札響第610回定期 石坂団十郎(vc)のドヴォルジャークほか

音楽鑑賞
06 /30 2018
■札幌交響楽団第610回定期演奏会

ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲ロ短調 *
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」

指揮:飯守泰次郎
チェロ:石坂団十郎 *

2018年6月23日(土)14:00
札幌コンサートホールkitara

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前半は、79年ドイツ生まれの石坂団十郎さんによるドヴォルジャークのチェロ協奏曲。郷愁を感じさせる美しいメロディとオーケストラのシンフォニックな響きが堪能できる名作。自分の中では古今のクラシック音楽作品の中で最も好きなものの一つです。

演奏はとても良かったです。石坂さんのチェロは明るく爽やか、テクニックも素晴らしく圧倒されました。札響も第1楽章のホルンのソロ、第2楽章の瑞々しい木管や朗々たるホルンの三重奏、第3楽章でのヴァイオリンソロなんかも良かったですし、そして何よりこの曲の最大の魅力だと思っている独奏チェロとオーケストラとの対話のような掛け合いが見事でした。石坂さんへのブラヴォーは結構多かったですね。何度もステージに呼び戻され拍手喝采を受けていました。アンコールにはバッハの無伴奏チェロ組曲第3番よりジーグが演奏されました。

後半の「悲愴」はベテラン飯守さんの棒が冴えていました。一言でいうととてもドラマティックで熱量のある演奏。さすがです。特に第4楽章の一音一音隅々まで心のこもった演奏は印象に強く残りました。終わり近くの弦の悲痛な叫び、ホルンの呻き、トロンボーンの平安・・・。聴き終えた後の充実感がすごかったです。

今回の定期では、ドヴォルジャークの第1楽章後と「悲愴」の第3楽章後に拍手が起こりました。これまでkitaraでのこの曲の演奏ではなかったことなので少し驚きました。いつもと客層が違ったのでしょうか。自分は楽章間の拍手には比較的寛容な方ですが、「悲愴」ではさすがに曲全体の緊張が途切れ、興ざめの感も否めませんでした。


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プレトニョフ/ロシア・ナショナル管弦楽団札幌公演

音楽鑑賞
06 /19 2018
■ロシア・ナショナル管弦楽団札幌公演

グラズノフ:組曲「中世より」~前奏曲
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 *
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1945年版)

指揮:ミハエル・プレトニョフ
ピアノ:反田恭平 *

2018年6月17日(日)15:00
札幌コンサートホールkitara

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ロシアの楽団を生で聴くのは、フェドセーエフ/モスクワ放送響、ゲルギエフ/キーロフ歌劇場管に続き3度目。ロシア・ナショナル管は透明感のある洗練されたサウンドが魅力です。プレトニョフの指揮はクールで、その指揮ぶりも月初めに聴いた広上さんとは正反対の直立で腕の振りも小さいユニークな印象を受けました。手や腕のちょっとした動きでオーケストラがフォルテを決めるところなど、不思議ささえ覚え、それだけ両者が一心同体で音楽を作ってきたのかなと思い巡らせていました。余談ですが、1番トランペット奏者の楽器はベルだけ上を向いた仕様のもので、とても面白かったですね。

さて、1曲目グラズノフの「中世より」。はじめて聴く曲ですが、何というかR.シュトラウスのような息の長い綺麗な旋律もあったりして、綺麗な曲でしたね。

続いては新進気鋭のピアニスト反田恭平さんのチャイコフスキー。プレトニョフが生み出すふわっとした響きと、反田さんの逞しい打鍵から繰り出される骨太でダイナミックな音楽は、すれ違いを感じる瞬間もなかったわけでもないのですが、それでもまあまあ良かったと思いました。アンコールにはモーツァルトのピアノソナタ第11番より第3楽章「トルコ行進曲」が演奏されました。

休憩後は「火の鳥」。春の祭典やペトルーシュカに比べると弱い感じもしますが、じっくり特に木管楽器を聴くにはいい曲ですね。「ロンド(ホロヴォード)」や「子守歌」をはじめ、随所に現れる様々な木管楽器のソロは秀逸で、中でもフルートは妖艶な雰囲気さえ漂わせ存在感を放っていたと感じました。

2管編成での版なので、響きが薄いところはありますが、「凶悪な踊り」での迫力はさすがロシアのオーケストと思わせるものがありましたし、「最後の讃歌」でも感動的なクライマックスを築いていてすごく良かったです。1945年版というのは初めて聴きましたが、全曲のラスト、金管が奏でる旋律のリズムは聴き慣れたものと違う感じになっています。

アンコールは1曲。チャイコフスキーの劇付随音楽『雪娘』より「道化師の踊り」が演奏されました。


札響名曲シリーズ スペイン交響曲ほか

音楽鑑賞
06 /02 2018
■森の響(うた)フレンドコンサート
札響名曲シリーズ<VIVA!スペイン>

ビゼー:「カルメン」第1組曲
ラロ:スペイン交響曲 *
イベール:交響組曲「寄港地」
シャブリエ:管弦楽のための狂詩曲「スペイン」
ファリャ:「三角帽子」第2組曲

指揮:広上淳一
ヴァイオリン:三浦文彰 *
管弦楽:札幌交響楽団

2018年6月2日(土)14:00 
札幌コンサートホールkitara

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今日の札幌は最高気温23度、湿度45度ほどの良く晴れて爽やかな一日でした。午前中、北大祭に出かけ、昼ご飯も食べて、その足でkitaraに向かいました。曲目が気に入って前々から楽しみにしていたコンサートです。

「スペイン交響曲」のソリスト、三浦文彰さんを聴くのは2回目です。美音で超絶なテクニックを重くならずに曲にマッチするよう演奏していたように感じました。広上さんも世界に通用する逸材と絶賛する演奏は本当に素晴らしいものでした。三浦さん人気のせいでしょうか。お客さんの入りも上々でしたし、ソリスト、指揮者、オーケストラの三者が一体となった素晴らしいパフォーマンスで会場も大いに盛り上がりました。

オーケストラだけで演奏される4曲は色々思い出のある曲です。「寄港地」は中学の時に吹奏楽編曲版で練習した曲で、聴く分にはいい曲なのですが、なんせリズムに乗り切れず、とにかく難しく、苦労した記憶しか残っていません(笑)。「狂詩曲スペイン」、こちらはクラシック音楽を聴き始めた中学の頃、それはもうよく聴いていました。トロンボーンに気持ちのいいメロディがあり、曲の終わり方がかっこいい曲ですね。「三角帽子」も学生時代の吹奏楽コンクールで流行っていたこともあり、よく耳にして慣れ親しんだ曲です。

どの曲も派手に盛り上がって終わるので演奏効果抜群なのですが、広上さんと札響は、自分の中で思い描く「こんな感じでやってくれたらいいな」というのにぴったりのテンポ、リズム感、迫力で演奏してくれてとても良かったです。特に「寄港地」のバレンシアと「三角帽子」の終幕の踊りは高揚感たっぷりで最高でした!。あと、「寄港地」のチュニス~ネフタでのオーボエの関さんは、何かいつもより強く主張している感じがして、それが心に響いてきました。

広上さんの腕を大きく振り上げたり、指揮台の上で飛び跳ねたりする指揮ぶりはいつ見ても楽しいのですが、それだけでなく、動きがどんな音や表現を求めているかを想像しながら聴けたりするので飽きませんね。

それにしても大満足の演奏会でした。


札響第609回定期 ブルックナー交響曲第3番ほか

音楽鑑賞
05 /19 2018
■札幌交響楽団第609回定期演奏会

ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」(1877年第2稿)

指揮:高関健
ピアノ:シャルル・リシャール=アムラン

2018年5月19日(土)14:00~
札幌コンサートホールkitara

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前半は全体的に落ち着いた大人の雰囲気のショパン(第3楽章なんかではもう少し煌めく華やかさもあったらとも思いましたが)。札響のサポートも力強く、かつ弱音でのピアノとの絡みなども丁寧でとても良かったと思います。会場の雰囲気も良く、演奏が終わった後のブラヴォーは予想より多かったですね。

後半の開始に先立ち、高関さんから今回演奏する版についてのプレトークがあり、第2稿は2つあるが、今回はノヴァーク版を使いつつ、第1楽章の2小節と第3楽章のコーダがない初演時の形で演奏するとお話がありました。

さて、第3交響曲。好きな曲なので、初めて生で聴くのを楽しみにしていました。弦の刻みに乗ってトランペットソロが奏でられる出だしから様々な楽想が移り行く第1楽章をはじめ、このシンフォニーの魅力は尽きません。高関さんと札響の演奏はというと、少々響きが硬いかなという印象もありましたが、早めのテンポから一点一点かっちり決めていく行くような演奏。ブルックナーらしい?ごつごつとした感触も味わえました。トゥッティの力感、1番ホルンの好演(ソロが多い)、バランスのとれたブラスセクションの響きなど充実した演奏だったように感じました。

そうそう、この日は札響では珍しい対向配置でした。第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンと並び、チェロの奥にコントラバスです。ブルックナーの版といい、高関さんの拘りも楽しめる演奏会でした。


中野耕太郎トロンボーンリサイタル

音楽鑑賞
05 /06 2018
■中野耕太郎トロンボーンリサイタル

C.サン=サーンス:カヴァティーナ
J.M.ドゥファイ:シューマン風に
S.シュレック:ソナタ
阿部俊祐:委嘱作品「Ballade」
C.ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調
D.シュナイダー:sub ZERO バストロンボーン協奏曲

中野耕太郎(トロンボーン) 永沼絵里香(ピアノ)
飯村真理(ヴァイオリン) 大家和樹(パーカッション)

2018年5月6日(日)17:00~
札幌コンサートホールkitara(小ホール)

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連休最終日は札響副首席奏者の中野さんのリサイタルを聴きに行ってきました。19世紀フランスのオリジナル作品あり、シュレックというクロアチアの作曲家の作品あり、委嘱作品や現代曲ありと、多彩なリサイタルでした。

印象に残ったのは特に後半の2曲でしょうか。チェロパートをトロンボーンで演奏したドビュッシーは、聴く前はピアノ、ヴァイオリンとトロンボーンは音が馴染むのかなとも思ったのですが、これが結構良かったでした。中野さんがトークの中で「いい響きだと思う」とおっしゃっていましたが、聴いていてまさに同じ印象を受けました。特に第3楽章と終楽章が素晴らしかったと感じました。

スイスの作曲家シュナイダーの作品は、ジャズトロンボーン奏者のために1999年に書かれた3つの楽章からなる作品とのことです。「技術的な限界を探求する作品」というとおり、相当な難曲だと感じましたが、ただ単に技巧的なだけでなく、第2楽章なんかでは、聴き入ってしまうような部分もあったりと、魅力的な曲でした。ピアノ、パーカッション、ヴァイオリン(第2楽章のみ)を加えた編成で、にぎやかにリサイタルの最後を飾っていました。