トンコリとムックリ

音楽
07 /29 2015
娘の夏休みの自由研究のため南区にある札幌市アイヌ文化交流センターに行ってきたので、アイヌの方が使っている楽器についてレポートを。

まずはこちら、トンコリ
もともとは樺太のアイヌで使われていた楽器で、和名にすると五弦琴ですが、四弦や六弦のものもあるようです。

センターの方によると、材質は本体はエゾマツ、弦は動物の腱を使っていたとのことです。子供を亡くした妻に夫が贈ったことが起源とされ、楽器本体を頭、胴、足に見立て、子供を抱きかかえるようにして演奏するようです。

楽器中央には穴が開いており、ここからタマサイと呼ばれるガラスで出来た女性用の首飾りの玉を一つ魂として入れるそうです。センターの方が楽器を揺らすと、確かにコロカラと球が転がる音がします。



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こちらはムックリ
和名で口琴ということになるんでしょうが、娘と一緒に製作体験をしてきました。

切れ込みの入った竹と彫刻刀を手渡され、作業開始です。まずは中央の振動する部分を薄く削り、次にサイドの不要な部分を削り落とし、ひもを付けて完成です。
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共同制作の完成品(表側)がこちら。
左側を左手でしっかりと持ち、中央部分を口にあて息を吐き・吸いしながら、右手で右側のひもを横に引っ張ると、ビヨンビヨンと音が出ます。
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とても小さい音しか出ません。昔の蝦夷地には喧噪など無縁だったのでしょう。

なお、今回は竹製ですが、北海道には竹は自生していません(正確には道南にほんの一部ある)。では本来は何を材料としたのか、センターの方に聞いてみましたら、竹が入手できるようになるまでは、ネマガリダケという硬い植物を削って作っていたと教えていただきました。

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PMF「赤れんがテラス」コンサート ラヴェル 弦楽四重奏曲ほか

コンサート
07 /25 2015


PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)は、市内各所で催される無料コンサートもその魅力の一つです。今回は旧北海道庁赤レンガの向かいに昨年度オープンした「赤れんがテラス」でのコンサートに行ってきました。

■ PMF 「赤れんがテラス」 コンサート

  プロコフィエフ 2台のヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56 *
  ラヴェル 弦楽四重奏曲 ヘ長調 **

  *PMFオーケストラメンバー
   アレックス・ゴンザレス(1stvn)、ケヴィン・スミス(2ndvn)

  **PMFオーケストラメンバー
   ケネス・リャオ(1stvn)
   アンドレア真理子・アシュダウン(2ndvn)
   セギュン・チョン(va)
   ハヴァ・アピア(vc)

  2015年7月24日(金)18:00~
  赤れんがテラス 2F アトリウムテラス

早めに会場に行ったのですが、結構人がいました。年齢層も若い方、子づれの若いお母さん、会社帰りのサラリーマン、年配の方と様々です。先日のkitaraでのコンサートも感じましたが、女性の姿が目につきます。

1曲目のプロコフィエフの2台のヴァイオリンのためのソナタは初めて聴きました。ヴァイオリン2人で演奏する4楽章構成の曲で、1932年の作のようです。なかなか晦渋な音楽に感じましたが、第4楽章は一転して親しみやすいメロディで始まり、次第に2人の音楽が絡み合いながら上昇して終結を迎えるあたりは面白いと感じました。何かヴァイオリン協奏曲第2番(1935)に似た雰囲気を感じました。

2曲目はこの日のお目当て、ラヴェルの弦楽四重奏曲。生で聴くのは2回目です。

ちなみに1回目は20年ほど前になんとシンガポールで聴きました。ジェイド弦楽四重奏団という、確かシンガポール響のメンバーによる団体の演奏でした。

話がそれました。さて、ラヴェルのカルテット。第1楽章におとずれる2度のクライマックス、第2楽章の中間部からピツィカートに戻るあたり、そして、終楽章のかっこいい終わり方。いやあホントいい曲!演奏もパリッとキレのある快演でした!。

夏の夜、都心のビルのちょっとした空間で行われる演奏会。実に良かったです。

準・メルクル指揮/PMFオーケストラ ドヴォルザーク 交響曲第7番ほか

コンサート
07 /21 2015
PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)2015を聴きに行ってきました。

■ PMFオーケストラ演奏会〈プログラムA〉

 メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」組曲 作品61
 マーラー さすらう若人の歌 *
 ドヴォルザーク 交響曲第7番 ニ短調 作品70**

 指揮: 準・メルクル
 PMFオーケストラ
 
 テノール: 松原 友*
 PMFヨーロッパ**

 2015年7月18日(土)15:00~
 札幌コンサートホールkitara


2週続けてのコンサートです。今回は珍しく友人と一緒に。席も思い切ってS席、1階席の12列目ほぼ中央です。パイプオルガンを正面に仰ぎ見ながらの鑑賞はなんとも優雅な気分です。

3曲とも生では初めての曲ばかり。デイヴィッド・ジンマンさんの急な降板は残念でしたが、準メルクルさんも聴いたことがないので楽しみです。また、教育音楽祭だけあって、前半の2曲は参加メンバーのみでの演奏です。ステージ上の若手奏者を見るだけで気持ちがいいですね。

さて、1曲目は「真夏の夜の夢」。序曲、スケルツォ、間奏曲、夜想曲、結婚行進曲、道化師たちの踊りの6曲が演奏されました。冒頭のフルートからとても繊細で丁寧なアンサンブルです。主部に入ってからは準メルクルさんの躍動感溢れる指揮にあわせて生き生きとした音楽が流れます。

特に良かったのは、間奏曲と夜想曲。前者は木管楽器と弦楽器の流れるようなつながりが素晴らしく、憂いを帯びた音楽を堪能できました。そして後者は何と言ってもホルン!安定した吹奏で、曲の雰囲気を見事に伝えていました。ブラボーです!。

音楽祭ということでいつもと客層が違うのでしょうか。序曲と結婚行進曲の後に拍手が起きました。多少全体の流れが止められるきらいはありますが、私は「良かったから拍手する」というシンプルな考えで受けとめて、否定はしないタイプです。

2曲目は、テノールの松原友さんとの共演によるさすらう若人の歌。曲の内容からいってもぴったりな独唱者とオケの顔ぶれです。編成は少し小さくなって12型ですが、ハープなんかが入るあたりがマーラーですね。

う~ん、声楽はほとんど聞かないのでよくわかりませんが、松原さんの歌声はとても聴きやすかったですし、弱音なんかも美しかったですね。独唱とオケのバランスが良かったと思います。ただ、公式プログラムは買わなかったので、えらそーなことは言えないのですが、歌詞を配布してくれたらみんなもっと楽しめるのではと感じました。

休憩後の後半はドヴォルザークの7番。オケにPMFの教授陣が加わっての演奏。コンサートマスターはライナー・キュッヒル(VPO)、オーボエはアルブレヒト・マイヤー(BPO)といった具合に、各パートのトップをウィーンフィルやベルリンフィルなど欧州のトッププロが固めます。 

木管楽器やホルンなど動きがはっきりわかる部分を中心に、響きのまろやかさや微妙なニュアンスによる陰影など音に深みが増したように感じられます。大好きな第2楽章、素晴らしかった!。どのパートも最高の音色で勝負して、安心して音楽だけに身をまかせていられます。第4楽章の盛り上げ方も良かったですね。いやぁ堪能いたしました。

友人はこの日のためにスウィートナーで予習したらしいですが、大満足の様子でした。

「バビ・ヤール」を聴いてみました

聴いている音楽
07 /18 2015


ショスタコーヴィチの交響曲第13番「バビ・ヤール」をはじめて聴いてみました。

音源は、オレグ・カエターニ指揮、パヴェル・クディノフ(Bs)、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団&合唱団による2006年録音のディスクです。

1941年のキエフ近郊バビ・ヤール峡谷でのナチスによるユダヤ人虐殺を描いた1962年の作。絶望、陰鬱、阿鼻叫喚。光も吸い込まれるブラックホールのような完全な暗黒という感じでしょうか。

難しい曲ですね、でも「バビ・ヤールに記念碑は無い。切り立つ崖が粗末な墓標だ。」から始まる歌詞はかなり強烈です。

曲全体を聴いて退屈する感じはしませんでした。オーケストラ部だけを聴いても鮮烈な印象ですが、やはり合唱の使用。特にバス男声合唱のユニゾンでの歌唱はかなり気味が悪く、異様な雰囲気を出していますが、効果抜群だと感じました。第5楽章は別世界を感じる何か不思議な音楽にも思えます。

自分の中で消化不良です。また時間がたって何か新たな感想が芽生えたら書くことにします。

名匠サヴァリッシュさんの指揮

聴いている音楽
07 /13 2015


このところ見ている動画。サヴァリッシュ&フィラデルフィア管弦楽団によるR.シュトラウスの家庭交響曲第4楽章。

9分40秒 あたりから ラストの 13分46秒 あたり まで、サヴァリッシュさんものりのりです。

すごくいいですね。指揮が上手いし、かっこいい。オケの方も演奏しやすそうに思えます。

いわゆるスター指揮者ではなかったけれど、さすがはドイツの名匠です。

札響第579回定期 ポンマーさんのメンデルスゾーン 交響曲第2番 「讃歌」ほか

コンサート(札響)
07 /12 2015
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今回の札響定期は土曜に用事が入ったので、金曜の夜公演に振り替えて聴いてきました。

いつもより遅く会場に入ると、すでにロビーコンサートが始まっており、フルートの高橋聖純さんと野津雄太さんの奏でるブランデンブルク協奏曲第4番第1楽章の爽やかな音に包まれます。

今回は新首席指揮者ポンマーさんのお披露目。母国ドイツのロマン派の2曲です。12日に開幕するPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)のプレコンサートにもなっており、客席には参加者でしょうか若い外国の方もいらっしゃいました。


■ 札幌交響楽団 第579回 定期演奏会
 ~ポンマー首席指揮者就任記念・ライプツィヒ1000年記念プログラム~

  シューマン 交響曲第4番 ニ短調 op.120
  メンデルスゾーン 交響曲第2番 変ロ長調 op.52 「讃歌」

  指揮:マックス・ポンマー(札響首席指揮者)
 
  ソプラノ 針生 美智子
  ソプラノ 安藤 赴美子
  テノール 櫻田 亮

  札響合唱団 合唱指揮 : 長内 勲

  2015年7月10日(金)19:00~
  札幌コンサートホールkitara

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前半はシューマンの4番です。コンサートマスターは田島高宏さん、14型2管編成です。

ポンマーさんの指揮は冒頭の序奏から緊張感を維持しつつも大らかな感じ、左手の微妙な指示にオーケストラも敏感に反応します。

第1楽章主部や終楽章など速いテンポの部分はあまり細かく振らずに、でも要所要所を的確に押さえていく感じです。奏者たちはお互いに聴き合わないといけない感じですが、アンサンブルはとても良かったですね。

聴き終わってみると、激しさは控えめでしたが、弦楽器のまろやかさが印象に残る格調高いシューマンでした。

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休憩後はメンデルスゾーンの「讃歌」です。
旧約聖書の独語訳による合唱と3人の独唱付きの60分を超える大曲です。1840年ライプツィヒの聖トーマス教会で初演されたメンデルスゾーンの4番目のシンフォニーは、なんとこの日が札響初演。

器楽のみの第1部。3つ楽章が続けて演奏されます。印象残った部分としては冒頭の3本のトロンボーンによる主題。見事な吹奏でした。そして絶品だったのが第2楽章。実質短調のスケルツォですが、主部のしなやかな弦とトリオの木管楽器の美しいコラール。特に金子さんのオーボエの音色が素敵でした。すごく良かった!

合唱、独唱入りの第2部では、ソロ、デュエットでテノールの櫻田さんの歌声が、めっちゃ良かったです!。知的で爽やか!。古楽の分野でもご活躍だそうです。

第6曲「死の綱がわたしたちを取り巻いた」から第7曲「夜は過ぎ去った」にかけても良かったですね。

テノールが「見張り人よ、夜はまもなく明けるのでしょうか?」と問いかけ、木管楽器が不安げに呼応します。その後、「夜は明けるのでしょうか?」を悲痛に4回叫ぶと、最後にソプラノが静寂の中、「夜は過ぎ去り・・・」と高らかに応えます。

そして、パイプオルガン付き全管弦楽の伴奏にのって、トランペットがファンファーレを奏でた後、男声合唱が「夜は過ぎ去り・・・」と歌い、さらに合唱は各声部も加わり壮麗に・・・。実に感動的です。まるでオペラを見ているような楽しさがありました。

全体的に指揮者、オケ、ソリスト、そして合唱と4者がそれぞれに充実の演奏だったと思います。終演後のポンマーさんも大満足な様子。ソリスト、合唱指揮者とともに何度もステージに呼び戻され、マエストロ、団員達がお互いを称えあいます。

ポンマーさんの就任で札響&札響合唱団のさらなる飛躍を予感させる素晴らしいコンサートでした。

インバル/スイス・ロマンド管 R.シュトラウス 家庭交響曲

聴いている音楽
07 /08 2015


道端のラベンダーがすごく綺麗に咲いてます。見頃ですね。今週は気温も高くなりそうです。

さて、週末から聴いている音楽はエリアフ・インバル指揮、スイス・ロマンド管弦楽団演奏によるR.シュトラウスの 家庭交響曲 作品53です。(DENON・1996年録音)

家庭交響曲ってホント不思議な音楽ですよね。なんともフワフワしてとりとめない感じですが、シュトラウスお得意の美しく響く弦楽器の高音、陶酔感いっぱいのオーケストレーションなど、なかなかの魅力作だと思っています。オケが上手ければ上手いほど輝きを放つようです。洗練された音楽なのでしょうか。

インバルさんの演奏すごくいいと思いますよ。スイス・ロマンド管のレベルについては色々意見があるようですが、腕達者でないと崩壊しそうなフィナーレもきっちりまとめ上げている点ひとつをとっても、素人のワタクシ的にはどうこう感じるものはないですけどね。

この録音当時のスイス・ロマンド管はアルミン・ジョルダンさんが首席指揮者だったようです。インバルさんは役には付いていなかったのですね。客演時の好反応が録音に結びついたのでしょうか。いろいろ想像してしまいます・・・・。

オマケ写真はこちら。
黒ラベルは、オーツク&富良野産大麦麦芽と富良野産ホップ使用とのこと。ラベルには「爽やかな香りと軽快な味わい」とあります。美味しかったです!。
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ハイティンク/BPO ストラヴィンスキー 「春の祭典」

聴いている音楽
07 /04 2015


梅雨のない北海道ですが、結局6月はずっと天気が悪く気温も低め。今週も曇りや雨で、いつもの年のようなカラッとした初夏の清々しさが恋しいです。

さて、音楽の方はベルナルト・ハイティンク指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」(PHILIPS・1995年録音)を聴いておりました。

図書館からの借り物ですが、手に取るとき「へぇ~こんな録音あったのか、全く知らなかったなぁ」という思いがよぎりました。ハイティンクのような巨匠風の指揮者には全く似合わない曲目かなと感じます。

でもライナーノーツには、BPOと88年にペトルーシュカ、89年に火の鳥を録音しており、3大バレエの完結録音であることが記されており、またまたびっくりしました。

う~ん、発売当時はあまり話題にならなかったような・・・

で、聴いてみての感想は、強奏時のメリハリとパワフルさが、それはもう際立っていますね。特に第1部の後半「賢者の行列」から「大地の踊り」まで、第2部の「いけにえの讃美」、「先祖の儀式」でのど迫力は、生で聴いたらひっくり返っちゃうかもしれません(笑)。

一方、静かな部分も良かったですよ。個人的に好きな第2部の「序奏」、「乙女たちの神秘的なつどい」でのフルートやクラリネットの上手いこと!ゾクゾクします。

ただ、全体を通して聴くと、何というか力技で「えいやっ!」という感じは否めない印象になるのは不思議です・・・。