尾高/BBCウェールズ響のラフマニノフ 交響曲第2番

聴いている音楽
03 /30 2015
     

尾高さんの札響音楽監督としての最後の大仕事、3/22~28の台湾公演のメインプログラムは、ドヴォルザークの8番とラフマニノフの2番。

というわけで、週末は尾高忠明指揮、BBCウェールズ交響楽団の演奏で、ラフマニノフの交響曲第2番 ホ短調 作品27 を楽しんでいました。ニンバス・1991年の録音です。尾高さんは後年メルボルン響とも再録音しているので、1度目の録音ということになるのでしょうか。

尾高さんは1987年からBBCウェールズ響の首席指揮者を務め、発展に尽力されたようです。ライナーノーツには、積極的な海外公演やレコーディングなど勢いがあったと記されています。

実はこのコンビ、自分にとっては初めて聴いた外国のオーケストラの演奏ということで思い出深いのです。91年の札幌公演でのマーラー5番は、まさに勢いを感じさせる熱演でした。

さて、ラフマニノフはというと、こちらも素晴らしい演奏ですね。
残響の多さと、マイクの遠さで輪郭線がぼやっとしているのが少し気にはなりますが、抑制の効いた端正で上品な表現、それでいて適度に熱っぽさもある。丁寧に一曲一曲作り上げていく当時の両者の仕事ぶりがちゃんと伝わってきます。何度も繰り返し聴いて大いに楽しみました。

手兵札響と、尾高さん自身さらに円熟味を増しただろう表現で、台湾の聴衆を魅了したと確信しています。

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ウェルザー=メストのブルックナー 交響曲第5番

聴いている音楽
03 /27 2015
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今週は昨秋ウィーン国立歌劇場の音楽監督を辞任したリンツ出身の指揮者、フランツ・ウェルザー=メストが当時の手兵ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したブルックナーの交響曲第5番 変ロ長調を聴いていました。実は聴いたことがなくて図書館からの借りものなんですが・・・

EMIの録音で1993年のウィーン・コンツェルトハウスでのライヴのようです。

さて、聴いてみての感想はというと、なかなか刺激的でした。

中でも第4楽章のフーガの部分は荒々しい迫力で迫ってきます。まさに「本場に殴り込み」といった印象を受けます。金管セクションは、吹きっぱなしても音程も乱れず、サウンドも重からず軽からず。オケの大音量から前面に抜けてくるパワフルさ!この耐久力はなかなかのものと感じました。イギリスのオケなかなかやるじゃない!という感じです。

第2楽章も繊細な中にじわじわ胸に迫るものがあって、とても良かったですし、スケルツォも高音から低音までリズムがしっかりとしていて好きなタイプの演奏でした。

今回聴いていて思ったのは、う~ん、やっぱり自分はマーラーの何倍もブルックナーが好きだなぁということでしょうか。

それにしても、ウェルザー=メストさんは、華々しいキャリアの一方でレコーディングにはあまり恵まれていないように思います。ロンドン時代はEIMからのリリースもボチボチあったように記憶していますが、クリーヴランド時代以後はあまり聞きません。

アルス室内合奏団 第39回演奏会

コンサート(その他)
03 /23 2015
晴れて気温が10度まで上がった土曜日の札幌。

そんな春間近の午後のひと時、柔らかな日差しに包まれた教会で札幌のアマチュア団体の演奏を楽しんできました。



■ アルス室内合奏団 第39回演奏会

 J.S.バッハ オルガン協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052
 メシアン   『キリストの昇天』(4つの交響的瞑想)から
         第4楽章「父のみもとへ帰るキリスト」
 ドヴォルザーク 弦楽セレナーデ ホ長調 Op.22

 アルス室内合奏団
 オルガン:吉村 怜子

 2015年3月21日(土)14:00~
 札幌バブテスト教会 礼拝堂


1曲目のバッハ。きりっと締まったアンサンブルでオルガンとの息もぴったりでした。吉村さんのオルガンを聴くのは2度目ですが、聡明なお人柄と演奏で本当に素敵です。このBWV1052、「チェンバロ協奏曲」だとyoutubeでたくさんヒットするのですが、オルガンではまた一味違うゴージャスさも感じました。

2曲目はメシアン。礼拝堂上部のカーテンがあけられ、現れた十字架を見上げながら聴いた美しいメシアン。うねうねと続くハーモニーに身をゆだねていると、なぜだか恍惚としてしまいます。

休憩後はドヴォルザーク。演奏前にコンマスの方が話していたような、”草原を感じさせるような” 弦楽セレナーデでした。すごくよかったです。

アンコールは、吉村さんも加わって、アルビノーニのアダージョ。こちらも素晴らしかったですね。

初めて聴かせていただいた楽団さんですが、皆さんかなり練習されているようで、すごく上手でした。是非また演奏会に足を運びたい、そう思うコンサートになりました。

最後に、会場もモダンでシンプル。響きも良く、非常に好感を持ちました。

ワルトシュタイン

聴いている音楽
03 /21 2015


村上春樹さんが読者からの質問に答える 「村上さんのところ」 (※1) という期間限定サイトの中で、村上さんがベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 作品53 「ワルトシュタイン」のおすすめ盤として、バックハウス盤とともにポリーニ盤を挙げられておられました。

そして、私もそれを見て、思い出したように聴きたくなり、ここ数日ポリーニ盤に耳を傾けています。

音楽がどんどん外へ向かう充実の音楽、それでいて古典的な美しさを放つ曲というのが私のワルトシュタインの印象です。

ポリーニさんの演奏、もう、すごいです。第1楽章は後半のテクニックに唖然とさせられますし、第2楽章の弱音も素敵です。そして、第2楽章から第3楽章につながる部分は何か湧き出してくるような、内なる生命力のようなものを感じます。

※1 村上さんのところ ~ワルトシュタインについて話しましょう

札響練習見学会

コンサート(札響)
03 /17 2015
日曜日は「ミミにイチバン♪ オーケストラの日 札響練習見学会」に行ってきました。

なんでも日本オーケストラ連盟の呼びかけで加盟団体がオーケストラ音楽に親しむイベントを3月に企画しているそうです。

場所は南区の「芸術の森」。山の近くなので雪がまだたくさん。駐車場から6、7分歩きます。


途中でリスを目撃!
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こちらが札響練習会場の「アートホール」。
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中はこんな感じ。
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さて、今回は3月22日からの台湾公演の練習です。指揮は尾高忠明監督、コンサートマスターは退団が決まっている伊藤亮太郎さんです。

曲目はグリーグの「ペール・ギュント」とドヴォルジャークの8番でした。

まずペール・ギュント。「朝」を通しでやった後、冒頭のフルートとオーボエの装飾音符の処理の仕方など、気になった個所を次々指示していきます。尾高さん、結構早口です。

「オーゼの死」と「アニトラの踊り」は弦だけの分奏にして、音程の気になるところのあわせや、表情づけなど、精緻な音楽が作られていく過程を興味深く拝見させていただきました。

ドヴォルジャークの8番は第1楽章の練習でした。

始める前に「この中で中国語話せる人いる?何か聞かれたらコンマスにふろうかな」など冗談も。

練習では、冒頭部分をチェロ以外で演奏させ「ナイーヴにね」とか、ディミヌエンドは気持ち早くして次の旋律が聴こえるように、など時折止めながら具体的に指示を与えていきます。非常に面白かったです。

1時間の練習の後に尾高さんのトークがありました。オケの練習の進め方についてのお話です。

日本のオケは本番前3日間の練習で、進め方は日本人の体力も考慮し1時間やって15分休憩というスタイルが多いそうです。

ただ、どのオケも忙しく練習時間の確保が課題であること、それから、外国人指揮者には一番のってくる1時間あたりで休憩に入ってしまうことに「なぜ」という声も聞かれるとのことでした。外国では2時間ぶっ通しのところもあるそうです。なかなか興味深いお話でした。

機会があったらまた参加したいと思いました。
そして台湾公演の成功をお祈りします。練習を聴く限り成功間違いなしと確信しましたが!

フルネのイベール 交響組曲「寄港地」

聴いている音楽
03 /15 2015


先週は吹雪いたりして春が少し後退しましたが、土曜日は家族で車に乗っていても「春だね~」と自然に口に出てしまう暖かな日差しのよい天気でした。積雪も40cmほどまで減りました。

さて、そんな土曜日はフランス音楽、イベールの交響組曲「寄港地」を聴いておりました。ジャン・フルネ指揮、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団による演奏(DENON・1996年録音)です。

「ローマ~パレルモ」、「チュニス~ネフタ」、「バレンシア」の3曲は、イベールが海軍士官時代に寄港した地中海沿岸の印象に基づいて書かれたのですね。

後ろの2曲を好んで聴きます。「チュニス~ネフタ」のアラビア風のオーボエは何と言ってもこの作品の最大の魅力の一つですし、「バレンシア」の活気と色彩も魅力です。

都響ともゆかりが深いフルネさん。聴いていると、もっとやって!と思う時もあるのですが、派手さのない落ち着きを払った演奏には格調の高ささえ感じます。オーケストラの混濁のないクリアなサウンドもとてもいいと思います。

エリシュカ/札響のドヴォルザーク チェロ協奏曲

聴いている音楽(札響)
03 /12 2015
尾高・エリシュカ時代になってから札響のCD発売が一気に増えて、正直買うのが追いつきません。

巨匠たちの膨大な名演が安く(場合によってはただで)手に入るのに3千円払って新譜を購入するのは動機がいりますね。そんな中、札響を含む日本のオケの録音は増えているように思いますが、演奏水準の向上と地元のコアなファンを大事に、ということがキーワードになっているのかもしれません。

まだまだ未入手が多いのですが、今回はこれを聴いてみました。

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■ ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

  指揮:ラドミル・エリシュカ (札響首席客演指揮者)
  チェロ:石川祐支 (札響首席奏者)

  札幌交響楽団

 (Altus・2013年ライヴ録音)

私の知る限り、Altusレーベルは初かと思いますし、コンチェルトの録音も聞いたことがありません。もしかしたら初かな?2013年の定期演奏会のライヴ録音。私はちょうど単身赴任中で定期会員をお休みしていた頃にあたります。

聴いてみての感想は、結構いいじゃない!という感じです。

石川さんのチェロは、音量豊かに朗々と、というよりは繊細な感じの演奏なのですが、音色、音程、テクニック、そして歌。とてもいいです!まさに「聴き惚れる」という感じです。

札響も好サポートではないでしょうか。特に第2、3楽章は、こう響いてほしな、という感じにわりとピッタリで思わず嬉しくなってしまいました。チェロとのバランスもgoodで、録音も優秀です。

石川さんの略歴を記しておきましょう。
77年名古屋生まれ、東京音楽大学を首席で卒業。99年日本音楽コンクール第1位。東京交響楽団首席奏者を経て05年から札響首席奏者とのこと。今回はエリシュカさんのたっての希望で共演となったとライナーノーツに記されていました。

大好きなドヴォルザークのチェロ協奏曲を地元オケの素晴らしい演奏で聴けるとは、年寄りくさくなりますが、時代は変わりましたね。カップリングのブラームスの3番の感想はまた後日。

ユジャ・ワンさんのファリャとラヴェル

聴いている音楽
03 /10 2015
日曜の夜にクラシック音楽館をちらっと見て、自室に引っ込もうと思ったのですが、思わずくぎづけになってしまいました。

ユジャ・ワンさんのピアノ、シャルル・デュトワ指揮のN響の演奏で、ファリャの「スペインの庭の夜」とラヴェルのピアノ協奏曲ト長調。12月の定期演奏会の様子です。

すごくよかった!

ユジャ・ワンさん、素敵ですね。エメラルドグリーン?と黄色?の美しいドレスで!(って、そこからか!とツッコミが入りそうですが)。ラヴェルの快活な切れ味も良かったけど、自分でも意外に思ったのが、第1楽章のアンニュイな感じと第2楽章の切ない調べ・・・こういうあたりに惹かれる演奏でした。

インタヴュー映像もいいですね。時々笑いながら話す姿が愛らしかったです。愛らしいと言えば演奏後のお辞儀の時も、なんだか、かわいいですね。

おっと、N響のことも。ラヴェルでは腕達者な管楽器奏者たちが素晴らしい演奏を聴かせてくれました。トランペットの菊本さん、ホルンの今井さん、ワタクシはどうしてもこういうあたりに目(耳?)が行くのですが、うん、上手いですね~。

日曜の夜にちょっといい気持になったハナシでした。

アマデウスQ.のスメタナ 弦楽四重奏曲第1番 「わが生涯より」

聴いている音楽
03 /07 2015


今週はカルテットを聴いていました。アマデウス弦楽四重奏団の演奏でスメタナの弦楽四重奏曲第1番 ホ短調 「わが生涯より」 です。(DG・77年録音)

この曲の特に第1楽章はなんと言い表したらいいのでしょうか。しつこいほど出てくる「タター・タ」というリズムは、悲痛に心に突き刺さります。少しの感傷と強い意志を感じさせる音楽。本当に素晴らしいです。

私はカルテットはあまり聴きませんので、この曲はこのディスクしか持っていませんが、聴くたびに魂を揺さぶられる演奏だと感じます。第1楽章では四人それぞれ前面に出てきて、ものすごい立体感を感じますし、第3楽章なんかでも、それはもう胸いっぱいって感じで弾いているのがひしひし伝わってきます。うん、いい演奏!