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N響第1903回定期 「ローマの松」ほか

音楽鑑賞
01 /15 2019
■NHK交響楽団第1903回定期演奏会

ルーセル:バレエ組曲「バッカスとアリアーヌ」第2番
サン・サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調*
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
レスピーギ:交響詩「ローマの松」

指揮:スティファヌ・ドゥネーヴ
チェロ:ゴーディエ・カプソン*

2019年1月12日(土)15:00~
NHKホール

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所要で上京したついでにプログラムに惹かれてN響定期に行ってきました。2019年最初のコンサートになりますが、すごく良かったです。指揮のドゥネーヴさんは、71年フランス生まれとのこと。初めて聴かせていただきましたがオーケストラを綺麗に響かせる方という印象です。

1曲目、吹奏楽でもよく演奏される「バッカスとアリアーヌ」。怪しげで妖艶な雰囲気を経て、鮮烈なリズムとともに盛り上がる曲の魅力がたまりません。N響の演奏もすごく良かったと感じました。

81年フランス生まれのチェロのカプソンの演奏は、サン・サーンスのチェロ協奏曲第1番も良かったですが、アンコールに指揮のドゥネーヴさんのピアノ伴奏で弾いたサン・サーンスの「白鳥」が超絶品でした。まさに美しさの極みです。

「ローマの謝肉祭」。短い曲ですが、アンサンブルが難しそうです。軽やかで鮮やかな快演を聴かせるN響はやはり上手いなぁと、あらためて思いました。イングリッシュホルンのソロを吹いた池田さん、ブラヴォーです。盛大な拍手が贈られていました。

そして最後の「ローマの松」。“アッピア街道の松”で会場2か所のバルコニーに配置されたトランペット4、トロンボーン2のバンダが視覚的にも音響的にも効果的で、まさに音の洪水。とても感動的でした!。“ジャニコロの松”のナイチンゲールはステージ上に置かれた蓄音機から流されていました。

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トランペット、この日は首席2人のうち長谷川さんでした。ローマの謝肉祭でのコルネットや”ボルゲーゼ荘の松”での鮮やかな演奏、”アッピア街道の松”でのパワフルな演奏、とても良かったです。


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モーリス・アンドレ(tp) トランペット協奏曲集

音楽鑑賞
12 /23 2018
バロックから現代までのトランペット協奏曲の名作を集めた6枚組のディスクを楽しんでいました。トランペットは長い間、独墺系のロータリー・トランペットの柔らかく、重厚でオーケストラによくなじむ音色を好んで来ましたが、最近はトランペットらしい明るく輝かしい音色もやはりいいのもだなあと感じています。

収録曲の中では、ピッコロ・トランペットの比類のないテクニックを堪能できるテレマンのニ長調やバッハのブランデンブルク協奏曲第2番、ビブラートを効かせた軽やかなハイドンの変ホ長調のコンチェルトあたりをよく聴きました。空高く響きわたるような美しい音色とさ華やかさがあって、本当に気持ちが良い演奏だと感じました。それからトマジ、アルチュニアンも結構聴きました。特に後者のかっこよさ!。惚れ惚れします。逆にフンメルは原調(ホ長調)のためか、なんだか耳にきつく聴こえてあまり聴きませんでした。でも全体として大いに楽しめるディスクかなと思います。

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Disc1
ヴィヴァルディ:トランペットとヴァイオリンのための協奏曲変ロ長調
J.S.バッハ:協奏曲ヘ長調
アルビノーニ:協奏曲変ロ長調
トレッリ:2つの協奏曲ニ長調
パーセル:ソナタ第1番ニ長調
ツィポリ:組曲ヘ長調

Disc2
J.S.バッハ:ヴァイオリンとトランペットのための協奏曲ニ短調
テレマン:トランペット協奏曲ニ長調
ヴィヴァルディ:2台のトランペットのための協奏曲ハ長調
テレマン:3台のトランペットのための協奏曲ニ長調
ファッシュ:協奏曲ニ長調
ルイエ:協奏曲変ホ長調
タルティーニ:協奏曲ニ長調

Disc3
マルチェッロ:協奏曲ハ短調
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番
ヘンデル:組曲ニ長調
ヴィヴァルディ:協奏曲変イ長調

Disc4
モルター:協奏曲ニ長調
ビスコーリ:協奏曲ニ長調
ヘルテル:協奏曲変ホ長調
ハイドン:協奏曲ハ長調

Disc5
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調
モーツァルト:協奏曲ハ長調 K.314
M.ハイドン:協奏曲ニ長調
チマローザ:協奏曲ハ長調
フンメル:トランペット協奏曲ホ長調

Disc6
トマジ:トランペット協奏曲 (1948)
アルチュニアン:トランペット協奏曲 (1950)
ジョリヴェ:トランペット、ピアノ、弦楽のためのコンチェルティーノ (1948)
シェーヌ:トランペット協奏曲 (1956)
ランドスキ:トランペット、弦楽、電子音響楽器のための協奏曲 (1976)


札響第614回定期 メンデルスゾーン「宗教改革」ほか

音楽鑑賞
12 /02 2018
■札幌交響楽団第614回定期演奏会

メンデルスゾーン:交響曲第5番ニ短調「宗教改革」
J.S.バッハ:ピアノ協奏曲第1番 *
シューマン:交響曲第3番変ホ長調「ライン」

指揮:マックス・ポンマー
ピアノ:マルティン・シュタットフェルト*

2018年12月1日(土)14時
札幌コンサートホールkitara

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今年最後の札響定期ですが、どうしても外せない用事のために後半の「ライン」は残念ながら聴けませんでした。

氷点下の寒さとなった師走の札幌。会場に着いてまもなくロビーコンサートが始まりました。今月で退団するトランペットの前川さんと弦楽セクションのメンバーでバッハの「主よ人の望みの喜びよ」やカッチーニの「アヴェ・マリア」が演奏されました。前川さんの綺麗な音色、とても良かったですね。ブラヴォーと温かい拍手に包まれていました。40年超の在籍だったそうです。本当にお疲れ様でした。

さて、メインの「ライン」を聴いていないので、なんとも感想文を書きにくいのですが、「宗教改革」について書いておこうと思います。宗教改革300年を記念して作曲されたというこの曲は、2管編成にコントラファゴット1とトロンボーン3が加わる編成。札響による演奏は1967年以来51年ぶりとのこと。

厳かな雰囲気の第1楽章序奏では管楽器のアンサンブルが見事でしたし、第4楽章冒頭でのルターが作ったという「神はわがやぐら」を奏でる高橋聖純さんのフルートもとても綺麗でした。必ずしも傑作交響曲ではなく、正直退屈な部分も多いと感じる曲にあっても、聴きどころを見いだせたのは収穫でした。演奏全体も前首席指揮者ポンマーさんと息のぴったりと合ったいきいきとしたもので安定感がありました。この日のトランペットは福田さん、前川さんのお二人。「ライン」でもきっと素晴らしい吹奏だったろうと思います。聴けなくて残念。


ロメウス弦楽四重奏団 第6回演奏会

音楽鑑賞
11 /10 2018
■ロメウス弦楽四重奏団第6回演奏会

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番ニ長調作品18-3
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番ハ長調作品59-3「ラズモフスキー第3番」

市川映子(第1ヴァイオリン)、坪田規子(第2ヴァイオリン)
物部憲一(ヴィオラ)、廣狩理栄(チェロ)

2018年11月9日(金)19:00~
北海道立文学館

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ベートーヴェンが最初に書いたという明るく伸びやかな第3番と、印象的な和音で始まる「ラズモフスキー第3番」というこの日の演奏会。両方とも良かったのですが、特にいいなと思ったのは、ラズモフスキー第3番の第2楽章でしょうか。チェロのピチカートに乗せて奏でられる暗いテーマは、まるで呼吸をしているような深い響きで大いに魅了されました。まさにこの日の演奏会の白眉だと感じました。それから、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、チェロ、第1ヴァイオリンと受け継いで始まる終楽章。ここでのアンサンブルの愉しさや迫力も素晴らしかったと思います。やはり充実の一曲ですね。室内楽は人数が少ないだけで、音楽は広く伸びやかに。決して小さくまとまるものではないとあらためて感じた次第です。

熱演でしたが、ヴィオラの物部さんからアンコールをしないのは「つまらない」とお話があり、ハイドンの弦楽四重奏曲第77番「皇帝」から第3楽章メヌエットが演奏されました。まさにクールダウンに相応しい品のある演奏。ベートヴェンの全曲演奏は今回で半分を終えたとのこと。残りも楽しみです。


映画「リズと青い鳥」を観る

その他
11 /03 2018
快晴でこの時期にしては暖かかった文化の日、新千歳空港国際アニメーション映画祭で、武田綾乃さんの「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」を原作とした映画「リズと青い鳥」を鑑賞してきました。

高校の吹奏楽部に所属する3年生、オボーエの「鎧塚みぞれ」とフルートの「傘木希美」という親友同士が主人公です。

「リズと青い鳥」はふたりの学校が吹奏楽コンクールの自由曲として選んだ曲で、劇中、童話をもとにした作品とされています。内容は森にすむ孤独な娘リズのもとに、ある日、少女となった青い鳥が現れ、お互いが家族を得て幸福に暮らす中、リズは少女が実は青い鳥であることを知り、最後は少女を愛するがゆえに、自由になるべきと、青い鳥を放つというもの。

曲の第3楽章にはオーボエとフルートが絡み合う長大なソロがあり、静と動、陰と陽のような対称的なみぞれと希美は、同じ中学の吹奏楽部出身で、みぞれはクラスで孤独にしていたところ、希美から勧誘されて入部した経緯もあり、自分たちをリズと青い鳥の関係に重ねつつ、演奏や卒業後の進路を考えていく中で、自己を確立していくというようなストーリーです。

観ての感想はというと、自分自身が元吹奏楽部員だったからもあるので多少バイアスがかかっていると思いますが、これが実に良かった!。

まず「リズと青い鳥」の音楽。愁いを帯びた音楽は一度聴いても印象に強く残り、一瞬で魂をわしづかみされるようでした。また、作画の美しさ、生活音の隅々に至るリアリティの追求も、繊細に作りこまれた作品でした。これは劇場以外ではなかなか味わえない体験でした。そして、内容も非常に深いものがありました。みぞれと希美は「リズ」と「青い鳥」のどちらなのか・・・・。それに気づくラスト30分ぐらいは、青春の「危うさ」というか「残酷さ」というか、そういうリアルさを見せつけられ、なかなか深く、重いものがありました。