PMFオーケストラ演奏会(ブラームス第4番ほか)

コンサート(PMF)
08 /01 2016
PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)のコンサートに行ってきました。


■PMFオーケストラ演奏会 《プログラムB》

 メンデルスゾーン 序曲「静かな海と楽しい航海」
 ベートーヴェン 「レオノーレ」序曲第3番
 ムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」(原曲版)
 ブラームス 交響曲第4番*

 指揮:ジョン・アクセルロッド(PMF首席指揮者)
 PMFオーケストラ
 PMFアメリカ*

 2016年7月30日(土)17:00~
 札幌コンサートホールkitara大ホール



今年のPMFオーケストラの演目は3つ。芸術監督ゲルギエフさんのショスタコの8番、首席指揮者のアクセルロッドさんのマーラー4番と、このブラームス4番です。

PMFのオーケストラコンサートは、何といってもトッププロである教授陣が加わるメインプログラムが聴きものですが、前半の「レオノーレ第3番」も「はげ山の一夜」も良かった!。

レオノーレで2回あるトランペットのソロはホール3階からの吹奏。1回目はおそらく出入口の陰から、ややくぐもった音で、2回目は通路からと遠近感をつけたやり方でした。吹いたのは日本から参加したアカデミー生と思われます。

はげ山の一夜の原曲版はサロネン/LAPのディスクで聴いていましたが、やはり生では格別。言葉が悪いですが洗練されていないムソルグスキーの生の音楽にまさにフォービスムの絵に最初に接したときのように頭をガーンとやられる衝撃を感じました。

アクセルロッドさん、この曲ではタクトを置いて、唸り声をあげながら、体いっぱいを使った情熱的な指揮。いやぁ~面白かった。


後半はPMFの教授陣を務める主にアメリカの一流オケの首席奏者たちが各パートのトップに加わっての演奏。素人が聴いても響きの違いに驚かされます。

主な奏者はこんな感じ。
・コンサートマスター : ディヴィッド・チャン(メトロポリタン歌劇場管コンマス)
・フルート : ティモシー・ハッチンズ(モントリオール響首席)
・クラリネット : スティーブン・ウィリアムソン(シカゴ響首席)
・ホルン : ウィリアム・カバレロ(ピッツバーグ響首席)
・トランペット : マークJ.イノウエ(サンフランシスコ響首席) など

アクセルロッドさんのブラ4、これにも衝撃を受けました。

テンポは速めでストレート、響きは硬く強靭。金管特にカバレロさん率いるホルンセクションの鳴りっぷりはすごくて、迫力満点の演奏!。聴きながら「う~ん、これはショルティのブラームスだなぁ」と思ってしまいました(笑)。

ひな壇の最上段にホルン、トランペット、トロンボーンが横一列で、打楽器がその後ろという配置効果もあったと思うのですが、これではホルンが、あまりにもストレートに響き過ぎ、RA席で聴いていた私のところでも旋律、対旋律、ハーモニーから裏拍まで丸聞こえ。オケ後方の席ではバランスの取れた音楽が聴けなかったのではないでしょうか。このあたりにアリーナ型のホールでの配置の難しさも感じました。

話がそれました。迫力ある演奏の合間合間にはフルートやクラリネットの抒情的で陰影の深い演奏(特に第2、第4楽章)。こちらも息をのむ美しさでした。終演後にフルートのハッチンズさんがひときわ盛大な拍手を受けていましたが、私はクラリネットのウィリアムソンさんが素晴らしいと感じました。

アンコールにはブラームスのハンガリー舞曲第5番が演奏され、華やかに終演。2千円でこれだけの演奏が聴けたのですから、大満足です。

興奮冷めやらぬ状態でホールの外に出た午後7時の気温は25度。北海道も短い夏真っ最中です。

kitara近くにあるPMFの生みの親であるバーンスタインの銅像




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PMF「赤れんがテラス」コンサート ラヴェル 弦楽四重奏曲ほか

コンサート(PMF)
07 /25 2015


PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)は、市内各所で催される無料コンサートもその魅力の一つです。今回は旧北海道庁赤レンガの向かいに昨年度オープンした「赤れんがテラス」でのコンサートに行ってきました。

■ PMF 「赤れんがテラス」 コンサート

  プロコフィエフ 2台のヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56 *
  ラヴェル 弦楽四重奏曲 ヘ長調 **

  *PMFオーケストラメンバー
   アレックス・ゴンザレス(1stvn)、ケヴィン・スミス(2ndvn)

  **PMFオーケストラメンバー
   ケネス・リャオ(1stvn)
   アンドレア真理子・アシュダウン(2ndvn)
   セギュン・チョン(va)
   ハヴァ・アピア(vc)

  2015年7月24日(金)18:00~
  赤れんがテラス 2F アトリウムテラス

早めに会場に行ったのですが、結構人がいました。年齢層も若い方、子づれの若いお母さん、会社帰りのサラリーマン、年配の方と様々です。先日のkitaraでのコンサートも感じましたが、女性の姿が目につきます。

1曲目のプロコフィエフの2台のヴァイオリンのためのソナタは初めて聴きました。ヴァイオリン2人で演奏する4楽章構成の曲で、1932年の作のようです。なかなか晦渋な音楽に感じましたが、第4楽章は一転して親しみやすいメロディで始まり、次第に2人の音楽が絡み合いながら上昇して終結を迎えるあたりは面白いと感じました。何かヴァイオリン協奏曲第2番(1935)に似た雰囲気を感じました。

2曲目はこの日のお目当て、ラヴェルの弦楽四重奏曲。生で聴くのは2回目です。

ちなみに1回目は20年ほど前になんとシンガポールで聴きました。ジェイド弦楽四重奏団という、確かシンガポール響のメンバーによる団体の演奏でした。

話がそれました。さて、ラヴェルのカルテット。第1楽章におとずれる2度のクライマックス、第2楽章の中間部からピツィカートに戻るあたり、そして、終楽章のかっこいい終わり方。いやあホントいい曲!演奏もパリッとキレのある快演でした!。

夏の夜、都心のビルのちょっとした空間で行われる演奏会。実に良かったです。

準・メルクル指揮/PMFオーケストラ ドヴォルザーク 交響曲第7番ほか

コンサート(PMF)
07 /21 2015
PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)2015を聴きに行ってきました。

■ PMFオーケストラ演奏会〈プログラムA〉

 メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」組曲 作品61
 マーラー さすらう若人の歌 *
 ドヴォルザーク 交響曲第7番 ニ短調 作品70**

 指揮: 準・メルクル
 PMFオーケストラ
 
 テノール: 松原 友*
 PMFヨーロッパ**

 2015年7月18日(土)15:00~
 札幌コンサートホールkitara


2週続けてのコンサートです。今回は珍しく友人と一緒に。席も思い切ってS席、1階席の12列目ほぼ中央です。パイプオルガンを正面に仰ぎ見ながらの鑑賞はなんとも優雅な気分です。

3曲とも生では初めての曲ばかり。デイヴィッド・ジンマンさんの急な降板は残念でしたが、準メルクルさんも聴いたことがないので楽しみです。また、教育音楽祭だけあって、前半の2曲は参加メンバーのみでの演奏です。ステージ上の若手奏者を見るだけで気持ちがいいですね。

さて、1曲目は「真夏の夜の夢」。序曲、スケルツォ、間奏曲、夜想曲、結婚行進曲、道化師たちの踊りの6曲が演奏されました。冒頭のフルートからとても繊細で丁寧なアンサンブルです。主部に入ってからは準メルクルさんの躍動感溢れる指揮にあわせて生き生きとした音楽が流れます。

特に良かったのは、間奏曲と夜想曲。前者は木管楽器と弦楽器の流れるようなつながりが素晴らしく、憂いを帯びた音楽を堪能できました。そして後者は何と言ってもホルン!安定した吹奏で、曲の雰囲気を見事に伝えていました。ブラボーです!。

音楽祭ということでいつもと客層が違うのでしょうか。序曲と結婚行進曲の後に拍手が起きました。多少全体の流れが止められるきらいはありますが、私は「良かったから拍手する」というシンプルな考えで受けとめて、否定はしないタイプです。

2曲目は、テノールの松原友さんとの共演によるさすらう若人の歌。曲の内容からいってもぴったりな独唱者とオケの顔ぶれです。編成は少し小さくなって12型ですが、ハープなんかが入るあたりがマーラーですね。

う~ん、声楽はほとんど聞かないのでよくわかりませんが、松原さんの歌声はとても聴きやすかったですし、弱音なんかも美しかったですね。独唱とオケのバランスが良かったと思います。ただ、公式プログラムは買わなかったので、えらそーなことは言えないのですが、歌詞を配布してくれたらみんなもっと楽しめるのではと感じました。

休憩後の後半はドヴォルザークの7番。オケにPMFの教授陣が加わっての演奏。コンサートマスターはライナー・キュッヒル(VPO)、オーボエはアルブレヒト・マイヤー(BPO)といった具合に、各パートのトップをウィーンフィルやベルリンフィルなど欧州のトッププロが固めます。 

木管楽器やホルンなど動きがはっきりわかる部分を中心に、響きのまろやかさや微妙なニュアンスによる陰影など音に深みが増したように感じられます。大好きな第2楽章、素晴らしかった!。どのパートも最高の音色で勝負して、安心して音楽だけに身をまかせていられます。第4楽章の盛り上げ方も良かったですね。いやぁ堪能いたしました。

友人はこの日のためにスウィートナーで予習したらしいですが、大満足の様子でした。

PMF もいわ山コンサート

コンサート(PMF)
08 /02 2014
25周年の PMF (パシフィック・ミュージック・フェスティバル) の終盤、『PMF もいわ山コンサート』 を聴きに行ってきました。

■ PMF もいわ山コンサート
  ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ短調 作品76-2「五度」
   ラドゥ・ロポタン(ヴァイオリンI)
   ユークン・シャン(ヴァイオリンII)
   乾詩織(ヴィオラ)
   ミンジー・チェ(チェロ)

  モーツァルト:弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K. 516
    ケネス・リャオ(ヴァイオリンI)
    香田亜以(ヴァイオリンII)
    鶴友見(ヴィオラI)
    ジェバッ・キー(ヴィオラII)
    ディアナ・フロレス(チェロ)

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第7番 ヘ長調 作品59-1「ラズモフスキー第1番」
    練木翔(ヴァイオリンI)
    本吉理路(ヴァイオリンII)
    デイヴィッド・メイソン(ヴィオラ)
    ライアン・ルーイ(チェロ)

  と き:2014年7月31日(木)18:30~
  ところ:藻岩山中腹エリア「フォレストギャラリー」

会場は札幌中心部から約5kmのところにある藻岩山の中腹にあり、ご覧のとおりロープウェイに乗って向かいます。この日の最高気温は31℃でしたが、夕方には北海道らしい、しのぎやすいコンディションに。
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森の中の教会のような雰囲気。収容人数は50人ほど。
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教育音楽祭らしく、世界各地からオーディションを経て集まった若手音楽家の気合十分な、若々しいキレのある演奏でした。

まずはハイドンの『五度』。まさにこれが一番のお目当て。大好きな曲です!モーツァルトが既に世を去ったあとの1796年から1797年にかけての作。縦横無尽に駆けめぐる第1ヴァイオリンの高音の美しさに魅せられます。

バランスが良く、アンサンブルの息もぴったりの快演。ただ、古典派の緩徐楽章、これは本当に難しいものですね・・・。カルテットは長い時間をかけて解釈や表現を詰めて、芸に磨きをかけるものだなぁと再認識。

モーツァルトは、恥ずかしながら聴くのははじめて。少々くどい感じの曲ですね。感想は省略、ゴメンナサイ(笑)

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休憩後は『ラズモフスキー第1番』。 弦楽四重奏とは思えない素晴らしい広がりをもった傑作。こちらも大好きです。

冒頭のチェロ、いい音です! 4人での最初の盛り上がりにかけての部分だけ見ても、モーツァルトやハイドンの音楽からの飛躍を感じます。4人のパートの独立した動きなど生の面白さもしっかりと堪能。演奏も大変聴きごたえがありました。

終演後、復路のロープウェイを待っていましたら、私の後ろの年配のご夫婦が、「来るだけで気持ちがいいわね」と会話されていました。まさにそのとおり、いい夏の音楽祭でした。

無料コンサートなので入場整理券は回収され、プログラムもくやくちゃになってしまいましたので、記念に両方載せておきます。
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