札響第604回定期 エリシュカ指揮「シェエラザード」ほか

コンサート(札響)
10 /28 2017
■ 札幌交響楽団第604回定期演奏会

 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」序曲
 ドヴォルジャーク チェコ組曲
 リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

 ラドミル・エリシュカ(名誉指揮者)
 
 2017年10月27日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

秋晴れの中、2006年以来11年にわたり札響と良好な関係を築いてきたマエストロ、エリシュカ最後の来日、そして日本での最終公演を聴いてきました。

まず、マエストロはお元気で、指揮ぶりもこれまでの公演と同じく颯爽としたもの。聴かせてくれる音楽も生気に満ち溢れたものでした。最後の来日とは惜しい限りですが、高齢ですから体にかなり負担はかかっているのでしょう。

演奏会自体は最終公演にふさわしく素晴らしく、思い出に残るものになりました。

今回はやはりメインのシェエラザードに尽きます。エリシュカさんの希望で、当初予定のベートーヴェンの「英雄」から札響に初めて客演した際に振った思い出のこの曲に変更になったとのことです。エリシュカさんの指揮は結構デフォルメを効かせた濃厚な印象を受けました。この曲はこれぐらいの方がドラマティックな面白さが際立つように思います。オーケストラも厚みもあって力強く、アンサンブルもきっちり決まって、マエストロの最後の公演に高いパフォーマンスで応えていたように感じました。美しいソロを聴かせてくれたコンマスの田島さんも素晴らしかったですし、ファゴットの坂口さんやトランペットの福田さんなど管楽器のソロもとても良かったです。

「バグダッドの祭、海、青銅の騎士の立つ岩での難破、終曲」で音楽がクライマックスに向けて次第に盛り上がっていくところで、「これで最後かぁ」という実感が湧いてきました。演奏後、万雷の拍手とスタンディングオーベイションで称えられていたマエストロ。その指揮ぶりや息遣いを記憶にとどめておきたいと思った演奏会でした。


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札響第603回定期 下野指揮 ブルックナー交響曲第1番ほか

コンサート(札響)
09 /23 2017
■ 札幌交響楽団第603回定期演奏会

 スッペ 喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲
 グルダ チェロと吹奏楽のための協奏曲 *
 ブルックナー 交響曲第1番ハ短調(ウィーン版)

 下野竜也(指揮)
 宮田大(チェロ) *

 2017年9月23日(土)14:00
 札幌コンサートホールkitara
 
下野さんの指揮は2年前の都響札幌公演以来です。

1曲目スッペ。オケの軽快な響き、チェロ首席の石川さんの美しいソロ、活力に満ち溢れた演奏でブラヴォーがかかりました!。

2曲目はピアニスト、フリードリヒ・グルダの1981年の作。独奏チェロと吹奏楽のための作品ということで、弦楽セクションの椅子や譜面台が撤去されます。その間、なんと下野さんが作品解説をするというサービス付きでした。楽器編成は面白いです。独奏チェロの前にマイク、ステージ上にスピーカーが4台。グルダの指定だそうです。管楽器セクションにギター、ドラムス、タンバリン、トライアングル、コントラバス。

曲は、何と言ったらいいのでしょう。5曲で構成されていてJAZZのビッグバンドのような曲や長いカデンツァなど、個性あふれるもの。普通のクラシックの作品とはまるで違いますが、下野さんが解説で「決しておふざけではない」と言っていたのはわかりました。ただ、正直好みではなかったですね。宮田さんのアンコールはバッハの無伴奏チェロ組曲 第3番よりブーレでした。

ちなみに、こんな曲(1.序曲)



休憩後はブルックナーの1番。プログラムには札響初演とありました。第2番は札響が日本初演らしいので、意外な気もします。さて、演奏の感想はというと・・・いい演奏だと思いましたけど、曲が・・・・、特に両端楽章の主題がはっきりしないところが好きになれない曲です。第2、第3楽章は好きなんですけどね。

今回の演奏会、スッペとグルダでは1番トランペットがお若い女性でした。今月入団の副首席の鶴田さんでしょう。金管セクションの紅一点。札響に新しい風を吹き込んでほしいですね。


札響第602回定期 モーツァルト 協奏交響曲ほか

コンサート(札響)
08 /26 2017
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■ 札幌交響楽団第602回定期演奏会
 
 ベートーヴェン 序曲「レオノーレ」第3番
 モーツァルト 協奏交響曲 変ホ長調
 フランク 交響曲 ニ短調

 ユベール・スダーン(指揮)
 関美矢子(オーボエ)、三瓶佳紀(クラリネット)
 山田圭祐(ホルン)、坂口聡(ファゴット)

 2017年8月26日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

開演前のロビーコンサート、今月は金管アンサンブルでした。曲はガブリエリの「第7旋法によるカンツォン第2番」と「ピアノとフォルテのソナタ」という定番の2曲。学生時代にやりましたよ。懐かしいですねぇ。いい曲、そしていい演奏でした。拍手。

さて、演奏会本体はというと、1曲目、レオノーレ第3番。きりっと締まり、メリハリの効いた気持ちのいい演奏。舞台袖からのトランペット・ソロは副首席の松田さん。バッチリきまっていました。今月で退団ということで、演奏後はスダーンさんとともに盛大な拍手を受けていました。長い間本当にお疲れさまでした。

2曲目、モーツァルトの協奏交響曲は札響首席奏者4人がソリストとなっての演奏です。オーボエの関さんの緑のドレスで舞台が明るくなります。スダーンさんはタクトを持たない指揮。ザルツブルグ・モーツァルテウム管の音楽監督を13年務めた経験が生かされているのでしょうか、オーケストラからとても上品な音を引き出していました。4人のソリストも程よく聴き合い、程よく主張するといった雰囲気が出ていてとても良かったです。

休憩後はフランクの交響曲。スダーンさん、テンポや曲想など表情豊かな演奏だったと思います。サウンドも重苦しい感じは受けませんでした。第2楽章のイングリッシュホルンやホルンのソロも良かったですし、トゥッティでの弦とトランペットを中心にオーケストラが一つの楽器のように鳴る部分も綺麗な響きでした。

開演前のkitaraの様子。8月の定期は良く晴れた夏の一日でした。
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札響第601回定期 秋山指揮 ショスタコーヴィチ「第5」ほか

コンサート(札響)
07 /08 2017
昨日は33度、今日も30度まで気温が上がった札幌。そんな中、札響定期を土曜のマチネで聴いてきました。

■ 札幌交響楽団第601回定期演奏会

 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35 *
 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ニ短調 op.47

 秋山和慶(指揮)
 神尾真由子(ヴァイオリン)*

 2017年7月8日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara


今回の定期は一言でいうと神尾さんに尽きます!。

神尾さんは以前、札響定期でハチャトゥリアンのコンチェルトを聴かせてもらったことがあり、その時も良かったのですが、今回はそれ以上でしたね。

ブルーの涼しげなドレスで登場した神尾さん。むせび泣くようなヴィブラートから始まる独奏ヴァイオリン。濃厚でダイナミック。スケールの大きな演奏はチャイコフスキーにとてもよくマッチしていて、すっかり魅了されました。すごく素敵でした!。

秋山さんの指揮も統率が効いていて、とても安心できます。第1楽章でヴァイオリン独奏が止み、トゥッティで主題を奏でるところは高潔な印象さえ受けました。独奏ヴァイオリンと絡みあって盛り上がりながら進行する第3楽章のアンサンブルもぴったり。

それにしても神尾さんへのブラヴォーや拍手は近年ないぐらいの盛大なものでした。ファンが多いのかな。でも今日はそれも納得の快演でした。アンコールはパガニーニの24の奇想曲より「第24番」が演奏されました。

後半はショスタコの5番です。こちらも迫力満点のいい演奏でした。今回の定期はサブタイトルが「祝 kitara20周年 こけら落し指揮者とともに」でした。今後とも札響といい関係を築いていただくことを望みます。

さて、第2ヴァイオリン首席の大森さんが今月末をもって退団されるようで、終演後、ステージ上ではコンマスの大平さんから花束が贈られました。大森さん少し感極まっていたようにも見えました。

2年ほど前に開いたリサイタルは一曲一曲丁寧に演奏され、また聴衆も本当に音楽が好きな人たちが集まって聴き入ったという印象の素敵なものでした。素晴らしいアーティストと確信しています。札響を去られるのは非常に残念ですが、新天地でのご活躍をお祈りします。2006年から11年間の在籍とのこと。大変お疲れさまでした。

う~ん、でもやっぱり地方オケでは優秀な人材をつなぎ留めておくのは・・・、難しいのですね。


札響第600回記念定期演奏会 モーツァルト 3大交響曲

コンサート(札響)
06 /10 2017

■ 札幌交響楽団第600回記念定期演奏会

 モーツァルト 交響曲第39番 変ホ長調 K.543
 モーツァルト 交響曲第40番 ト短調 K.550
 モーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」

 マックス・ポンマー(指揮)
 
 大平まゆみ(コンサートマスター)

 2017年6月10日(土)14:00~
 札幌コンサートホールkitara

1961年創立の札響の定期演奏会が今回で600回となりました。今朝の地元紙によると地方オケでは京響さんに次ぐ回数のようです。

ポンマーさんのモーツァルトといえば、昨年8月定期での清新なレクイエムが印象に記憶されています。今回も抑制されたビブラート、ティンパニの硬質な音、キリっと早めのテンポという同じスタイルだと感じました。

はじめは39番。12型の弦5部にフルート1、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニという編成。上品な弦、クラリネットとホルンの柔らかな音色がこの曲の持つ温か味を引き出していたように思いました。なかなか良かった。

2曲目は40番。今回は初稿による演奏のためトランペット2、ティンパニが抜けるのに加え、クラリネット2とオーボエ2が入れ替わります。第4楽章の初めの方に出てくるソロなど、短調のこの曲には鮮やかな対比で幸福感を感じるクラリネットの音色の方があっているように思うのですが、オーボエで聴いても別の味わいがあっていいものです。初稿を生で聴くのは初めてかもしれません。それにしても第1楽章展開部の弦のアンサンブルはぞくぞくしますね。曲の素晴らしさを再認識。

休憩後は「ジュピター」。管打はフルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニです。冒頭の3つの音はややタメのある感じ。その後は堂々たる曲の進行にトランペットとティンパニの強奏強打がアクセントを添えます。あとは、やはりフィナーレが良かったですね。堂々たるアンサンブルで編成以上に曲の偉大さや壮麗さが伝わってきました。

今日は雨で最高気温16度という肌寒い日でしたが、ざっと見たところ9割ほどのお客さんの入りだったように思いました。今後も好演を期待したいです^^/