N響とKBS響

音楽
05 /14 2017
5月8日(月)~12日(金)のNHK-FM「ベスト オブ クラシック」は「世界のオーケストラ」と題して、普段あまり録音や来日公演のないオーケストラの特集が組まれました。登場したのは、ウクライナ国立フィル、ギリシャ国立響、エストニア国立響、オークランド・フィル(ニュージーランド)、KBS響(韓国)の5団体。

このうちKBS響の放送を少しだけ聴けました。尾高忠明さんの指揮で2016年4月の演奏会の模様で、曲目は諏訪内晶子さんの独奏によるベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルトと尾高さんお得意のエルガーの交響曲第1番。

聴けたのはエルガーの第2楽章以降でしたが、上手いと思いました。第3楽章で哀しみを湛えた弦の響きやクラリネットのソロ、そして第4楽章での情熱的な終結部など聴きごたえがありました。比較的冷静な印象の尾高さんの指揮の下での演奏ということにも面白さを感じました。

一方、N響はというと5月13日(土)に生中継された第1860回定期公演Aプロの様子。ピンカス・スタインバーグさんの指揮でスメタナの連作交響詩「わが祖国」。こちらも聴けたのは後半の3曲のみでしたが、「ボヘミアの森と草原から」でのホルンの美しいこと!。「ターボル」、「ブラニーク」での金管の力強い吹奏。全体的にはN響らしい節度を感じさせるものでしたが、本格的な演奏ですごく良かったですね。管の世代交代でN響は今や盤石とも言える印象を持ちました。


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遠藤真理さんが読響のソロ・チェロ奏者に就任!

音楽
02 /21 2017
ぼやっと読響のサイトを見ていましたら、2017年2月2日のニュース・トピックスに「2017年4月 遠藤真理さんがソロ・チェロ奏者に就任」(※)とあるのが目に留まりました。

ええっ、そうなの!! と、やや3週間たってから気づいて驚く田舎者っぷり(笑)。

なにが驚くかというと、これまでソロや室内楽で活動されてきましたし、これからもこのような活動を中心にやっていかれるのかなと思っていたからです。でも、まあ向山佳絵子さんも今はN響で首席やってますしね・・・。

「就任コメント」によると、チェロでの女性の入団は始めてとのこと。また一年間ゲスト首席奏者で演奏したとあります。早速読響シンフォニックライヴで確認してみましたら、はい、たしかに演奏されていました。

昨年末に聴いたラフマニノフがすごく良かった遠藤さん。ますます今年も何とかしてコンサートに行きたい気持ちが高まりました。

※ 読売日本交響楽団のwebサイト~「2017年4月 遠藤真理さんがソロ・チェロ奏者に就任」


600回記念定期はモーツァルト

音楽
10 /19 2016
先日の札響定期演奏会のプログラムに2017-18年シーズンの年間プログラムの速報が載っていました。それによると6月の第600回定期演奏会は首席指揮者ポンマーさんによるモーツァルトの後期三大交響曲(39番、40番、41番「ジュピター」)とのこと。

う~む、500回記念定期(マーラー「復活」)の例から、札響合唱団も加わる大曲かなと思ったのですが意外でした。まあ、曲は偉大な傑作なのでふさわしいかとは思いますが、やはり華やかさもほしかったなあというのが本音ですね。


四半世紀前の札響定期のプログラムは

音楽
10 /10 2016
連休は実家に帰省。昔の演奏会のパンフレットが捨てられずに残っていて、その中に札響の91年4月の定期演奏会のものがあります。91~92年のシーズンは今年からちょうど四半世紀前で、しかも札響創立30周年だったようです。曲目は以下のとおり。

1991年4月 第324回 指揮:秋山和慶 ピアノ:ジャン・フィリップ・コラール
モーツァルト 交響曲第1番
サン=サーンス ピアノ協奏曲第2番
ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」

1991年5月 第325回《ベートーヴェン・シリーズ第7回》 指揮:山田一雄 ピアノ:海老彰子 
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番
ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱つき」

1991年6月 第326回 指揮:田中良和 チェロ:藤原真理
武満徹 弦楽のためのレクイエム
ショスタコーヴィチ チェロ協奏曲第1番
ブラームス 交響曲第2番

1991年7月 第327回 指揮:オンドレイ・レナルト ヴァイオリン:清水高師
モーツァルト 歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲
モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
ドヴォルザーク 交響曲第8番

1991年9月 第328回 指揮:ペーター・シュヴァルツ
ブルックナー 交響曲第8番

1991年10月 第329回《ベートーヴェン・シリーズ第8回》 指揮:山田一雄
ベートーヴェン 交響曲第1番
ベートーヴェン 劇付随音楽「エグモント」

1991年11月 第330回 指揮:十束尚宏
マーラー 交響曲第3番

1991年12月 第331回《モーツァルト没後200年記念》 指揮:秋山和慶
モーツァルト レクイエム

1992年1月 第332回 指揮:尾高忠明 ピアノ:ジョン・木村・パーカー
モーツァルト 歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲
モーツァルト ピアノ協奏曲第23番
R.シュトラウス 交響詩「ドン=キホーテ」
(ヴィオラ:原田幸一郎 チェロ:菅野博文)

1992年2月 第333回 指揮:高関健 ヴァイオリン:安永徹
ブルッフ スコットランド幻想曲
バルトーク 管弦楽のための協奏曲

1992年3月 第334回《ベートーヴェン・シリーズ最終回》 指揮:山田一雄
ベートーヴェン ミサ・ソレムニス

「春の祭典」や「管弦楽のための協奏曲」などの難曲から、ベートーヴェンの「第9」、「ミサ・ソレムニス」やモーツァルトの「レクイエム」などの声楽入りの曲。そしてブルックナーの「第8」やマーラーの「第3」という大曲まで、なかなか意欲的で豪華です。アニバーサリーイヤーだったからでしょうか、はたまたオーケストラの編成拡大の時期だったからか、いずれにせよプログラムから楽団の勢いや飛躍を感じさせるものがあります。

9月定期を振ったペーター・シュヴァルツさんは69~75年に常任指揮者をつとめられた育ての親の一人です。山田一雄さんのベートーヴェンは札響にとって2回目となるシンフォニーのツィクルスの一環ですが、残念ながら91年8月に逝去されていますので5月が札響への最後の客演となりました。10月と3月の定期はそれぞれ矢崎彦太郎氏と佐藤功太郎氏が代わりに指揮をされたようです。


「チャイコフスキー・コンクール」を読む

音楽
10 /01 2016
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中村紘子著『チャイコフスキー・コンクール ピアニストが聴く現代』を読んでみました。28年も前に出版された本ですが、某大型書店のフェアで平積みされていて、本年7月にお亡くなりになられたということもあって、ふと手に取ってみたことが今読むことになったきっかけです。

82年と86年に審査員をつとめた中村さんの視点で、旧ソ連の当時の状況やコンクールの舞台裏、コンテスタントへの評価が書かれていますが、それだけにとどまらず、クラシック音楽とコンクールのあり方、音楽教育の問題点、日本人の西洋音楽の受容など大変興味深い内容でした。正直なところ中村さんの深い見識と巧みな文章力に驚かされた面もあります。

86年のピアノ部門1位のバリー・ダグラスさんに関する記述も予選で弾いた「展覧会の絵」のことをはじめ結構あり、2014年12月の札響定期にも客演してくれたことを思い出しながら、読み進めることができました。そういう点ではこの本とは今が出会うべき縁だったということかもしれません。

読了後、入賞者を調べなおしてみると82年のピアノ部門では小山実稚恵さんが3位、ヴァイオリン部門ではヴィクトリア・ムローヴァさんが1位、チェロ部門ではアントニオ・メネセスさんが1位などそうそうたる顔ぶれです。その一方で1位の人でも私が知らないだけかもしれませんが、パッと顔を思い出せない人も結構いて、コンクール後の演奏家としてもキャリア形成の難しさも想像したところです。