札響第573回定期 尾高指揮 マーラー第9

コンサート
10 /26 2014
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今月の定期は土曜に用事ができたので金曜日の夜公演に振り替えました。振り替えデスクで当日券を受け取ってビックリ。席番がなんとマイシートと同じ。空いていたんですね。ラッキーです。

■ 札幌交響楽団 第573回定期演奏会(夜公演)

 マーラー 交響曲第9番 ニ長調

 指揮:尾高 忠明

 2014年10月24日(金)19:00~
 札幌コンサートホールkitara

ロビーコンサートはトロンボーンパート4人によるマーラーの復活から「原光」が演奏されました。いいハーモニーです。

「第9」を生で聴くのは92年のマイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団の東京公演以来です。楽器編成はざっと眺めたところ、フルート4、ピッコロ1、クラリネット3、Esクラリネット1、バスクラリネット1、オーボエ3、イングリッシュホルン1、ファゴット3、ホルン5、トランペット3、トロンボーン3、チューバ1、弦五部(16-14-12-10-8)と打楽器という感じでしょうか。居並ぶだけで壮観ですね。コンサートマスターは9月から復帰した田島高宏さんでした。

プログラムを見てちょっと驚いたのが、札響が初演したのは1996年。前回が2003年で今回が3回目の演奏。やはり編成も巨大で、個々人の力量が試される曲ですから、首都圏のオケと違って演奏頻度は多くはならないようです。

さて、演奏の方はというと、尾高さん渾身の力演で、札響の皆さんも懸命に応えていました。もちろん、もう少しこう響いたらなぁとか、素人目にもミスらないよう演奏するのが精一杯かなと感じるパートや部分もありましたが・・・

印象に残ったところだけ書いておきましょう。第1楽章、低弦、ホルン、ハープに続き第2ヴァイオリンがさざ波のように入ってくる部分は、人間の呼吸とよくあいますね。自然とマーラーの深遠な世界に引き込まれます。

尾高さんはタクトを持たずに指揮。中庸なテンポで各パートに明快に指示を出していきます。美しい弦、管楽器の多種多彩な響きに加え、トロンボーンとティンパニによる最後の審判のような力強いフレーズ、そして、終わりの天国的な音楽!生で聴くと格別ですね。どのパートの奏でる音もとても美しい・・・・

中間の二つの楽章は省略して(笑)、第4楽章。冒頭から弦楽合奏は分厚い響きで朗々と響かせ、尾高さんも情感たっぷりに歌い込んでいきます。曲の中間あたりで弦が止み、ハープ、イングリッシュホルン、フルート、オーボエなど木管楽器によって奏でられる部分の美しさ、ここも良かったですね。オーボエ首席の金子亜未さんは本当に上手いですね。オケに溶け込む自然で落ち着いた音色!札響の逸材と感じました。

最後の一音が止んだ後、しばしの静寂・・・。私も思わず目を閉じそのひと時を味わいました。そして尾高さんが手を降ろし、フライングする聴衆もなく温かな拍手に包まれます。尾高さんのあんなに疲れきった様子はあまり見たことがありません。全力を出し切ったという、そんなマーラーでした。

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ジュリーニのフランク 交響曲ニ短調

聴いている音楽
10 /23 2014
昨日は最低気温4℃となり、今秋はじめて薄手のコートを着て出勤。地下鉄の車内でも着ている人が一気に増えました。クールビズが終わってひと月も立たないのに・・・北海道の秋は駆け足です。

週末は暖かさが戻るそうですが、それでも、そろそろスタッドレスタイヤへの交換を考えないといけません。

そんなメランコリックな季節ですが、このところは仕事が落ち着いているので、飲み会にも行かず早めに帰宅し、毎晩フランクを聴いております。

■ フランク
  交響曲ニ短調

  指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   (DG・1986年録音) 

ジュリーニのがっしりした歩み、だけど暗すぎないサウンド。とてもいいです。

特に第2楽章は素晴らしいですね。感情のうねりのようなものは極力抑えられ淡々とやっていますが、ベルリンフィルが実にいい音なので、身を浸すようにして楽しんでおりました。どうも今はこういう演奏がしっくりくる精神状態なのでしょう。

第3楽章、聴くたびにフフフッと思ってしまうスローテンポ。でもこれもまた、良いではありませんか。ベルリンフィルの方演奏しづらくないのかな??? 第1楽章もそうですが非常に揺るぎない演奏です。
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ベルティーニのマーラー 交響曲第9番

聴いている音楽
10 /18 2014
今月末の札響定期は尾高さんのマーラー「第9」なので予習をしています。

30代の中ごろからからでしょうか音楽の聴き方が変わってきました。同曲異盤を集めて聴くというのではなく、スタイルの違った何枚かだけを手元に置き、時に楽しみ、時にコンサートの予習にというような感じになってきたのです。

というわけで、今回聴いているのはガリー・ベルティーニ指揮、ケルン放送交響楽団による1991年2月の東京サントリーホールでのライヴ録音(東芝EMI・1991年live録音)です。20年ほど前に購入して、当時はそれはもう、夢中に聴いていたものです。

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ホント久しぶりに聴きましたが、すごくいい演奏だと思いました。

ためやメリハリを効かせて巨大なスケールで描くというのとは違って、繊細さでもってマーラーがこの曲にこめた世界感を表そうとしたのかなと思っていますが、兎に角不思議と音楽に入り込んでいけます。第2楽章の絶妙なテンポ設定とアンサンブルの素晴らしさ!終楽章も過度の感情移入はないものの、進むにつれ音楽に没入して高揚するライヴ独特の雰囲気などもとてもいいですね。サントリーホールの録音も素晴らしいです。

やはりいい曲ですね。今月の定期に向け気分も盛り上がってきました。

アバド/LSOのモーツァルト 「ジュピター」

聴いている音楽
10 /12 2014


廉価版だけどジャケットが素敵なグラモフォンのガレリアシリーズ。

先週は、このシリーズでクラウディオ・アバド指揮、ロンドン交響楽団のモーツァルトの交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」(DG 1980年録音)を楽しんでいました。そして、休日の昨日は、いつもより音量を大き目で・・・。

このディスクは、ズバリ何か月か前に中古ショップででジャケ買いしたものです。500円。ディスク表面にはMade in W.Germanyの文字。解説書は独、英、仏、伊の4か国表記のようです。

昔はただの廉価盤としか思いませんでしたが、よくよく見るとなかなか落ち着いた佇まいではありませんか。じっくり音楽に浸りたくなる気分にさせてくれます。

そんなアバド/LSO盤ですが、第1楽章はソフトな感じではじまり、その後も流麗に音楽を進めていきますが、内声部がよく聴き取れます。このあたり聴いていて面白いところでした。

オペラの一節のようにはじまる第2楽章の情感あふれる演奏や、第4楽章の溌剌とぐいぐい音楽を引っ張っていく感じもとても気に入りました。特に第4楽章の推進力、これは素晴らしいですね!拍手喝采です!

先週はイマイチ気乗りしない日が続きましたが、やる気あふれる音楽と演奏で元気をもらいました。

N響弘前公演

コンサート
10 /06 2014
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旅行を兼ねて青森へ。N響弘前公演を聴きに行ってきました。

N響を聴くのは2012年、単身赴任先での旭川公演、2013年、旅行を兼ねて行った大阪公演と3年連続です。この日のコンサートマスターは篠崎史紀さんでした。

曲目は10月2日のNHK音楽祭と同一のものですが、地方公演ではなかなかヘヴィーな気がします。そして、私にとっては先週の札響定期に引き続き、2週続けてのモーツァルトとブルックナー(笑) 

■NHK交響楽団弘前公演

 モーツァルト ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467
 ブルックナー 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(ノヴァーク版1878/80)

  指揮:マルティン・ジークハルト
  ピアノ:ユリアンナ・アヴデーエワ

  2014年10月4日(土)18:00~弘前市民会館

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1曲目のモーツァルト。独奏のアヴデーエワさんはモスクワ生まれ、2010年のショパンコンクールの覇者です。女性の優勝はアルゲリッチ以来45年ぶりだったんですね。もちろん聴くのは初めてです。

アヴデーエワさんは、黒のジャケットとパンツという装いです。演奏中はあまり体や頭を動かさないタイプのようにように感じました。細かい音符の粒のそろった綺麗なタッチと、長い腕から軽々と繰り出される力強いフォルテ。たっぷりモーツァルトを堪能させていただきました。

アンコールに、ショパンのマズルカからⅣイ短調が演奏されました。

ここで休憩。今回は弘前市民会館開館50周年。昨年度改修工事が行われたとのことですが、なかなかモダンな感じで、どことなく東京文化会館のような雰囲気も。

1Fロビー
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2Fホワイエ
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階段、少し曲がった造りが素敵です。
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後半の「ロマンティック」は生ではたぶん2回目です。

弦の編成は16-14-12-10-8 で、定員1300人の地方の会場では限界と思えるような大編成です。感想はというと一言、すごく良かったです!特に1、2楽章。

ジークハルトさんはウィーン生まれ。オランダのアーネム・フィルの名誉指揮者の地位にあるようですが、ゆっくり目のテンポ(スケルツォのトリオは相当ゆっくりな感じ)で、一点一点しっかりと揺るぎなく音楽を造っていきますが、的確に応えるN響はさすがトップオーケストラですね。分厚い弦と、ホルンはじめ強靭なブラスの響きに圧倒されました!

演奏後、ジークハルト氏がセクションごとに紹介して聴衆から拍手を受けますが、青森県出身のトランペット首席関山さんと、地元弘前出身のチェロの三戸さんへの拍手は一際大きかったことも記しておきましょう。

以上、津軽国音楽記でした。


ヴァンスカのシベリウス 劇音楽「カレリア」

聴いている音楽
10 /01 2014
昨日、職場でお世話になった先輩が退職しました。昨年あたりから、身の回りで色々な事情で職場を去る人が多くなっています・・・。新たな人生のご多幸をお祈りするばかりです。

このディスクはその方からのフィンランド旅行のお土産としていただいたものです。

日本でも買えますが、自分ではなかなか手が出ないツウなchoiceです。クラシック好きの私のために色々考えてくれたのでしょうね。ありがたいことです。

というわけで、久しぶりにひっぱり出してきて心して耳を傾けました。

■ シベリウス
  劇音楽「カレリア」
  劇音楽「クオレマ」
  悲しきワルツop.44

  指揮:オスモ・ヴァンスカ
  ラハティ交響楽団
  (BIS・1997年録音)

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カレリアは一般的な『組曲』ではなく、1893年に学生団体からカレリア地方の歴史をもとにした劇付随音楽として委嘱された全曲版で、Kalevi Aho という人の補筆によるもののようです。ディスクには 「WORLD PREMIERE RECORDING」 と記されています。

序曲(Overture)と8つの場(Tableau)から成っていて、一般的な組曲の Ⅰ「間奏曲」はTableau3の終わり、Ⅱ「バラード」はTableau4の冒頭、Ⅲ「行進曲」はTableau5の終わり部分に、それぞれ相当すると思われます。

この曲は、後に『序曲』Op.10と『組曲』Op.11となるわけですが、『序曲』は冒頭から北欧の自然にどっぷりと浸ることのできるなかなかの魅力作だと思うので、もう少し演奏されてもいいような気がします。非常に惜しいことだと思います。

ヴァンスカ&ラハティ響は軽やかで、透明感溢れるサウンド。どこをとっても北欧の楽団という感じでなかなか素敵です。組曲に入っている3曲のみでの比較ですが、ヴァンスカの少し早めのテンポによる飄々とした棒運びが一層そう感じさせるのかもしれません。

後年、ミネソタ管弦楽団とのベートーヴェン全集を完成させたヴァンスカ。こちらも聴いてみたくなりました。