札響第597回定期 エリシュカ指揮 ブラームス第1番ほか

コンサート(札響)
03 /11 2017

■ 札幌交響楽団第597回定期演奏会

メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」
シューベルト 交響曲第5番 変ロ長調
ブラームス 交響曲第1番 ハ短調

指揮:ラドミル・エリシュカ(名誉指揮者)

2017年3月11日(土)14:00~
札幌コンサートホールkitara


メンデルスゾーンとブラームスは16型、シューベルトは12型での演奏。コンサートマスターは田島高宏さんでした。

1曲目のフィンガルの洞窟は、もたれないテンポと各楽器のバランスの整った響きが良かったですね。生では初めて聴きましたが、ホントに素敵な曲だとあらためて感じました。

2曲目はシューベルトの第5。こちらも第1楽章から古典派の曲のように速いテンポでストレートに進めていく感じです。とてつもなく美しい第2楽章と暗く激しい第3楽章との対比がいいですね。

休憩後はブラームスの第1番。すごく良かった。少しじーんときました。

テンポ、ため、間が自然で音楽がすっと入ってきましたし、実はいつも少しだけ感じるエリシュカさんの棒とオーケストラがずれる瞬間もなくアンサンブルがきっちり整って、迫力も満点の重厚なブラームスでした。

エリシュカさんが第1楽章で第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロパートに盛んに指示を出していたこと、第2楽章の田島さんの艶のあるソロヴァイオリン、第4楽章の1番、2番ホルンによる太く朗々たる見事な吹奏も印象に残りました。

天気晴れ、気温も4度まで上がった札幌は、積雪70cmの雪解けで足元がぐちゃぐちゃでしたが、お客さんは多かったですね。ブラームス交響曲全曲演奏のトリを飾る演奏はブラヴォーもいつも以上に多く大いに盛り上がりました。


スポンサーサイト

札響名曲シリーズ 牛田智大(Pf) ショパン ピアノ協奏曲第2番ほか

コンサート(札響)
02 /05 2017
■森の響(うた)フレンドコンサート
札響名曲シリーズ2016-2017

 グリーグ 「ペール・ギュント」第1組曲
 ショパン ピアノ協奏曲第2番
 シベリウス 交響曲第2番

 高関健(指揮)
 牛田智大(ピアノ)
 
 2017年2月4日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

DSC04303201702042201.jpg

先週に引き続き2週連続の札響。今季最後の名曲シリーズは17歳の牛田智大さんへの期待と好天も相まってかほぼ満席でした。

1曲目、ペール・ギュント。「オーセの死」での弦の精緻なアンサンブルが印象に残りました。「山の魔王の宮殿にて」も迫力があって良かったです。ファゴットの旋律に絡むホルンのゲシュトップは生で聴くと演奏効果がよりはっきり認識できました。

2曲目、ショパン。2番のコンチェルトを生で聴くのは今回が初めてです。最初に思ったのは、オーケストラがほんと「伴奏」って感じで(第3楽章の終り頃に出てくるホルンのファンファーレ的なフレーズは面白いですが)、大規模管弦楽曲を書かなかったのが頷けます。ピアノを聴くものとわりきる曲ですね。

牛田さんのピアノはショパンらしさが楽しめる第2、第3楽章が良かったと感じました。時々目を閉じて聴いていましたが、繊細かつロマンティックな音の進行に集中できました。アンコールには同じくショパンの幻想即興曲が演奏されました。細かな音の動きから時にふわっと、時にくっきり力強く浮かび上がるメロディの美しいこと!。会場全体も聴き入っている感じが伝わってきました。

休憩後はシベリウスの第2番。高関さんの指揮はテンポも表情づけも違和感のない自然な感じです。札響も全4楽章ムラのないとてもいい演奏だったと感じました。

アンコールにはシベリウスの組曲「恋人」から第1曲恋人が演奏されました。


札響第596回定期 ポンマー指揮 バッハ 管弦楽組曲全曲

コンサート(札響)
01 /28 2017
■ 札幌交響楽団第596回定期演奏会

 J.S.バッハ 管弦楽組曲全曲
(演奏順:第3番ニ長調、第2番ロ短調、第1番ハ長調、第4番ニ長調)

 マックス・ポンマー(指揮)

 髙橋聖純(フルート) *第2番
 辰巳美納子(チェンバロ)

 2017年1月28日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara


前半が第3番と第2番。休憩後の後半に第1番と第4番という構成。コンサートマスターは田島高宏さんでした。編成は弦5部とチェンバロに管打楽器が加わります。
第3番:オーボエ2、トランペット3、ティンパニ
第2番:独奏フルート
第1番:オーボエ2、ファゴット
第4番:オーボエ3、ファゴット、トランペット3、ティンパニ

配置は最前列にオーボエとファゴット。その後は向かって左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、チェロ。そして中央奥にトランペットとティンパニです。

全体的な感想としては古楽器の影響も受けつつ、すっきりと美しい明るい感じのバッハでとても良かったです。

個別の部分では第2番で髙橋聖純さんがブラヴォーのかかる素晴らしい演奏を聴かせてくれましたが、あまり音の届かない席だったので十分音楽に浸れなかったのが残念。第1番は透明感のある美しいサウンドが印象に残りました。

第3番と第4番は華やかでいいですね。トランペットパートに注目してしまいます。本日は福田さん、松田さん、前川さんの3人です。高音域が続き負担のかかる曲と思われますが、要所要所を綺麗に決めていて演奏に締まりが出ていたと思います。

祝祭的なニ長調の第3番で始まり、同じ雰囲気・調性の第4番で締めていましたが、演奏効果やトランペット奏者の負担も軽減されるいい構成だと感じました。地味なプログラムにもかかわらず、お客さんはまあまあ入っていた感じでした。「ポンマーが満を持して取り上げるバッハ」と題された今回の定期への期待が大きかったのでしょうか。

DSC04302201701282208.jpg
今回はプログラムの曲目解説も興味深かったです。「組曲」は鍵盤楽器の独奏曲のように楽章配列に定型があるもののみに用い、バッハはアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグを根幹とする場合のみ「組曲」としているようです。管弦楽を用いた自由な楽曲群は第1曲に代表させて「序曲」と呼ぶのが現在の定説のようで、この曲も「4つの序曲(管弦楽組曲)」と題されるようです。

演奏会のプログラムはその時代時代の最新の内容で書かれるので一読の価値はあるのですね。



ポンマーさんの練習見学会

コンサート(札響)
01 /27 2017
昨日、週末の札響第586回定期(J.S.バッハの管弦楽組曲)の練習見学会に行くことができました。

見学会は45分やって15分休憩。また45分というスケジュールで、この日は前半に第4番、後半に第3番の練習がありました。場所は本番と同じkitara大ホールです。

ポンマーさんは通して演奏させ、その後に気になる部分に戻って表現、テンポ、音程、和音の細かい部分を確認をしていく進め方です。具体的には以下のようなことです。

「重くならないで軽やかにやってほしい」
「長い音は減衰させ、他のパートの動きを聴く」
「テンポが走らないように」
「インテンポだけど、リタルダンドしない程度に終わる感じを出す」
「音程上ずらないように」

第3番では冒頭の3本のトランペットの和音について、「簡単ではないことはわかっているが、演奏会の最初の一音なので、本番前に3人と私で合わせの練習をしよう」という提案も。また、楽団員側からも音の処理や音量についての細かな質問があり、的確に答えていました。

あたりまえですが、本番の演奏が素人ではわからない部分の緻密で地味なリハーサルの積み重ねで出来ていることを実感しました。

最後にポンマーさんからお話がありました。管弦楽組曲はフランスの様式を取り入れた曲で、バッハはリューネブルクに住んでいた頃、隣町の領主お抱えのフランス人の達の楽団の音楽が聴きたくて18キロを通ったこと。高音域のトランペット、バロックティンパニなどを使った多彩で見事な4つの曲を一度に楽しめるコンサートなので、是非足を運んでほしいとのことでした。

本番がますます楽しみになりました。悪天候にならないことを祈りたいです。



札響第595回定期 飯守&ホジャイノフの「皇帝」と「指環」抜粋

コンサート(札響)
11 /26 2016
■ 札幌交響楽団第595回定期演奏会(夜公演)

 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ワーグナー 楽劇「ニーベルングの指環」より ワルハラ城への入場、ワルキューレの騎行、
         魔の炎の音楽、森のささやき、ジークフリートの葬送行進曲、ブリュンヒルデの自己犠牲

 飯守泰次郎(指揮)
 ニコライ・ホジャイノフ(ピアノ)

 2016年11月25日(金)19:00~
 札幌コンサートホールkitara


1曲目は「皇帝」。14型2管編成。コンサートマスターは大平まゆみさん。チューニングが終わり、ホジャイノフさんと飯守さんが登場。ホジャイノフさんはパッと見は細身のイケメン、神経質な芸術家という感じです。92年ロシア生まれで、2010年のショパンコンクールのファイナリスト、2012年ダブリン国際ピアノ・コンクール優勝などの経歴をお持ちだそうです。

「皇帝」は意外にも生で聴くのは初めてですね。あまり好きな曲ではないのですが、演奏は両端楽章の力強さ、第2楽章の繊細な美しさはたっぷり堪能しました。曲のせいもあるのかもしれませんが、この演奏会ではホジャイノフさんはわりと飯守さんにあわせていたように感じました。ピアノとは関係がないのですがホルンの下吹きにソロがあったり、第2楽章から第3楽章にかけてホルンだけの持続音があったりと、新たな発見がありました。

アンコールは2曲披露してくれました。リスト(ブゾーニ編)の「フィガロの結婚」の主題による幻想曲とグランド・ギャロップ・クロマティックでしたが、こちらは荒々しくも圧倒的な超絶技巧で会場を大いに沸かせました。すごい!

DSC_1844201611261436.jpg

後半は「指環」ハイライト。弦5部は16型に拡大。管打はフルート4(ピッコロ持替)、オーボエ3、イングリッシュホルン、クラリネット3、バスクラリネット、ファゴット3、ホルン8(ワーグナーテューバ持替)、トランペット3、バストランペット、トロンボーン4(コントラバストロンボーン持替)、テューバ、ティンパニ2、スネアドラム、トライアングル、タムタム、シンバル、グロッケンシュピール、ハープ2と、まあ舞台にびっしりです。

「皇帝」ではスコアを見ながらだったマエストロ飯守はワーグナーではなんと暗譜。さすがはオペラ指揮者ですね。

ワルハラ城への入場がはじまったとたんワーグナーの世界に引き込まれました。分厚い響きやトゥッティのときのものすごい迫力に快感を覚えます。飯守さんがプログラムに「ワーグナーの音楽の一番素晴らしいところは、極端に言えば人の心を操作するほどの圧倒的な表現力」と書いておられたとおりですね(笑)。6曲の中ではワルキューレの騎行、森のささやき、ジークフリートの葬送行進曲がとても良かったと思いました。

飯守さん、納得の快演だったのでしょう。タクトを置いた後、両手をがっちり合わせて楽団への感謝を示していたように見えました。

まことに聴きごたえたっぷり・腹いっぱいの演奏会でした。札響定期は年内は今回で終了。次の定期は約2か月後です。