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札響第649回定期 ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲、ドビュッシー「海」ほか

札響
11 /29 2022
■札幌交響楽団第649回定期演奏会

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ※
ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死
ドビュッシー:「海」~オーケストラのための3つの交響的素描

指揮:エリアス・グランディ
ヴァイオリン:ヴィクトリア・ムローヴァ ※

札幌コンサートホールkitara
2022年11月27日(日)13時

なんと定期会員なのに5ヶ月ぶりの札響定期となってしまった。
前半はショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲。トランペット、トロンボーンのないユニークな編成。団員がステージに揃った中、ムローヴァさんが白と黒を基調としたパンツドレスで登場です。
結論から書くとこれまで3度聴きましたが、今回は圧倒的に素晴らしく、とても感動しました。ストラディヴァリから奏でられる美音が連綿と続く静謐な第1楽章や、ホール全体が息をのみ聴き入った第3楽章のカデンツァに深い感動を受けましたし、第2楽章や第4楽章ではオーケストラが素晴らしいパフォーマンスを披露してくれ、独奏ヴァイオリンとの火花散る演奏に鳥肌が立ちました。こうやって聴いてみると、この曲、なかなか味わい深く、演奏効果も大きい戦後の名作コンチェルトだと思います。ブラヴォーはできないけど、盛大な拍手で会場は大盛り上がりでした。
アンコールにはバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より「サラバンド」が演奏されました。1挺のヴァイオリンから紡ぎ出される小宇宙って感じがたまらないですね。とても良かった・・・・。

後半最初は「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死。
包み込むような柔らかな弦楽器のハーモニー、木管楽器の瑞々しい響き。酔いしれる音楽です。生で聴くのは30年ぶりぐらいかと思いますが、とても良かったですね。ちなみトランペットは、次の「海」もあるからか、ピストンのC管を使用していました。

最後は「海」。ラッパ陣はトランペット3、コルネット2という編成。トランペットにブラッシーな響きを、コルネットには柔らかで機動性の高いフレーズをという性格分けも聴いて・見て興味深かったです。Ⅰ「海上の夜明けから正午まで」、Ⅱ「波の戯れ」は細かなニュアンスも絶妙ですごく良かったですが、Ⅲ「風と海との対話」は少し自分の心には響いてこない面もありました。

今年の演奏会通いは、これでおしまいです。
今年は自身の演奏活動が忙しく、札響定期だけでなく、その他のコンサートにもなかなか行けないことも多かったです。来年は転勤があるかもしれないので、演奏活動も演奏会通いも難しくなるかもしれません。

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ラトル/ロンドン交響楽団札幌公演 ブルックナー第7ほか

その他のコンサート
10 /04 2022
■ロンドン交響楽団札幌公演

シベリウス:交響詩「大洋の女神」
シベリウス:交響詩「タピオラ」
ブルックナー:交響曲第7番

指揮:サー・サイモン・ラトル
ロンドン交響楽団

2022年10月3日(月)19:00~
札幌コンサートホールkitara

LSOを聴くのは約30年ぶり(前回はマイケル・ティルソン・トマスの指揮でのマーラー9番)、ラトルを聴くのは約20年ぶり(前回はバーミンガム市響との「英雄」ほか)です。

今日の公演は当初2020年に予定されていたものでした。コロナ禍で中止となり、2年越しと言うことになります。お客さんも海外のメジャーオケの公演に飢えていたのでしょうか、ざっと見たところ9割以上の客入りで大盛況の様子。

この日の配置で最も特徴的なのは、コントラバスを中央最上段に一列に配置した点でしょうか。低音が前面に出るところはたっぷり聞こえ、それ以外はまろやかに全体を包み込むいい配置だと感じました。その他は、一段下にトランペットと、トロンボーン、チューバ、上手側にワーグナーチューバと、ホルン、中央に木管、下手奥にティンパニでした。

さて、前半はシベリウスの2曲。息をのむほどの精緻な演奏。特に管楽器のピアニッシモのコントロール、ほんのわずかな乱れもないアインザッツは、さすが超一流楽団です。そしてシベリウス特有のほの暗い中に生命感をしっかりと感じられる音楽。とても素晴らしかった。ブラヴォーです。

後半もオーケストラは絶好調。ピッチが揃って透明感のある弦、瑞々しく主張する木管、迫力はあるけど、うるさくなく綺麗にブレンドされた金管とこれまた素晴らしいサウンド。ラトルの指揮は動きが最小限で(これだけ振らない人は初めてかも)、芸術表現を伝えるだけのもののようでしたが、機敏に反応する様は両者の相性の良さを感じました。

中庸なテンポでのしなやかなブルックナー、本当に気持ちが良かったです!。とりわけ前半の2つ楽章は、かつてkitaraで聴いたハイティンク/ウィーン・フィルに匹敵する神々しいほどの感銘を受けました。

東京フィル演奏会 「シェエラザード」ほか

その他のコンサート
08 /11 2022
■フェスタサマーミューザKAWASAKI2022
東京フィルハーモニー交響楽団演奏会

ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲*
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

指揮:ダン・エッティンガー
ヴァイオリン:服部百音*

2022年8月7日(日)15時~
ミューザ川崎シンフォニーホール

自分の所属する楽団の練習等で忙しく6月の札響定期は聞きそびれ、その後もバタバタ。久しぶりの投稿になってしまいました。

さて、約2年半ぶりの妻実家への帰省の機会を使って聴いてきました。ざっくり感想を。

まずはロッシーニ。いいですね。こういう明るく伸びやかでワクワク感のある曲好きですねぇ。当時の人たちもロッシーニの音楽、オペラに夢中になるのも分かります。演奏もとても良くて、元気をもらいました。

次は服部さんのメンコン。この日の演奏会の白眉だったと思います。素晴らしい技巧はもちろん、のめり込むように濃厚に歌う表現力がとても良かったですね。聴衆に深々とお辞儀をする美しい所作とともに、とても印象に残るソリストでした。開演前のプレトークでメンコンを指揮するはなんと初めてと語っていたエッティンガーさんも丁寧な音楽運びで好サポートでした。ブラヴォー!!

後半のシェエラザードは、エッティンガーさんによるデフォルメした表現と緩急が面白く、聞き手を音楽・物語に引き込んで離さないドラマティックなものでした。東フィルもヴァイオリンやクラリネットのソロが絶品だったほか、トランペットの全オーケストラを突き抜けて響き渡る豪快な吹奏はホント素晴らしかったです!。あんな風に吹ければなぁ。いやぁ、これは自分にとってかなり勉強になりました。

札響第645回定期 シューマン「ライン」ほか

札響
05 /30 2022
■札幌交響楽団第645回定期演奏会
ヘンデル:「水上の音楽」第2組曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番*
シューマン:交響曲第3番「ライン」

ピアノ:アンヌ・ケフェレック*
指揮:マティアス・バーメルト

2022年5月29日(日)13時
札幌コンサートホールkitara

新緑の清々しい札幌でラインを、と行きたいところでしたが、この日は最高気温が15℃にも届かない肌寒い日。それでもとても良い演奏会でした。

前回22番が物凄く良かったので、アンヌ・ケフェレックさんを期待して出かけたのですが、自分は27番のコンチェルトが昔からあまり好きになれないことが影響してか、聴く集中力が途切れがちで。いやはや日本まで来てくれたのに申し訳ない。

この日は何と言っても最初の水上の音楽!。好きな曲です。バッハのようなお堅いところがなくて。2本のトランペット、首席の福田さんと小林さんが絶品、ブラヴォーです!!。福田さんのピッコロはロータリーでした。私の記憶では初めて見るかも知れないです。

ラインも良かった。前月の英雄の生涯のように、感動というのとは違う、音に浸る心地よさですね。メンデルスゾーンやシューマンなどロマン派って好きなんですよ。綺麗な旋律線とハーモニーに安心感を覚えます。朗々たるホルン、素朴な味わいの木管、荘重な響きのトロンボーン、終楽章の躍動感とトランペットのファンファーレ風の楽句など、札響もとても素晴らしかった!。バーメルトさんの指揮は力が抜けきっていて、それでいて、少しの指揮の動きに機敏に反応する札響の皆さん、さすがプロですね。

札響第644回定期 英雄の生涯ほか

札響
04 /26 2022
■札幌交響楽団第644回定期演奏会

武満徹:群島S.
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調*
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」

指揮:広上淳一
ピアノ:小山実稚恵*

2022年4月24日(日)13:00~
札幌コンサートホールkitara

1曲目、群島S.は21人の奏者による武満が目にした群島、ストックホルム、シアトル、瀬戸内海の島々の美しい景観をイメージした詩情豊かな作品。タイトルのS.は島々のイニシャルにちなんだものとのこと。奏者は5つのグループに分かれ、ステージ下手、上手、中央のほか、客席左、右(今回はステージ上)に配置されるユニークなもの。ホルンの圡谷さん、トランペットの鶴田さんのフラッタータンギングもあるsoloが素敵でした。

2曲目はベートーヴェンの3番。小山さんは2015年にkitaraで広上さんとラフマニノフの3番で共演していますが、今回もすごく良かったですね。男性的な質実剛健さと、優美で祈りに満ちた緩徐楽章の対比を美しく描き、好サポートの札響とも相まって、しっかりした構成の古典派協奏曲に身を浸しながら、心地良い時間を過ごしました。

後半は、英雄の生涯。99年にこのkitaraでケント・ナガノ指揮、ベルリン・ドイツ管弦楽団を聴いて以来です。
ステージ上は圧巻の大編成。16型の弦五部で60人に、ピッコロ1、フルート3、オーボエ4、Esクラリネット1、クラリネット2、バスクラリネット1、ファゴット3、コントラファゴット1、ホルン9、トランペット5、トロンボーン3、ユーフォニアム1、ティーバ1、ティンパニ、バスドラム、スネアドラム、テノールドラム、タムタム、トライアングル、ハープ2と100人規模です。

演奏もすごく良かった!
冒頭の「英雄」から重低音が効くとともに、アシ付きのホルン9の圧倒的な音量と輝かしい響きで引きこまれます。「英雄の敵」での管楽器の巧みなアンサンブル。「英雄の伴侶」では、今回からコンサートマスターに就任した会田莉凡さんの美しくも技巧的なsoloを満喫しました。

「英雄の戦場」以降も大オーケストラを堪能しました。冒頭の舞台裏からのトランペット3本のファンファーレ、ブラヴォーです!。ドラムの凄まじい刻みとトランペットをはじめとする金管群の力強い吹奏、アンサンブルも見事でした。音楽は盛り上がり頂点へ、そしてさらにその一段上まで盛り上げるシュトラウス一流のクライマックス。ただただ音響美に圧倒されます。

「英雄の業績」と「英雄の隠遁と完成」では、細かなアンサンブルやsoloが実に素晴らしかった。特にホルンの圡谷さん!。絶好調でしたね!。

いやぁ良かった。聴き終わった後は放心でした・・・。
と、まあ、今シーズンの開幕は言葉では言い表せないほど楽しい演奏会でした!