札響第609回定期 ブルックナー交響曲第3番ほか

音楽鑑賞
05 /19 2018
■札幌交響楽団第609回定期演奏会

ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」(1877年第2稿)

指揮:高関健
ピアノ:シャルル・リシャール=アムラン

2018年5月19日(土)14:00~
札幌コンサートホールkitara

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前半は全体的に落ち着いた大人の雰囲気のショパン(第3楽章なんかではもう少し煌めく華やかさもあったらとも思いましたが)。札響のサポートも力強く、かつ弱音でのピアノとの絡みなども丁寧でとても良かったと思います。会場の雰囲気も良く、演奏が終わった後のブラヴォーは予想より多かったですね。

後半の開始に先立ち、高関さんから今回演奏する版についてのプレトークがあり、第2稿は2つあるが、今回はノヴァーク版を使いつつ、第1楽章の2小節と第3楽章のコーダがない初演時の形で演奏するとお話がありました。

さて、第3交響曲。好きな曲なので、初めて生で聴くのを楽しみにしていました。弦の刻みに乗ってトランペットソロが奏でられる出だしから様々な楽想が移り行く第1楽章をはじめ、このシンフォニーの魅力は尽きません。高関さんと札響の演奏はというと、少々響きが硬いかなという印象もありましたが、早めのテンポから一点一点かっちり決めていく行くような演奏。ブルックナーらしい?ごつごつとした感触も味わえました。トゥッティの力感、1番ホルンの好演(ソロが多い)、バランスのとれたブラスセクションの響きなど充実した演奏だったように感じました。

そうそう、この日は札響では珍しい対向配置でした。第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンと並び、チェロの奥にコントラバスです。ブルックナーの版といい、高関さんの拘りも楽しめる演奏会でした。


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中野耕太郎トロンボーンリサイタル

音楽鑑賞
05 /06 2018
■中野耕太郎トロンボーンリサイタル

C.サン=サーンス:カヴァティーナ
J.M.ドゥファイ:シューマン風に
S.シュレック:ソナタ
阿部俊祐:委嘱作品「Ballade」
C.ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調
D.シュナイダー:sub ZERO バストロンボーン協奏曲

中野耕太郎(トロンボーン) 永沼絵里香(ピアノ)
飯村真理(ヴァイオリン) 大家和樹(パーカッション)

2018年5月6日(日)17:00~
札幌コンサートホールkitara(小ホール)

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連休最終日は札響副首席奏者の中野さんのリサイタルを聴きに行ってきました。19世紀フランスのオリジナル作品あり、シュレックというクロアチアの作曲家の作品あり、委嘱作品や現代曲ありと、多彩なリサイタルでした。

印象に残ったのは特に後半の2曲でしょうか。チェロパートをトロンボーンで演奏したドビュッシーは、聴く前はピアノ、ヴァイオリンとトロンボーンは音が馴染むのかなとも思ったのですが、これが結構良かったでした。中野さんがトークの中で「いい響きだと思う」とおっしゃっていましたが、聴いていてまさに同じ印象を受けました。特に第3楽章と終楽章が素晴らしかったと感じました。

スイスの作曲家シュナイダーの作品は、ジャズトロンボーン奏者のために1999年に書かれた3つの楽章からなる作品とのことです。「技術的な限界を探求する作品」というとおり、相当な難曲だと感じましたが、ただ単に技巧的なだけでなく、第2楽章なんかでは、聴き入ってしまうような部分もあったりと、魅力的な曲でした。ピアノ、パーカッション、ヴァイオリン(第2楽章のみ)を加えた編成で、にぎやかにリサイタルの最後を飾っていました。


札響第608回定期 バーメルト指揮 アルプス交響曲ほか

音楽鑑賞
04 /29 2018
■札幌交響楽団 第608回定期演奏会

モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
R.シュトラウス:アルプス交響曲 op.64

マティアス・バーメルト(首席指揮者)

2018年4月28日(土)14時
札幌コンサートホールkitara

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アルプス交響曲が、それはもう最高に素晴らしかったです!。

アルプスの一日を音楽で現したシュトラウスの傑作をエキストラを含む札響は高い集中力と熱量で素晴らしい演奏で聴かせてくれました。多彩な表情と迫力は、映画一本見たかのような充実感。これまでの札響のすべての演奏会の中で、自分にとっては最高のものの一つになりました。静かに終わる曲なのに、じわじわ感動が来るなんてことも初めてでした。

さて、聴きどころの多い曲ですが、印象に残ったところでは、まずは「登山」のホルン、トランペット、トロンボーンによるバンダ。舞台裏からの力強い吹奏は粒がそろっていて雰囲気満点でよかったですね。それから、「氷河」、「危険な瞬間」、「見えるもの」、「終結」などでのトランペット・ソロ。これは高音や音の跳躍など相当に難しいものと思われますが、さすがは首席の福田さん、どれも素晴らしかったです。

ソロと言えばホルンも。首席の山田さんが随所に現れるソロを完璧にこなしていましたし、何よりホルンセクション全体も「頂上にて」で圧倒的なクライマックスを築く部分をはじめ、要所要所で太く、力強く、朗々とした響きで演奏会の印象をぐっと良くしていたと感じました。

このほか、弦楽器が奏でるシュトラウスならではの高音での陶酔的な響き。「山の牧場」でののんびりとしたカウベルの響き。「雷雨と嵐、下山」でのティンパニ2対、ウインドマシーンとサンダーマシーンの迫力。「終結」のパイプオルガンの幻想的な音色なんかも視覚とともに強く印象に残りました。まさに演奏会に足を運ぶ醍醐味です。

チケットは完売で、確かに満席に近い客入り。終演後、聴衆からはブラヴォーが多数かかり、ステージ上の団員たちはお互いを労い、双方にとって満足度の高い演奏会になったと思いました。


ロメウス弦楽四重奏団 第5回演奏会

音楽鑑賞
04 /18 2018
■ロメウス弦楽四重奏団 第5回演奏会

シューマン:弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 作品41-3
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132
 
市川映子(第1ヴァイオリン)、坪田規子(第2ヴァイオリン)
物部憲一(ヴィオラ)、廣狩理栄(チェロ)

2018年4月17日(火)19:00~
北海道立文学館

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札響と並んで楽しみにしているロメウス弦楽四重奏団の演奏会。今回はシューマンとベートーヴェンでした。シューマンの曲は初めて聴きましたが、部分的には美しい箇所もあるのですが、全体的にはあまり印象に残らず、結果、ベートーヴェンのすごさをあらためて感じる演奏会でした。

そのベートーヴェン。生では初めて聴く15番でしたが、さすが後期の曲の持つ内容の深さに圧倒されました。特に第3,4,5楽章がすごく良かったです。第3楽章冒頭、静謐さが続く中、しばらくして音楽が動き始める部分や、第4楽章後半からアタッカで入る第5楽章冒頭部分など、ぞくぞくする瞬間をいくつも感じました。本当に聴きに来てよかったと思える演奏会でした。ヴィオラの物部さんが「演奏する側も大変だが、聴く方も大変だ」とお話されていた腹いっぱいの演奏会は、アンコールにシューマンのピアノ小曲集「子どものためのアルバム」から弦楽四重奏にアレンジされた1曲が披露されました。


エリシュカ/札響 ブラームス 交響曲第1番

音楽鑑賞
04 /14 2018

2017年3月の定期演奏会のライヴ録音を聴いていました。2013年のシーズンから4年かけて行われたブラームスの交響曲全曲演奏の最後を飾るものです。

演奏会にも行きましたが、こうやってCDで聴いてみても、重量感があり、かつ、がっしりとした骨格をもった立派なブラームスという印象です。ライヴらしいここ一番の迫力も本当に素晴らしい!。

第1楽章や第3楽章などでの楽器間の絡み合いなどは、構築物のように立体感があって何度聴いてもいいですし、第4楽章の伸びやかでスケールの大きな演奏も、80歳を超える老巨匠によるものとは思えないほど生命力に満ち溢れています。あらためてエリシュカ氏の手腕のすごさと、それに心酔している楽団との相性の良さを感じました。最後の来日となった2017年秋の定期演奏会のライヴ盤も発売されると思いますが、待ち遠しい限りです。