鈴木秀美指揮、神奈川フィルを聴く

コンサート(国内オケ)
08 /10 2017
■ フェスタ サマーミューザKAWASAKI 2017

 メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」
 メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」
 ハイドン 交響曲第104番「ロンドン」

 鈴木秀美(指揮)
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

 2017年8月6日(日)15:00~
 ミューザ川崎シンフォニーホール

ちょっと息抜きで上京してきました。新千歳はLCCが使えるので首都圏も関西圏も安く行けて便利。今回は鈴木秀美さんの指揮、それから神奈川フィルを聴いてみるのがお目当てです。

まず14:30から15分間、鈴木さんのプレトークがありました。3曲についてそれぞれ丁寧に解説してくださいましたが、特にハイドンについては何時間でも話せてしまうと思いを語っておられ、イギリスではハイドンが来られなくなることがわかり暴動が起きたというお話も披露してくださるなど興味深いものでした。
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さて、この日の神奈川フィルの編成は全ての曲で10-10-8-6-4の弦5部と2管編成。ヴァイオリンは両翼配置のほか、面白かったのが正面最上段にコントラバスが横一列という配置。

1曲目「フィンガルの洞窟」。ホントいい曲ですねぇ。神奈川フィルさん、いい音出ていました。一曲目から好演です。

2曲目「イタリア」はこの曲が持つ生命感が溢れ出るような演奏でしたが、第2楽章冒頭などでノン・ヴィブラートの古楽奏法的な部分を際立たせたり、全曲を通して思い切りのいいアクセントでメリハリをつけたりしていたのが面白かったですね。第3楽章でホルンとフルートがとても美しかったことも印象に残りました。

休憩後は「ロンドン」。まずこれを最後にもってくるあたりからしていいです!。自分ではこの曲こそ古典派シンフォニーの傑作中の傑作だと思っているので拍手です。

第1楽章の序奏から実に堂々とした響きがホールに満ち溢れます。主部に入ってからも男性的な逞しさを伴った演奏だと感じました。素朴で優美な味わいの第2楽章。曲がホントいいです。ハイドンが行きついた境地のようなものを感じます。第3楽章を経て、いよいよ第4楽章。ホルンの低音から弦楽器が入って来るあたりでわくわく感があって好きなのですが、その後の推進力溢れる演奏はすごく良かった!。ハイドンのシンフォニーにもかかわらず(失礼)、演奏後にブラヴォーが多数かかっていたのも納得の快演でした。


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秋山/東響の「第九と四季」

コンサート(国内オケ)
12 /30 2016
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年末年始を親戚宅で過ごすのに首都圏に来ています。そして来たついでに今年最後のコンサートに行ってきました。

◼ 第九と四季

 ヴィヴァルディ 協奏曲集「四季」~春・冬
 ベートーヴェン 交響曲 第9番 「合唱付」

 青木尚佳(ヴァイオリン) ※四季

 大村博美(ソプラノ)
 清水華澄(メゾソプラノ)
 ロバート・ディーン・スミス(テノール)
 妻屋秀和(バス)

 秋山和慶(指揮)
 東京交響楽団

 2016年12月29日(木)14時
 サントリーホール

ざっくり感想を。
秋山さんのチェンバロ弾き振りのよる「四季」は弦のアンサンブルがとても綺麗でした。ソロの青木尚佳さんは初めて聴きましたが、ロン=ティボーで2位の実力者とのこと。美しくて上手かったですよ。ご活躍をお祈りします。

「第9」はなんと言っても東響コーラスが迫力があって良かった!。ステージ真横あたりの席にしたことも正解だったのかもしれません。ソリストはバリトンが声量豊かで素晴らしかったのが印象に残りました。

秋山さんを生で聴くのは久しぶりでしたが、美しい指揮ぶりは健在。東響もさすがと思わせる好演でした。

アンコールは「蛍の光」が演奏をされました。コーラスの方がかざすペンライトの幻想的な光の中、ほぼ満席の聴衆も一緒に歌って2016年とお別れという感じでした。

今回は東京在住の友人と行きました。コンサートのあとは忘年会。2年ぶりの再会で話に花が咲きました。



バッハ・コレギウム・ジャパン札幌公演 ミサ曲ロ短調

コンサート(国内オケ)
11 /17 2016
■ バッハ・コレギウム・ジャパン札幌公演

 J.S.バッハ ミサ曲ロ短調

 鈴木雅明(指揮)

 朴瑛実(ソプラノ)
 ジョアン・ラン(ソプラノ)
 ダミアン・ギヨン(カウンター・テナー)
 櫻田亮(テノール)
 ドミニク・ヴェルナー(バス)

 2016年11月15日(火)19:00~
 札幌コンサートホールkitara

4度目となるBCJのコンサートに行ってきました。実はBCJによるロ短調ミサを聴くのは2度目で、前回は9年前、ミューザ川崎まで遠征して聴いたのでした。

くすんで素朴な管弦楽、どこまでも澄んだコーラス、活き活きとしたリズム。大好きな曲を信頼できるアーティストで聴けるのはとても幸せなことです。心から素晴らしい演奏会だった!。

第1部は『グローリア』の中盤以降、テノールとソプラノによる二重唱「主なる神」、オーボエ・ダモーレとカウンターテナーによる「父の右に座し給う者よ」、コルノ・ダ・カッチャとバスによる「なんとなれば汝のみ聖」など次々現れる聴かせどころで、それぞれが素晴らしいパフォーマンスで聴衆を惹きつけていました。第1部終曲「精霊とともに」が始まったとき、「もうこれで休憩か、1時間早いなぁ~」と思えるほど、あっという間でした。
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第2部は『クレド』でのソプラノとカウンターテナーの二重唱「我は信ず」、オーボエ・ダモーレとバスによる「また聖霊」、『アニュス・デイ』でのカウンターテナーによる「神の小羊」が特に良かったですね。

管弦楽は第1部でナチュラルトランペットでのクラリーノ音域の吹奏に苦戦していたようにも思えましたが、第2部では見事でした。すごい!。合唱は今回一番良かったと思ったのは『サンクトゥス』。あまり好きではないのですが、各声部の絡みや際立たせ方で聴いていて、とてもひきこまれました。

終演後の盛大な拍手で、ひときわ喝采を浴びていたのは、カウンターテナーのギヨンさん、テノールの櫻田さん、コルノ・ダカッチャのピコンさんでした。櫻田さんは去年札響との共演を聴きましたが、ホントすごい方です!。

会場を後にしたのは午後9時半ころ。kitaraから地下鉄駅まで7分ほど外気温1度の中を歩いたのですが、興奮で体が温まったせいか寒さを感じませんでした(笑)。

東京都交響楽団 創立50周年記念札幌特別公演

コンサート(国内オケ)
09 /14 2015
都響2年ぶりの札幌公演を聴きに行ってきました。

■ 東京都交響楽団 創立50周年記念 札幌特別公演
 
 外山雄三 管弦楽のためのラプソディ
 ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー *
 ドヴォルザーク 交響曲第8番 ト長調

 指揮:下野 竜也
 ピアノ:小曽根 真 *

 2015年9月13日(日)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

1曲目は外山雄三のラプソディ。1960年のN響による日本のオケ初の海外公演のアンコール曲として演奏されたということですが、もはや古典の感があります。もちろん生で聴くのは初めてです。

金管奏者たちが持つ拍子木の鮮烈な響きに耳を奪われていると、トランペットによる「あんたがたどこさ」がはじまります。「ソーラン節」などが登場する第1部、フルート・ソロによる「信濃追分」の第2部、賑やかな「八木節」の第3部は、急-緩-急のシンプルな構成。オリエンタルな旋律と血沸き肉躍るようなリズムは欧米の人の心をつかんだのも頷けます。

下野さんの演奏はもっと派手にやって!と思う部分もありましたが、いわゆる「バカ騒ぎ」にならない管弦楽作品としての節度、気品あるものに感じました。

2曲目はラプソディ・イン・ブルー。この曲も生で聴くのは初めてです。冒頭のクラリネットのグリッサンドからして雰囲気満点。その後もトランペットのワウワウミュートのコミカルな音色、フラッタータンギングなど曲の面白さを実感します。

でもやはり、この曲は主役の小曽根さんの独壇場。ゆっくりとした部分の直前や、また速くなってトロンボーンが駆けあがるようなパッセージをやる直前に長いアドリブソロをいれていました。華麗なピアノを聴きながら、これ上手くオケに繋がるのかなぁとハラハラするのですが、これが手品のようにピタッと合うんですね。プロの妙義です。感心。

アンコールは小曽根さんの自作「Reborn」という曲が演奏されました。会場全体が息を飲むような美しさに包まれました。聴きに来てよかった!。

休憩後はドヴォルザークの8番。第1楽章のパリッとキレの良さ、たっぷり歌わせた第2楽章も良かったのですが。やはり第4楽章。冒頭のトランペットからして解放感ある伸びやかな吹奏、速い部分でのホルンの強奏などメリハリを効かせた音楽づくり。とても良かったですね。

プログラムに今回の曲目は独仏伊の ”周縁” に花咲いた作品だと書いてありましたが、たしかに地方公演では面白い曲目でした。

N響札幌公演 アリス・紗良・オットさんのベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番ほか

コンサート(国内オケ)
09 /02 2015
夏の終わりにN響札幌公演を聴きに行ってきました。なんだかんだで4年連続です。

N響さん、今回は東京→郡山→青森→函館→旭川→北見と遠征してきて、札幌が公演最終日のようです。



■ NHK交響楽団 札幌公演

 ベートーヴェン 「エグモント」序曲
 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番 ハ短調
 ベートーヴェン 交響曲第5番 ハ短調

 指揮:ヨーン・ストルゴーズ
 ピアノ:アリス・紗良・オット

 2015年8月31日(月)19:00~
 札幌コンサートホールkitara

楽団の抜群の知名度、ソリストの人気、有名曲ときて、チケットは完売。当日の会場もほぼ満席でした。

はじめて耳にするお名前の指揮者のストルゴーズさん。フィンランド出身。スウェーデン放送響のコンサトマスターから指揮者に転向して、現在はヘルンキフィルの首席指揮者、BBCフィルの首席客演指揮者などをされているようです。

非常に男性的な逞しい音楽を作られる方とお見受けしました。エグモント序曲は、厚みのある弦と三拍子の推進力。ノリがよくて格好良かったですね。

次はピアノ協奏曲第3番。ステージ中央にピアノが出され、アリス・紗良・オットさんがノースリーヴの黒いドレスを着て登場です。スレンダーで腕が長く、まことに美しい!。

アリス・紗良・オットさんを聴くのはこの日で2回目。前回はP.ヤルヴィ/hr響とのリスト1番でした。

さて、ベートーヴェンの3番のコンチェルトは、彼女がN響のサイトでもおっしゃっていたように、オケとの掛け合いが室内楽的とも言える感じで、逞しさや迫力よりは柔和な面がより現れていて、ワタクシ自身、この曲の違う魅力を知りました。ストルゴーズさんもこうした音楽づくりに全面的に合わせているように感じましたね。

アリス・紗良・オットさん、右手だけのトリルの時、空中を見つめて音楽に没入したり、ソロがないときは常にオケの方を向いて、音やリズムをかみしめアンサンブルを楽しんでいるようでした。これは生ならではの楽しみでもあります。とにかくすごく良かった~。

アンコールはリストの「ラ・カンパネラ」。緩急のつけ方が個性的に感じられる、これまた素晴らしい演奏!。

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休憩後は第5交響曲。弦五部は前半2曲が12-10-8-6-4でしたが、後半は14-12-10-8-6の14型に拡大です。

ストルゴーズさんが登場し、拍手が鳴り止むやいなや間髪を入れずにジャジャジャジャーンと一撃。フェルマータは短め。間も開けずに、アレグロ・コン・ブリオに入っていくあたりは最近のスタイルでしょうか。淀みのない流れです。

でも、この5番で一番よかったのは第4楽章。冒頭のトランペットから輝かしくも重みのある迫力満点の演奏。弦もコンマスの篠崎さんの熱気あふれる演奏はじめ14型とは思えない分厚い響きです。これは指揮者というよりN響の伝統芸ですね。ドイツ物への絶対の自信が漲る盤石な演奏です。う~ん、これはすごかった。ブラヴォーも多くかかって、いやぁ盛り上がりましたね。

アンコールに演奏されたのはシベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」。少しクールダウンしましたが、興奮に包まれ会場を後にしました。

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