の好みに合う合わないだけでなく、自分の体調や周りのお客さんの鑑賞態度など、正直言って当たりはずれがありますけど、この日は当たりも当たり、大当たりです!。

自分自身、すべてのことを頭から忘れて鑑賞に没頭できましたし、他のお客さんの集中度や温かさがホールの空気感として確かにわかりました。

応援の気持ちを込めてCDを購入。サインもいただき会場を後にしました。地下鉄までの道のりは、自然にフランクの第4楽章を口ずさんでいました。

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東京都交響楽団創立50周年記念札幌特別公演

音楽鑑賞
09 /14 2015
■東京都交響楽団創立50周年記念札幌特別公演
 
外山雄三:管弦楽のためのラプソディ
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー *
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調

指揮:下野竜也
ピアノ:小曽根 真 *

2015年9月13日(日)14:00~
札幌コンサートホールkitara

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1曲目は外山雄三のラプソディ。1960年のN響による日本のオケ初の海外公演のアンコール曲として演奏されたということですが、もはや古典の感があります。もちろん生で聴くのは初めてです。

金管奏者たちが持つ拍子木の鮮烈な響きに耳を奪われていると、トランペットによる「あんたがたどこさ」がはじまります。「ソーラン節」などが登場する第1部、フルート・ソロによる「信濃追分」の第2部、賑やかな「八木節」の第3部は、急-緩-急のシンプルな構成。オリエンタルな旋律と血沸き肉躍るようなリズムは欧米の人の心をつかんだのも頷けます。

下野さんの演奏はもっと派手にやって!と思う部分もありましたが、いわゆる「バカ騒ぎ」にならない管弦楽作品としての節度、気品あるものに感じました。

2曲目はラプソディ・イン・ブルー。この曲も生で聴くのは初めてです。冒頭のクラリネットのグリッサンドからして雰囲気満点。その後もトランペットのワウワウミュートのコミカルな音色、フラッタータンギングなど曲の面白さを実感します。

でもやはり、この曲は主役の小曽根さんの独壇場。ゆっくりとした部分の直前や、また速くなってトロンボーンが駆けあがるようなパッセージをやる直前に長いアドリブソロをいれていました。華麗なピアノを聴きながら、これ上手くオケに繋がるのかなぁとハラハラするのですが、これが手品のようにピタッと合うんですね。プロの妙義です。感心。

アンコールは小曽根さんの自作「Reborn」という曲が演奏されました。会場全体が息を飲むような美しさに包まれました。聴きに来てよかった!。

休憩後はドヴォルザークの8番。第1楽章のパリッとキレの良さ、たっぷり歌わせた第2楽章も良かったのですが。やはり第4楽章。冒頭のトランペットからして解放感ある伸びやかな吹奏、速い部分でのホルンの強奏などメリハリを効かせた音楽づくり。とても良かったですね。

プログラムに今回の曲目は独仏伊の ”周縁” に花咲いた作品だと書いてありましたが、たしかに地方公演では面白い曲目でした。


札響第580回定期 バルトーク「管弦楽のための協奏曲」

音楽鑑賞
09 /06 2015
■札幌交響楽団 第580回定期演奏会(夜公演)

フンメル:序奏、主題と変奏 ヘ長調 Op.102 *
シューベルト:アンダンテ ロ短調 D.936A (ローランド・モーゼル編)
シューベルト:交響曲第7番 ロ短調 D.759 「未完成」
バルトーク:管弦楽のための協奏曲

指揮とオーボエ* :ハインツ・ホリガー

2015年9月4日(金)19:00~
札幌コンサートホールkitara

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12型の弦とオーボエ抜きの木管。コンマスの大平まゆみさんによるチューニングが終わると、ホリガーさんが楽器を持って登場です。

1曲目はホリガーさんの指揮とオーボエによるフンメルの「序奏、主題と変奏」です。札響初演、私も初めて聴く曲でよくわかりませんが、ホリガーさんが吹き始めたとたん、昔、アルビノーニのコンチェルトなんかで聴きこんだ、硬質で枯れた感じの個性ある音色がホールに広がります。息を飲むような美しい弱音。75歳を超えているようですが、「変奏」の速いパッセージでの華麗なテクニックも健在です。演奏が終わると聴衆だけでなく団員からも温かい拍手に包まれていました。

2曲目はシューベルトのアンダンテ。こちらも札響初演、私も全く知らない曲です。先ほどの編成にオーボエ(2)、トランペット(2)、トロンボーン(3)などが加わります。1828年、グレートのあとに書かれた未完のシンフォニーの一部だそうです。この日の演奏は現代スイスの作曲家によるアレンジなのでシューベルトらしさはあまり感じられません。金子亜未さんによるオーボエの長いソロから始まり、全編静謐な雰囲気に包まれた曲です。

曲の最後はコンマスの大平さんとチェロの石川さん、第2ヴァイオリンの大森さんとヴィオラの廣狩さんの4人の静かなアンサンブルで閉じられるというしゃれた感じ。

4人の演奏が終わるころにホリガーさんがゆっくりとタクトを持ち、音が消えるとすぐにタクトを降ろし低減が奏されます。一瞬!?となりました。そうです、そのまま未完成交響曲に入っていったのです。なかなか面白いやり方です。指揮中、唇に人差し指を縦に当て「しーっ」という姿が目につきます。チェロによる第1楽章第2主題の静かで繊細な演奏はそんな印象的な部分でしたし、トゥッティの前のやや長い間と”ため”も個性的に感じられました。

演奏後は第2楽章で素晴らしいソロを聴かせてくれたオーボエの金子さんとクラリネットの三瓶さんに盛大な拍手が送られたことも記しておきましょう。

後半はオケコン。弦は14型に、管はピッコロ、バスクラリネット、コントラファゴット、イングリッシュホルンなどを含めて3管編成に拡大。テューバやハープ2台も加わりステージ上が豪華になります。

生では初めて聴くのですが、すべての楽章は休みなく演奏されました。早めテンポでキリッと引き締まった筋肉質の演奏です。第1楽章の後半に、タン、ターン、タタタ、タンタタ~ンと金管だけのフーガがあるのですが、力強く輝かしいブラスの響きでした!。ヴァイオリン首席の大森さんが頷きながら聴いていたのが印象的です。どうしてもトランペットの注目が行ってしまうのですが、この日は福田さん、佐藤さん、前川さんの3人。特に普段あまり聴けない福田さんと佐藤さんの演奏が良かった!。第2楽章も息もぴったり。ミュートでの「対の遊び」とその後に続くコラールも大変美しいものがありました!。

ホリガーさんの指揮は全く地味で、第5楽章の終わりの方はスコアに目を落とし、めくったりしている時間が多かったような・・・。
それでもオーケストラは力強く反応し、音楽の盛り上がりを築いていくあたり、さすがプロと感心しました。

曲目のせいか、この日はいつもよりお客さんの入りが明らかに少なかったです。演奏は特に管楽器奏者の皆さんの集中力がすごくて、要所要所のソロも大変素晴らしい引き締まったものだっただけに、よけいに残念に思いました。

N響札幌公演

音楽鑑賞
09 /02 2015
■NHK交響楽団 札幌公演

ベートーヴェン:「エグモント」序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 *
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調

指揮:ヨーン・ストルゴーズ
ピアノ:アリス・紗良・オット

2015年8月31日(月)19:00~
札幌コンサートホールkitara

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楽団の抜群の知名度、ソリストの人気、有名曲ときて、チケットは完売。当日の会場もほぼ満席でした。

はじめて耳にするお名前の指揮者のストルゴーズさん。フィンランド出身。スウェーデン放送響のコンサトマスターから指揮者に転向して、現在はヘルンキフィルの首席指揮者、BBCフィルの首席客演指揮者などをされているようです。非常に男性的な逞しい音楽を作られる方とお見受けしました。

エグモント序曲は、厚みのある弦と三拍子の推進力。ノリがよくて格好良かったですね。次はピアノ協奏曲第3番。ステージ中央にピアノが出され、アリス・紗良・オットさんがノースリーヴの黒いドレスを着て登場です。スレンダーで腕が長く、まことに美しい!。アリス・紗良・オットさんを聴くのはこの日で2回目。前回はP.ヤルヴィ/hr響とのリスト1番でした。

さて、ベートーヴェンの3番のコンチェルトは、彼女がN響のサイトでもおっしゃっていたように、オケとの掛け合いが室内楽的とも言える感じで、逞しさや迫力よりは柔和な面がより現れていて、ワタクシ自身、この曲の違う魅力を知りました。ストルゴーズさんもこうした音楽づくりに全面的に合わせているように感じましたね。

アリス・紗良・オットさん、右手だけのトリルの時、空中を見つめて音楽に没入したり、ソロがないときは常にオケの方を向いて、音やリズムをかみしめアンサンブルを楽しんでいるようでした。これは生ならではの楽しみでもあります。とにかくすごく良かった。アンコールはリストの「ラ・カンパネラ」。緩急のつけ方が個性的に感じられる、これまた素晴らしい演奏!。

休憩後は第5交響曲。弦五部は前半2曲が12-10-8-6-4でしたが、後半は14-12-10-8-6の14型に拡大です。

ストルゴーズさんが登場し、拍手が鳴り止むやいなや間髪を入れずにジャジャジャジャーンと一撃。フェルマータは短め。間も開けずに、アレグロ・コン・ブリオに入っていくあたりは最近のスタイルでしょうか。淀みのない流れです。でも、この5番で一番よかったのは第4楽章。冒頭のトランペットから輝かしくも重みのある迫力満点の演奏。弦もコンマスの篠崎さんの熱気あふれる演奏はじめ14型とは思えない分厚い響きです。これは指揮者というよりN響の伝統芸ですね。ドイツ物への絶対の自信が漲る盤石な演奏です。う~ん、これはすごかった。ブラヴォーも多くかかって、いやぁ盛り上がりましたね。

アンコールに演奏されたのはシベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」。少しクールダウンしましたが、興奮に包まれ会場を後にしました。
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